意識のちから

脳と無意識 まとめ

先回紹介しました「幸せのメカニズム」著者前野隆司の研究所、慶応義塾大学 ヒューマンラボ研究生の修士論文は前野氏も著書の中で参考にしているものです。その中で私の印象に残っている論文の最後の一部を紹介し、まとめとしたいと思います。 

 慶応義塾大学 ヒューマンラボ 修士論文   『幸福・性格・欲求の調査アンケートに基づく 幸福感の関係解析   』蓮沼 理佳 指導教員 教授 前野 隆司  2012 年 3 月 

http://lab.sdm.keio.ac.jp/maenolab/RikaHasunuma_masterthesis.pdf

第 6 章   結論と今後の課題

 幸福な人は、一部の心理学的特性を持っているのではなく、実際にはすべての特性を万遍なく持っていた。つまり、幸福な人はバランスよく心理学的特性を満たしており、様々な物事に対して好奇心を持ち、常に前向きな姿勢であることが分かる。また自分ひとりで幸福感を得ることは難しく、幸福にとって他者との関わりは切ってもきれない関係であるということが分かった。なお、今回の調査では心理学的特性を満たしているから幸福なのか、幸福だから満たしているのかは明確になっていないため、今後の分析が期待されるところである。

 

中略

階層的欲求の最も低次の欲求である生理的欲求と認知的欲求の審美欲求は、

いずれも女性の方が強い欲求を持ち、また満足している度合いも高い

高齢者(60 代及び 70 代)ほど物事に対して一喜一憂することがなくなり、

人生満足度が高くなる傾向がある。

ドメイン満足度は年齢による差がないもの, 青年期に下がってから再び上が

るもの, 青年期と中年期に下がり、それ以外は上がっていくもの, 健康との付

き合い方の 4 つに分類できることが分かった。

ドメイン満足度, 性格特性は、基本的に離れた年代同士で有意差が見られた。

幸福因子の中でも性格特性寄りのもの, 年齢にじて学習し上昇していくも

の, 青年期で現実に直面して下がるもののさらに年齢を重ねると再び上がるも

の, そして人生の中での要な局面を迎える成長期と中年世代で下がり、その

他で上昇する 4 つに分類できる。

幸福の心理学的特性は、項目によって年代差のあるものとないものがある

(楽観性, 人生の目的, 個人的成長, 目標の明確性, 制約の知覚のなさは年代

による有意差なし)

年代が上がるにつれ利己的欲求は減し、利己的欲求満足度は上がる。

利他的欲求は 20 代〜60 代の間でなだらかな U 字型を描いており、利他的欲

求満足度はほぼ年代差は見られないが 60 代で最も高くなっている。いずれにし

ても、利己的欲求/利己的欲求満足度より年代による変化はない。

幸福度(人生満足度)の高い人は幸福に寄与するどのような心理学的特性も

高く、心理学的特性は自己啓発意識と他者への思いやり, 心のつながりや感謝

傾向と前向きな姿勢, 楽観性と精神的安定, 周囲に影響されず自己の意志を貫

く性質に大別される。

以上の結論から、楽感性は何かと便利な幸福財と言えるかもしれない。それも自己の指針として習慣づければ無意識に蓄えられ、性格となる可能性もあるはずです。ここでは一部の紹介に終わりましたが興味のある方は本稿をご覧ください。更に詳細なデータで確認できる事と思います。

 

 

 

 

 

 

 

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