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「幸せを損なう無自覚性」とは
人々が自分の幸福を損なう要因についての提唱です。
この状態は、私たちが往々にして自分自身や自分の周囲の状況について無自覚であることをあらわしています。
自分がどのような世界(心の世界)に住んでいるかを自覚していないことによって幸福感が損なわれる可能性があるのではないかという提案です。
「自分を見極めていない」ということによって、感情もコントロールが効かず、体調やひいては幸福感にまで大きく影響を及ぼしているのではないかという考えから提案するものです。
目標や価値観の無自覚
自分自身の目標や価値観に無自覚であると、自分の人生において方向性が不明確になり、充実感や幸福感の妨げになります。
- 自分自身の未来ビジョンについて深く考えを及ぼしたことはありますか。
- なんとなく周囲に流されて日々を送っていることはありませんか?
- あなたの人生の目標は?
- あなたは、全般的にネガティブ思考ですか、それともポジティブしこうですか?
- その思考を生み出しているのが自分の「価値観」という認識はありますか?
- 上記の応えを湧出している「価値観」について、一言でこたえられますか?
- その価値観は、いつごろから根付いたものですか?
- その価値観は、確かに自分自身で選択したものですか?もしかしたら生まれたときから家族間、または世間的に共有されていた価値観をそのまま受け継いでいるだけのものですか?
- その価値観は自分自身とのフィット感はありますか?もしかして違和感を抱えたまま、よく考えることなく受け入れてはいませんか?
- 「仕方ない」という考えが度々頭をよぎることはありませんか?
- 夢や目標はありますか?
- 目標への確かな手ごたえは感じられますか?
- もしかして既に「人生とは重荷や苦はつきもの」と諦めの心が脳内の多くを占めてはいませんか?それも価値観です。
- 日常的に「楽しい」「面白い」が連続していますか?それとも「辛い」「苦しい」「楽しくない」「面白くない」の連続?だから息抜きに時々は羽目を外す?
- また、劣等感と戦ってはいませんか?そして、時折劣等感を埋めるために、他の欲望に走ったり、他者を貶めたり、悪口で憂さ晴らしをしてはいませんか?
また、小さなグループや弱者の中で支配者を気取りで権力的振舞って一抹の優越感に浸ってはいませんか? - それで幸せですか?
- もしかして「面白い、楽しい連続なんて現実的とはいえない、夢物語にすぎない、そんな人はごくまれにしかいない、大部分は苦労の連続が当たり前」と無気力になってはいませんか?
- そのことから幸せそうな人を見ると腹立たしい想いを抱くことはありませんか?また他人の不幸は蜜の味になってはいませんか?
- 悲観的な価値観(が正しい)の上に、あなたの日常は重ねられていませんか?
- 多数派は正しいというのも一つの価値観・思い込みと認識していますか?
- その価値観は現在では「多様性(ダイバーシティー)」に移行し、少数派の価値観はむしろ新しいアイデアの機会を生むメリットとして「迷ったら少数派へ」に移行しつつあることを知っていますか?
- レッドオーシャン派(多数派)?それともブルーオーシャン派(少数派)?
社会的圧力、家族間圧力、教育的圧力などが影響して構築されたネガティブな価値観からネガティブな感情が派生するのは極々自然な現象です。
ネガティブな感情から、幸福感が生まれないのも極々自然なことです。
価値観と感情連携性の無自覚
価値観と感情は、個人の行動や決定に大きな影響を与える要因であり、連携して働くことが知られています。
行動と決定への影響: 価値観は、個人が何を大切にし、何が重要だと考えるかを示すものです。感情は、特定の状況や出来事に対する個人の反応です。価値観と感情は、行動や決定に影響を与えます。例えば、特定の価値観を持つ人は、その価値観に合致する行動や選択をすることが多いです。感情も、特定の状況に対する感情的な反応が行動に影響を与えることがあります。
満足感と幸福感: 自分の行動や生活が自身の価値観に合致する場合、個人は満足感や幸福感を感じることが一般的です。逆に、価値観と合致しない行動や状況に対しては、不満やストレスを感じることがあります。感情は、このような満足感や不満の感情を駆動する一因となります。
意思決定プロセス: 価値観は、意思決定プロセスにおいてガイドとして機能することがあります。個人が価値観を意識的に考慮し、それに基づいて選択を行うことがあります。感情は、特定の選択に対する感情的な反応を提供し、意思決定に影響を与える要素となります。感情は時に冷静な判断を妨げることもあれば、逆に直感的な判断をサポートすることもあります。
衝突と調和: 価値観と感情が一致する場合、個人は内的な調和を感じることが多いです。しかし、価値観と感情が衝突する場合もあります。この場合、個人は葛藤を経験し、どちらを優先するかを検討する必要があります。価値観と感情の調和を図るためには、自己認識や感情の管理スキルが役立ちます。
要するに、価値観と感情は密接に結びついており、個人の行動や意思決定に影響を与えます。自己認識を高め、自分自身の価値観や感情を理解し、それらを調和させる努力は、より健康的で満足度の高い幸福な生活を築くのに役立ちます。
自分とは?の無自覚
価値観や感情などの自己探求の欠如は、個人が自己理解や個人的な成長のプロセスを怠る状態を指します。これは、自己認識や個人的な目標の欠如、そして自己発見の機会を逃すことに関連しています。自己探求の欠如は、個人の満足度や幸福感に影響を与え、意味のある人生を築くのに制約を与える可能性があります。
- 自己探求によって価値観を確認できていますか?
- 自分の強み、弱点、目標を明確に把握していますか?
- 目標や方向性の不明確さ: 目標を持たずに日々を過ごしていませんか?自己探求のプロセスを経ずに、自己の目標や人生の方向性を設定することは難しいです。
個人的な成長の停滞: 新しい経験や挑戦を避け、既知の領域に留まることが多くありませんか? - 自己探求が不足すると、個人的な成長や発展の機会を見逃す可能性があります。
- 生活の目的感の不足: 空虚感を感じてはいませんか?
- 自己探求を通じて見つけた目的や価値観が欠如すると、生活に対する目的感や満足感が低下する可能性があります。
- 他人との比較: 他人の期待や評価に合わせようとすることはありませんか?
- 自己探求の欠如は、他人との比較に陥りやいものです。
- 自己探求は人生の豊かさと充実感を高め、自己満足度を向上させるための重要な要素です。自分自身を知り、成長し、自分の目標や価値観に基づいて生きることは、意義深い楽しい人生を築くための一歩です。
目標や価値観を意識的に考え、発展させるための自己探求のプロセスが欠けている場合、無自覚に陥りやすいです。過度な無自覚は自分のことは何も解らない、酷い場合はアイデンティティーさえも明確でない場合もあります。
感情やストレスの無自覚
人々が自分の感情やストレスに無自覚である場合、これらの感情が不健康な方向に発展する可能性が高まります。感情に対する自覚が不足すると、感情が制御できなくなり、幸福感を損なう原因となります。
- 解ってくれない、認めてくれないと落ち込むことはありませんか?
- イライラ、嫌気、心配、不安、妬み、羨み、怖れ、劣等感などに襲われることが多くありませんか?
- 周囲の評価に敏感になっていませんか?
- いつも誰か(または何か)に責任転嫁してはいませんか?
- 怒りや不安イライラの原因を自己のストレスや、歪んだ認知に原因していることを無自覚なとき、責任逃れしやすくなります。
悩みや悲しみなどに翻弄され続けることはありませんか?
また過度な執着に気づかず、いつまでも堂々巡りし自己憐憫してはいないでしょうか?
その結果慢性的な持病に悩まされることがあります。
感情を無視することは、精神的な負担を増加させ、関係や生活の質に悪影響を及ぼすことがあります。
個人がストレスを自覚せず、それに対処する努力を怠ったり、ストレスの影響を無視したりする状態が続くと慢性的なストレスが身体や心に害を及ぼし、健康に悪影響を及ぼしかねません。
幸福感を高めるために、感情やストレスに敏感であることは必須です。
鈍感だったり無自覚が続けば、ネガティブ感情は強化され、ポジティブ感情は減少するばかりです。自己の本質を見極め、正しく自覚することで、ネガティブな感情が減少するでしょう。
依存症の無自覚
- 社会的圧力や他人の期待(他評価依存性): 周りの社会的圧力や他人の期待に囚われて、自分自身の真の目標や価値観を見失うことはありませんか?
他人の期待に合わせて生きることは、本来の自分を見失う原因となることがあります。
この依存性は、他人からの承認や評価を受けないと自己価値を感じられない状態を表しています。
他人の意見や期待に合わせて行動し、自己の欲求や価値観を置き換えてしまうことがありませんか?承認欲求はこの他評価依存の代名詞と言えるでしょう。
- 自分の行動や意見に自信を持たず、自己評価が低いことを気づかないでいませんか?自己否定も他人からの非難や批判に敏感で、それに過剰に反応することによると考えられます。
- 他人が望む行動や態度をとることが多いため、自己表現が制約されることがありませんか?
- 自分自身を抑圧して他人に合わせようとすることがありませんか?
そのことにより、対人関係においてストレスや緊張を引き起こすことがありませんか? - 他人との対話や交流が、自己評価に大きな影響を与えてはいませんか?
- 自己肯定感が他人の評価に左右されるため、不安定で変動しやすいこと思うことはありませんか?
他人からの評価が高いときは自信を持ち、低いときは自己評価が低下する傾向があり、常に不安定な状況を創り出していることを知っていますか?
他評価依存性は、心理的な健康や幸福感に影響を与える可能性があります。この状態から抜け出すためには、自己評価を独立して形成し、自分自身の価値観や目標を明確化する努力が必要です。自己受容や自己肯定感を高めるプロセス、自己意識の向上、そして自分自身を他人からの評価に依存しないようにするために自己の習性を認識し、感情の源流を探る自己探求が役立つことがあります。
他人との関係の無自覚
他人との関係において感情的な反応やコミュニケーションの問題に気付かないことがあります。これが関係の摩擦を引き起こし、幸福感を損なう要因になります。
特に「多様性」への不理解は大きな原因の一つではないかと考えます
多様性とは
多様性(たようせい、英: diversity)は、異なる要素や要素のバリエーションが存在する状態や概念を指します。この用語はさまざまな文脈で使用され、異なる意味を持つことがありますが、一般的には以下のような側面が含まれます:
人種と民族の多様性
性別と性の多様性
年齢の多様性
能力と障害の多様性
宗教と信念の多様性
などはよく知られていますので説明を省略します。
ここでは以下について特に注目します。
思考スタイルと意見の多様性: 異なる意見や視点、思考スタイルが存在することを受け入れ、意見の自由と対話を奨励します。この側面は、学術的な研究やイノベーションにおいても重要です。
このように、多様性は百人百様のバックグラウンドや視点・価値観を持つ人々が、異なるアイデアや解決策を生み出すことで、創造性、イノベーション、効果的な意思決定が促進されるとされています。また、多様性の尊重は社会的正義と平等の実現にも寄与します。
このような多様性の概念を正しく認識できていないまま人間関係を続けることによって、関係性を損ないかねません。
この状態では、自己の認知バイアスを固定化し、偏った正義や善を強要することにより抵抗を生み、そのような抵抗が、怒りや、恐怖などのネガティブ感情の原因になり、排他的行動に陥るということに気づく機会を失います。結果として幸せをどこまでも遠ざけてしまうのは自然の理と言えるでしょう。
さらに、多様性への不理解は、感情的鈍感さにもつながります。他者のニーズや感情に気づかないというのは、このことが原因しているのではないでしょうか。
このことは自己中心性に陥りやすく自利のみに走る可能性も否めません。そのため、誤解や対立を生む結果にもなるでしょう。
差別や偏見だけではなく、百人百様の価値観があることを認識し、そのような多様性を受け入れながら、自己の価値観を大切にすることは、自他ともに摩擦を避けて、ストレスの少ない生活を楽しむ幸せへの必須条件と言えます。
思い込み・価値観バイアスの無自覚
「思い込みバイアス(belief bias)」は、人々が自分の既存の信念や認識に基づいて、新しい情報や議論を評価する際に、その信念や認識に対する偏見や優越性を持ってしまう傾向を指します。言い換えれば、思い込みバイアスは、何が正しいかについての判断を、自分の既存の信念に左右されることを示します。
思い込みバイアスは、日常生活や意思決定において一般的な認知の歪みの一つであり、自己認識と批判的思考を強化することで、より客観的かつ適切な判断を行うのに役立ちます。
具体的な例を挙げると、思い込みバイアスが現れる場合は次のようなケースです:
論理的な判断において: 人々は、論理的に正しい結論に到達する際にも、自分の既存の信念に合致する結論を受け入れやすいです。つまり、論理的な議論の過程で、既存の信念と矛盾する結論に対して批判的になりにくいことがあります。
新しい情報の評価において: 新しい情報や証拠が提供された場合、人々はそれを受け入れるか拒否するかを決定する際に、既存の信念に基づいて判断します。このため、自分の信念に合致する情報は受け入れやすく、矛盾する情報は拒否しやすいです。
認知的不協和(cognitive dissonance): ある情報や証拠が自分の信念と矛盾する場合、認知的不協和を感じることがあります。この不協和を減らすために、人々はしばしば新しい情報を受け入れるのではなく、既存の信念を守ろうとします。
思い込みバイアスは、批判的思考を妨げ、誤った結論や判断を導く可能性があります。このバイアスに対処するためには、以下のようなアプローチが役立つことがあります:
自己認識: 自分の信念が新しい情報にどのように影響を与えるかを認識しましょう。自分の信念が判断に影響を与えているかどうかを自己評価することが重要です。
批判的思考: 新しい情報や証拠を客観的に評価するために、批判的思考を養いましょう。情報を独自に評価し、既存の信念と照らし合わせることが大切です。
他の観点を考慮: 他人の視点や意見を考慮に入れ、異なる観点から情報を見ることが、思い込みバイアスを軽減するのに役立ちます。
このように価値観に関連するいくつかのバイアスや歪みが心理学の文脈で議論されています。
選好のバイアス(Preference Bias):
人々はしばしば自分の価値観や好みに基づいて、特定の選択肢や意思決定を偏向させることがあります。自分の好みに合致するものに過度に価値を置くことで、客観的な評価を歪めることがあります。
価値観の錯覚:
一部の場合、人々は自分の価値観を実際の状況や情報に適用する際に誤った認識を持つことがあります。これにより、誤った判断や意思決定が生じる可能性があります。
同調の圧力:
社会的な状況や他人との関係において、人々は自分の価値観に合致するように振る舞うことがあります。他人と同じ価値観を持つことが期待される場合、その価値観を過度に強調することがあります。
帰属の誤り(Attribution Bias):
他人の行動や意思決定を解釈する際、自分自身の価値観や信念に基づいて、その行動や意思決定を評価することがあります。これにより、他人の行動を誤解しやすくなる可能性があります。
確認バイアス:
人々は情報の中から特定の情報を選び、他の情報を無視することがあります。これは、自己の信念や価値観に合致する情報を選好する結果として生じることがあります。
これにより、価値観が確固としたものとして維持され、変容しづらくなります。
過度な一般化(overgeneralization):
一つの出来事や経験を基に、広い範囲の類似の状況や人々に対して一般化することがあります。これはステレオタイプの形成につながることがあります。
これらのバイアスや歪みは、価値観が人々の意思決定や行動に与える影響に関連しています。そのことを認識し、これらのバイアスに対処するためには、自己認識と批判的思考のスキルを向上させ、客観的な視点を維持することが重要です。
情報の過小評価(information neglect):
情報の過少評価(information neglect): 人々は時に、情報を不足して評価し、全体の結論を誤ることがあります。
これらの認知の歪みは、人間の思考が効率的である一方で、客観的な判断を妨げる要因でもあります。認知の歪みを認識し、それに対処するための自己認識と情報処理のスキルを向上させることは、より正確な判断と意思決定を支援するのに役立ちます。また、科学的な方法論や批判的思考を用いることも、認知の歪みを軽減するのに役立ちます。
自分にとって歓迎できない感情が沸き上がったとき(怒り、嫌悪、心配、不安、怖れ、憎しみ他)「思い込み」に意識を向け、常に自己認識をチェックする習慣を身に着けることは、すべてにおいて自己を向上させることに役立ちます。
無自覚の解決策
最も効果的方法としてお勧めするのは「全般を楽しむ」ことです。楽しみながら自己認識を深めることで、無自覚は少しづつ表面化し、自己の内戦から解放されることで幸福感はたかまり、悲壮感とも縁を気つことができるでしょう。
「全般を楽しむ」
人生のさまざまな側面や瞬間を肯定的に捉え、楽しむことを意味します。これは、日常の中でさまざまな経験や活動を楽しむ姿勢を指します。全般を楽しむ人々は、ポジティブな態度を持ち、楽しみや喜びを見つける能力を高めています。
仕事も生活も学びも、楽しみながら行うことで、モチベーションも上がり、結果にも好影響を及ぼします。過去の過ちや未来の不安に囚われず、現在の瞬間を大切にすることができます。今を楽しむことで、ストレスを軽減し、幸福感を高めることができます。
また、新しい経験を積極的に探求することは、全般を楽しむ姿勢の一部です。
全てを楽しむための知恵と工夫を忘れないことです。
- 「幸せを損なう無自覚性」は、自己の価値観や信念などの自己認識、感情管理、人間関係、自己目標設定などの側面に影響を及ぼします。
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