「矜持」VS「プライド」

“誇り”という意味合いを持つこの「矜持」と「プライド」ですが、実は日頃私たちが何気なく使っているプライドの中身は「矜持」とは全く両極の概念と言ってもいいくらい大違い。

簡単に言うと、「矜持」はポジティブ、「プライド」ネガティブに作用する言葉でした。

内容

GPT見解

プライドの高い人か矜持を持つ人か

矜持を持つには?

ウェルビーイング(well-being)とは?

企業の取り組み事例

Z世代とウェルビーイング

 

GPT見解

ChatGPT

矜持(きょうじ)とプライドは、個人の心理や行動に関連する概念です。

矜持は、自尊心や自己評価に基づく内面的な誇りや自信のことを指します。矜持を持つ人は、自分の価値や尊厳を守るために努力し、他人からの批判や軽蔑に傷つきにくい傾向があります。矜持は、自己尊重の感情的な側面を表現し、他人からの認められたいという欲求とも関連しています。

一方、プライドは、自己評価や自己価値に基づく誇りや自尊心の一種ですが、矜持とは異なる側面も持っています。プライドは、他人からの評価や称賛に対する強い欲求や、自分自身の優越感や優れた存在であるという意識を表現することもあります。プライドを持つ人は、自己主張や自己顕示欲が強く、他人との競争や成功によって自尊心を保つ傾向があります。以上GTP

このように、私たちが使う「プライド」には、「誇り」よりも「うぬぼれ(自惚れ)」「高慢」の意味が含まれています。

そうしてみると「プライド」の「誇り」とは「メンツ(面子)」を意味しているようです。

プライドの高い人か矜持を持つ人か

“プライドが傷つけられた”とは早く言えば「メンツ(面子)」が傷つけられたということで、言い換えると「顔をつぶされた」という意味になります。

“プライドの高い人”という表現がありなます。
そういう人は、傷つきやすく、高慢で自己顕示欲が強く、競争心や闘争心により、いつも優越感に満たされないと気分を害する人、という印象が強い人を指すように思います。

そのため優越感の欲求が強いと、他者を蔑視する傾向にも偏ります。よって常に他人との競争や成功によって自尊心を保っています。

「プライドが高い」は褒め言葉ではなく、批判の言葉だというのは誰でも理解できます。

同じような意味の言葉で「おごり」があります。
「おごり」とは、権勢・地位・財産・才能などを誇って人を見下した態度をとることを指します
辞書では驕り/傲り(おごり)とは、いい気になること、思い上がり、とあります。

「誇り」は「自己肯定感を持つ」ことなので、これについては人にとって必要な要素です。

が、他者との比較において「自己肯定感」を得ようとしたとき、「誇り」は「プライド」となり、捨てるべき要素に変わってしまうように思います。

もともと「誇り」は捨てるべき要素ではないことは人々が認識するものです。

一方、矜持は、内面的な誇りや自己評価に基づく心のあり方を指し、他人と比較するよりも自己の価値を守ることに焦点を当てます。

矜持を持つことは、自己評価や自己価値感を維持しながら、他人との競争や成功によって自尊心を保つ傾向を抑えることができます。矜持は、内なる誇りや自信に基づいて自分自身を評価し、他人からの評価や批判に左右されずに行動することができる可能性があります。

自己の内なる価値を尊重し、他人との比較や競争に囚われずに自己成長を追求することが大切です。

同じような意味の言葉に「自負」があります。

「自」は「自己」、「負」は「背中に宝をのせる(大切なものを背負う)」というのが本来の意味です。

元々、「負」は「人が貝(財産やお金の象徴)を背中に背負っている様子」を表した漢字だそうです。

「負」は「宝をのせる」という意味から、「後ろ盾にする・頼みとする」という意味が含まれます。

このことから、十分な後ろ盾(知識や業績など)があるため、強い自信と誇りに繋がって、「自ら頼みとすること・自分の能力などに自信と誇りを持つこと」という意味を示す「自負」という言葉が誕生したのです。

「自負」は「自信と誇りを持つ」という意味なのでなんとなく偉そうな感じがしますが、「負ける」という言葉が使われているので、「自負」は謙譲語ではありませんが謙譲表現にあたります。

但し「自負」と「矜持」は似た意味を持つ言葉ですが、微妙な違いがあります。

「自負」は、自分自身に自信を持ち、自らの優れた能力や成果に誇りを感じることを指します。自分の実績や素晴らしい点について自慢することも含まれる場合があります。自負はポジティブな意味合いを持ち、自尊心や自己評価を高める助けになることがあります。

一方、「矜持」は、内面的な誇りや自己評価に基づく心のあり方を指します。自己の価値や尊厳を守るために努力し、他人からの批判や軽蔑に傷つきにくい傾向があります。矜持は自己尊重の感情的な側面を表現しています。

つまり、「自負」は自分自身の能力や実績に対する誇りや自信を指し、一方で「矜持」は自己の価値や尊厳を守るために努力する心のあり方を指します。自負は外部へのアピールや自慢に近い側面がある一方、矜持は内面的な自己尊重や他人の評価に左右されない心の強さを意味します。

このように「矜持」という言葉を深堀してみると、とても魅力ある言葉に感じてきます。できることなら「プライド」は一掃して、「矜持」を内面に保つマインドを確立したいものです。

矜持を持つには?

最近、WHO(世界保健機構)が1946年に提唱している『ウェルビーイング』のムーブメントを目耳にすることが多くなりました。

世界保健機関憲章では、「健康とは、単に疾病がない状態ということではなく、肉体的、精神的、そして社会的に、完全に満たされた状態にある」とするなかで「ウェルビーイング」を使用しています(”Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”)。

ウェルビーイングのムーブメントは、個人や社会全体の幸福や生活の質を向上させるために、心身の健康、社会的なつながり、生活環境の改善、心理的な充実感などに注目し、それらの要素を促進する活動や取り組みを指します。

このムーブメントは、ストレスの管理、心身のバランス、栄養と運動、自己ケア、メンタルヘルスの重要性、ワーク・ライフ・バランスなど、個人のウェルビーイングを重視する考え方や実践を広めることを目的としています。

また、ウェルビーイングに関連する業界やビジネス分野でも、商品やサービスの提供においてウェルビーイングの観点を取り入れる取り組みが増えています。例えば、フィットネス施設、マインドフルネスアプリ、健康食品などがウェルビーイングのムーブメントと関連しています。

総じて言えば、ウェルビーイングは一種のムーブメントとして位置づけられ、個人と社会の健康と幸福に関心を持ち、それを促進するための様々な取り組みや関連産業が存在しています。

ウェルビーイング(well-being)とは?

ウェルビーイングとは、すべてが満たされた状態かつ継続性のある幸福を意味します。ウェルビーイングが指す「すべてが満たされた状態」は、ウェルビーイングという言葉が初めて使用された世界保健機関(WHO)憲章に示されています。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。

引用:公益社団法人 日本WHO協会

PERMA

ウェルビーイングには「PERMA」という指標があります。PERMAは、ポジティブ心理学を提唱したマーティン・セリグマンによりウェルビーイングを測定する際の構成要素として示され、以下の5つの要素の頭文字を取った指標です。

Positive Emotion(ポジティブ感情)

Engagement(エンゲージメント)⇒確固たる信頼関係が構築されている関係

Relationship(関係性)⇒データ・人との関連性

Meaning and Purpose(人生の意味や仕事の意義、および目的の追求)

Achievement/ Accomplish(何かを成し遂げること)

出典:一般社団法人 日本ポジティブ心理学協会

これらの要素のレベルが向上するほど幸福に近づくとされています。

SDGsとの関わり

ウェルビーイングはSDGs(持続可能な開発目標)とも密接に関わっています。「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」といった社会的また経済的な問題解消など、SDGsの17の目標にはウェルビーイングの実現に必要な要素が多数含まれています。特に「すべての人に健康と福祉を」という項目はウェルビーイングと深い関係があるといえるでしょう。

SDGsについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてぜひ参考にしてください。

SDGsへの企業の取り組み方とは?事例やメリット、注意点を解説

ウェルビーイングが注目される理由

ウェルビーイングは最近生まれた考え方ではなく、世界保健機関(WHO)憲章が発効された1948年にはすでに生まれていました。ではなぜ、現在になってウェルビーイングが注目を集めているのでしょうか。

多様性の尊重

少子高齢化が進み、働き手が不足している現在、労働者各個人の多様性を許容し、最大限力を発揮できるよう、企業は環境を整えることが求められています。

経済産業省では、それらの取り組みを「ダイバーシティ経営」と呼んでおり、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義しています。

社員のウェルビーイング実現にはこのような多様性の尊重が必要となるでしょう。

新型コロナウイルスを契機とした健康意識の高まり

ウェルビーイングに対する日本の現状

国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する「The World Happiness Report(世界幸福度報告)」では、日本の幸福度は世界54位となっており、決して高い水準にあるとはいえません。特に「人生の選択の自由度」と「寛大さ」の項目では低い点数となっています。

日本の働き方においては、「個人の価値観や環境によって自由な働き方を選択できる」「多様な働き方に対して周囲が寛容に受け入れられる環境をつくる」ことが課題であるといえるでしょう。

ウェルビーイングとは?意味や働き方改革での事例、企業が経営に活かす方法を解説 (nec.com)

 

企業の取り組み事例
NEC
 NECでもGoogleと同様に心理的安全性を高める取り組みを行っています。「Smart Work 2.0」という社内の働き方改革の取り組みの中で、社内の心理的安全性を高めることを目的として「Thanks/Praise(感謝/称賛)」というプロジェクトをスタートさせました。

具体的な取り組みとしては、「TeamSticker(チームステッカー)」というアプリケーションを活用し、Teamsのチャット内でメッセージとグラフィックがキレイに組み合わされた「ステッカー」を送信できるようにしました。TeamStickerの導入により、テキストだけでは伝えにくい「感謝」と「称賛」をカジュアルに送信できるようになり「認め合い高め合う」文化の醸成につながっています。

Smart Work 2.0の取り組みについては以下でも詳しくご紹介していますので、あわせてぜひ参考にしてください。

Smart Work 2.0 | NEC

また、最近ではNECグループで働く社員のウェルビーイング向上の取り組みとして、AIチャットボットが行動変容を提案する取り組みがあります。幸福度が高い人の働き方を学習し、最適な業務スケジュールや生活スタイルを提案しているのです。日本の「幸福学」、ウェルビーイング研究の第一人者である慶應義塾大学前野隆司教授とNECの共同研究であり、ウェルビーイングの維持・向上に効果があると確認されました。

AIを使ったウェルビーイングの維持・向上については以下でも詳しくご紹介していますので、あわせてぜひ参考にしてください。

「社員のウェルビーイング」向上が人事戦略のカギに
ウェルビーイングとは?意味や働き方改革での事例、企業が経営に活かす方法を解説 (nec.com)

グーグル
グーグルは、チームの生産性を高めるために4年をかけて「プロジェクト・アリストテレス」と呼ばれる調査を行いました。その結果、チームに必要ないくつかの要素のうち、「心理安全性」が最も重要という結果を導き出しました。

心理安全性とは、チーム内では対人関係においてリスクのある行動をしても安全である、という思いが共有されていることです。この「心理安全性」によって、積極的にアイデアを提案できるようになったり意見交換が活発に行われるようになり、生産性の向上へつながるのです。グーグルでは、心理安全性を高めるため、リーダーとメンバーが定期的に面談を行い、仕事の悩みや今後のキャリア、目標などについて対話を行っています。

楽天
創業メンバーである小林正忠氏が、CWO(チーフ・ウェルビーイング・オフィサー)の役割を担い、カフェテリアやフィットネスなど健康を支える事業を行う「ウェルネス部」、従業員と組織のつながりを高める「エンプロイーエンゲージメント部」、情報発信などに係る「サスティナビリティ部」の3つの部署を設け、個人、組織、社会のウェルビーイングに取り組んでいます。

また「持続可能なチームを作るためには、「仲間・時間・空間の『三間(さんま)』に余白を設ける」ことの重要性を提唱するなど、独自に行ったさまざまな研究成果を企業や個人に向け公開しています。

味の素
「味の素グループで働いていると、自然に健康になる!」を目指し、さまざまな取り組みを行っています。従業員が自分の健康状態を確認できる専用ウェブサイト「My Health」の設置のほか、「全員面談」を掲げ、個々の状態に合わせたフィジカルヘルスとメンにタルヘルスをサポートしています。
さらに働き方改革として、時間帯や場所を選ばない「どこでもオフィス」の導入や、所定労働時間の短縮、質と効率を高める会議の見直しなどを行っています。

Z世代とウェルビーイング

今後の企業活動や消費の中心となっていくいわゆるZ世代は、ウェルビーイングな社会づくりの中心となる可能性を持っています。
そもそもZ世代は、その前のミレニアム世代から上の世代と違い、自分らしい生き方へのこだわりが強く、また依存関係が強かった企業への帰属意識もこれまでとは異なります。個々を尊重するウェルビーイングの考え方に共鳴する部分が多い世代といえるでしょう。

また「モノよりも、体験をはじめとした精神的な充足を重んじる」Z世代の特徴も、ウェルビーイングの概念と近いものです。Z世代が企業活動の中心世代となっていく過程が、そのままウェルビーイングな企業の増加や発展につながっていくかもしれません。

【2023年版】 ウェルビーイングとは? いま注目される理由と、SDGsや経営の視点からみた重要性|SDGsにまつわる重要キーワード解説|講談社SDGs by C-station (kodansha.co.jp)

Z世代(92%)では他のどの世代よりも多くの人が、ストレスや時間、資金・知識・リソースの不足など、ウェルビーイングに影響する障壁に直面していると報告しています。 Z世代は、COVID-19への対処に最も困難を抱えている世代であり、社会問題に最も関心を持ち、影響を受けている世代です。Z世代の4人に1人は、COVID-19、気候変動、女性の権利、人種的不公平といった問題に深く影響されており、それが精神的なウェルビーイングへの障壁となっています。 世代間の影響は米国で深刻で、Z世代は指数のスコアが最も低く(56)、3つの側面すべてでウェルビーイングを感じる可能性が他のどの国よりも低い(わずか13%)と報告されています。

総合的なアプローチと積極的な考え方が、より高いウェルビーイングと楽観心を促進する

この未曽有の時代に非常によく対処できている人々は、シンプルな活動に集中することで自分のウェルビーイングを支えています。こうした対処のうまい人々の間で、対処に困難を抱えている人たちと比べて最も大きな効果を創出している行動には、十分な睡眠をとること、健康的な食事をとること、大切な人とつながること、体を動かすこと、屋外で過ごすことがあります。
この研究では、ウェルビーイングの実現を推進する要因が相互に関連していることが分かりました。ある分野で前進することが、全体的なウェルビーイングに役立つのです。そして、自己啓発への積極的なアプローチがより高いウェルビーイングとより楽観的な将来展望をもたらすことも、この研究で明らかになっています。

ルルレモンが新たな報告書でウェルビーイングの世界基準を確立 | Business Wire

このようにウェルビーイングの実践には、「矜持」を持つことが自然に養われることがわかりました。
私たちもウェルビーイングの関心を今以上に高めて、心の安定を確保する必要がありそうです。

一人一人がそうすることで、戦争を起こしている国の人々も、もう少し幸せな気分を取り戻し、国(支配者)に影響を与える可能性につながるかもしれませんね。
武器供与よりも、停戦には効果的なような気がしますが・・・・・

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