悩むことと熟考との違い

辛い経験は人を成長させるってホント?

幼いころから「ガンバレ!ガンバレ!」と励まされ、ただやみくもに親の期待に添わんと挑戦を続けてきた人も多いと思います。

“やみくも(闇雲)”とは準備も熟考もなく手探り状態のこと、いたずらに、むやみやたらにを意味しています。
「ガンバレば、何とかなる」と信じ込まされ、洗脳されていたということです。

石川啄木は「働けど働けど猶わが生活(暮らし)楽にならざり、ぢっと手を見る」とうたっています。歌の意味は、どれほど働いても我が暮らしは楽にならないということですが、現在でも、ガンバってもガンバっても、さほど変わらない人生に諦めてしまった人も多いのではないでしょうか。

目次

1.悩みがない状態は成長が停滞しているのか?
2.PTSDの危険性
3.苦しみを乗り切ったとき
4.再構築
5,創造的な成長
6.過酷な過程以外にも道がある
7.楽に逃げる道

1.悩みがない状態は成長が停滞しているのか?

「悩みがない状態は、成長が停滞している状態」などと、辛いことに自ら積極的に挑戦する気概(難しい、苦しい状況にあってもそれに負けずに何かを行おうとする強い意志)のある人を好む傾向は今なお社会では変わりありません。。

2.PTSDの危険性

心に大きな傷を負うほどつらい経験をした後には、不安や緊張が続いたり眠れなくなったりする「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」が起きることがある。その一方で、逆境を乗り越えた後に大きく成長する人たちもいる。この「心的外傷後成長(PTG:post-traumatic growth)」と呼ばれる変化は、これまで20年にわたって研究されてきた。

PTGという言葉は、心理学者のリチャード・テデスキとローレンス・カルホーンによって1990年代に作られた。トラウマや苦しい環境を乗り切ったことで起きるポジティブな変化を表す。これまでの研究で、心に大きなダメージを受けた後、それを乗り越えた人の70%が、何らかのポジティブな心理的成長を遂げているとわかっている。

3.苦しみを乗り切ったとき

人生に深く感謝するようになった。人生の新しい可能性を認識するようになった。より満足できる人間関係を持つようになった。より豊かでスピリチュアルな人生を送るようになった。自分よりも優れたものと繋がりを持つようになった。自分の強さを認識するようになった ―― 心理的成長には様々な変化が含まれる。心に傷を負った後、他人により共感したり、利他的になったり、他人のために行動するようになったりすることは珍しくない、と心理学者たちは指摘する。

心に傷を負った後、どう変化するのか

苦しみを乗り越えた後、生き方を大きく改善するようになるのはなぜだろう? それに、成長する人がいる一方で心的外傷に押しつぶされる人がいるのはなぜだろう?

テデスキとカルホーンは、PTGが起きる過程を説明したモデルを作っている。それによると、人間は自分が作った信条や思い込みに沿って生きている。しかし、心に大きなダメージを与えるような衝撃的な出来事を経験すると、その信条や思い込みが覆される。

それはまるで地震のようなプロセスだ。心に受けた傷が、世界観、信条、アイデンティティといった人間の基盤を成す価値観を揺るがし、粉々に崩してしまう。普段の感覚はもはや通用せず、自分自身も自分の世界も再構築しなければならない。信条や思い込みを捨て、ゼロからスタートすることになる。

4.再構築

その再構築の過程は、地震に襲われた都市の再建に似ている。基礎から破壊された街は、創造力を使いながら再構築しなければならない。

人間の場合、深刻な病気を経験したり、愛する人を失ったりした後、その出来事を猛烈に処理する。つまりその出来事を何度も考え続けることになる。

それは、悲しみや嘆き、怒り、心配といった強い感情が伴うプロセスだ。この感情と共に成長が起きる。強い感情を抱えながら逆境に適応し、心のダメージとネガティブな感情を理解することで成長するのだ。

再構築は、非常に困難な過程だ。自分が大切にしてきた目標やアイデンティティ、思い込みを手放す必要がある。そうする一方で、新しい目標や考え方、物事の意味などを築き上げる。とても苦しい作業だが、新しい人生のドアを開けることになるだろう。

心に受けたダメージを乗り越えると、自分が強い人間であると感じるようになる。今までなかった強さと知恵を持っていることに気付く。内なる自分により正直になり、本当に求めていた生き方が見えてくるかもしれない。

5,創造的な成長

そして創造的な成長が起きる

何かを失ったことで、手に入れられるものがある。創造性だ。もちろん、創造性を得るために必ず心的外傷を経験する必要はない。たとえ成長できても、心的外傷は大きな心理的ダメージをもたらし、長期的な損失にもなる。

「逆境を経験すると、信念や人生の優先事項を変えざるを得なくなる。それが習慣化した考え方を打ち破り、創造性を向上させる」とPTGと創造性に関する研究をしているハーバード大学医学部マクリーン病院の心理学者マリー・フォーゲアドは説明する。

「当たり前に思っていたことを見つめ直し、新しいやり方を考えねばならなくなります。逆境のインパクトがあまりに大きいので、それがなければ考えもしなかったような疑問が浮かんでくるのです」とフォーゲアドは述べている。

また、創造性は、つらい経験に対処するための方法にもなり得る。不幸な出来事を経験すると、これまで信じてきたことを疑問視するようになる。それがこれまでにない発想に結びつく。新たに創造的な活動に興味を持つようになる人もいるだろう。

心に傷を負うほどつらい経験をした後に生まれる創造性は、人生を再構築するための助けになる。そして成長をもたらすのだ。

※この記事は、心理学者スコット・バリー・カウフマンとハフポストのシニアライター、キャロリン・グレゴワールの新刊「Wired to Create: Unravelling the Mysteries of the Creative Mind (創造するべき運命:創造力の謎を解く)」を元に書かれた。

つらく苦しい経験をした人こそ、大きく成長できる理由 | ハフポスト LIFE (huffingtonpost.jp)

6.過酷な過程以外にも道がある

私自身も体験してきた道なので、これは全く同感できます。

ただ、現在自分が壊れるほど傷を負っていない人に、もっともっと苦しむことを勧められません。

自分が壊れる過程はあまりにも過酷な過程で、もしかしたら命にかかわる可能性もあります。何しろ地震のようなプロセスなのですから。

私としては震度7の地震に襲われて壊れるまで辛い苦しい状況に耐える必要性があるとは決して思いません。

それよりも日ごろから、自己の認知バイアス(思い込みの歪み)を見つめる癖を習慣にすべきと思うのです。

感情に意識を向け、特に怒り、妬み(嫉妬)、反抗心などで激高した時、激高の対象ではなく、自己の内側を探ることです。

概ね「こうあるべき」という信念が感情を生成していることに気づくはずです。

「こうあるべき」は天然自然ではなく人が構築したものです。

つまり人間は完璧ではないことに気づいたら、「こうあるべき」に執着する心も薄らぐでしょう。

『悩む』とは、認知バイアス⇒信念や人生の優先順位などの思い込みを維持したままの状態で対象の変化を望んでいる状態です。

『熟考』は冷静にニュートラルな状態で自己を俯瞰することです。

怒り、妬み(嫉妬)、反抗心、見栄(プライド優先)に憑りつかれると、まるで地獄です。そのようなネガティブな感情から一刻も早く脱出することを考えるほうが、対象に責任を負わせるよりもはるかに早く解決への道が見えます。

熟考するには「書き出す」ことが有効です。悩みの出所にたどり着くまで、そして出所が解ったらバッサリと切り捨てる。

そして他人ではなく「自分」を変える。「やらされ仕事」から抜け出す。他者に振り回されない「新しい自分」にアップデートする。ストレスフリーのマインドを手に入れることが重要です。

まずこれらのネガティブな感情の根源に「比較」という価値観が巣くい、認知バイアスを起こしているという共通性に気づきませんか?

そうした気づきによって自分の人生の時間を無駄遣いしている不必要な信念・価値観や知識などをバッサリと切り落とし、新しく自分にとって有効な知識を取り込み、価値観や信念にまで昇華させることが最も重要で、人生を豊かにする最短な道なのです。

7.楽に逃げる道

ひろゆきが考える「ストレスフリーに生きるコツ」ベスト3

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。

彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語った『1%の努力』は、34万部を超えるベストセラーになっている。

この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「楽な道」に逃げるルールを

みなさん、ストレスを感じることはあるでしょうか。できるだけ面倒なことは避けて、自分にとって楽な道を探ってきたのが僕の生き方なのですが、そういう生き方や対処法はスキルとして身につけておくとよいと思っています。

「こうきたら、こうする」というルールを作ってしまうのです。それを決めておかないから、その時々で考え込むことになってしまい、ストレスが溜まっていくのでしょう。

ということで今回は、僕が個人的にやっている「こうきたら、こうする」というルールを3つ紹介しましょう。

第3位は、「ストレスの言語化」
まず、『1%の努力』という本にも書いたことですが、「自分が何にストレスを感じるのか」は知っておいたほうがいいでしょう。

これは、経験しておかないとわからないものです。

たとえば、「人前で話すこと」がストレスだと思っていたとしましょう。でも、実際にやってみると、「拍手や笑い声を聞いてすごく気持ちいい」「もしかしたら、そんなに嫌じゃないのかも?」となることだってあります。

実際にやってみて、ドッと疲れるのか。それとも清々しく感じるのか。そうやって「ストレスのありか」を確かめておきます。

未体験のことなら、「とりあえず実験だ」と考えてみてください。で、ストレスを感じたら「あ、やっぱりしんどかった。自分は間違ってなかった」と考えるようにしてみてください。

それからは、「私は、人前で話すことにストレスを感じます」「僕は、文章を書くときにストレスを感じます」「私は、テキトーな料理を見たときにストレスを感じます」と、言語化してみてください。

そうやって言葉にできると、自分の中で折り合いがついて、少し楽になると思います。これが、ストレス対処の第一歩です。

第2位は「意思表明」
言語化ができたら、次は「相手に伝える」のが重要です。

ストレスを感じることが降りかかってきたとき、早く逃げることが大事です。先ほど、人前で話すことにストレスを感じてしまう人は、「スピーチで話してよ」と言われたらすぐに断ることができます。

ストレスを感じることをちゃんと隠さずに言うことです。ここで見栄を張ったり、「いい顔」をする人は、すぐに引き受けてしまい、あとで後悔をします。

先ほどの言語化は、自分に対して効果があることでしたが、次はそれを相手に伝える番です。

僕の場合だと、「無理っす~」みたいな感じで軽く断ったりできるのですが、そういうことができない人でも、何かしらの理由をつけて断ることはできるはずです。

「スピーチは無理だけど、書くことは得意だから手紙を書いて代読してもらうね」など、ストレスを感じない方向に持っていくこともできるかもしれません。

頭の中で思っているだけでも伝わらないので、ちゃんと自分の身を守るためにも「NO」を言えるようになりましょう。

第1位は「マインドセットを変えること」
そもそもなぜストレスを感じるかというと、多くの場合は「自分にプライドがあるから」です。

「うまくいく」と思っていたことがうまくいかなかったり、「自分は偉い」と思っているのに軽く扱われるようなとき、人はストレスを感じます。

でも、これって、自分の自尊心が生み出しているんですよね。相手や物事にストレスの原因があるように錯覚するんですが、大元は自分の考え方が作り出したものなのです。

これに気づけないと、「あいつはわかってない。あいつもわかっていない。みんな自分の敵ばっかりだ……」と思い込むようになってしまいます。

ここで大事なのは、そもそものマインドセットを変えることです。「自分なんて大したことない」という謙虚な気持ちに戻ることです。

そうやって心持ちを柔軟にしておけば、困ったことが起きた衝撃も和らげてくれるんですよね。

逆に、「プライド」を持ってしまうと、堅い気持ちで何事にも臨むことになってしまいます。心が堅い状態だと、強い衝撃で砕けたり、折れたりしてしまいますよね。

ということで、「うまくいくわけないよな」「自分なんて大したことないよな」くらいの気持ちですべてのことは考えておいたほうがいいと思います。ハードルを上げたり、期待値を上げてしまうと、「うまくいって当たり前」「失敗したらダメだ」と、自分を追い詰めてしまいます。

まあ、アスリートとか起業家とかなら、そういう精神で勝ち上がっていくのが理想なんでしょうが、私たち凡人には必要ないことなんじゃないでしょうかね。

ひろゆきが考える「ストレスフリーに生きるコツ」ベスト3 | 1%の努力 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

私も自分が壊れるほど悩む前に、ひろゆきさんのような「楽に逃げる」を実践した一人で、おおいに共感します。ちなみに私の座右の銘は「我慢大敵」です
その実践のおかげで今はすっかりストレスフリーの生活をエンジョイしています。

お試あれ!

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