意識のちから

意識は現実を創る

150814「こころと脳の白熱教室」

4回 あなたの性格は変えられるか 
エレーヌ・フォックス教授

人間の性格は生まれつきのものなのか?それとも環境によるのか?性格を変えることはできるのか? フォックス教授によると、簡単ではないができる、という。 脳の回路を訓練によって変えることは可能だというのだ。脳の回路は皆が思っているよりずっと柔軟であり、あなたがよりポジティブな方向に自分を変えたいとすれば、私たちが物事を見る認識の癖を変えることなどで、それは可能だという。より有意義に人生を送るための心のあり方に迫る。http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/personality/150814.htmlより引用

人間は、父親と母親それぞれから一つずつ「セロトニン運搬遺伝子」を受け継ぎます。その遺伝子の長さが「楽観的か悲観的か」を決めます。

長い型(楽観的)ポジティブなものに注意をひかれる
短い型(悲観的)ネガティブなものに注意をひかれる

 組み合わせ的には(長長、長短、短短)の3パターンになります。 では、短い型はより高いうつ病発症リスクがあるのでしょうか? 実験の結果、遺伝子による発症率の差は確認されなかったのです。 さらに実験の結果、以下のことがわかりました。 短い型の遺伝子+かなり深刻な出来事を3つ以上経験した場合=発症リスクはかなり高くなる。 長い型+かなり深刻な出来事を3つ以上経験した場合=発症リスクは通常と変わらない。 結果、この遺伝子うつ病を決定づけるものではないということがわかりました。 鍵は「環境と遺伝子の組み合わせ」にあります。遺伝子が「役割を果たす」のは環境と組み合わさった時だけなのです。 短い遺伝子は悲観的遺伝子ではなく、柔軟性遺伝子(よくもわるくもなる。環境に影響を受けやすい)ということで、私たちは特定遺伝子リスクがあるという考えを改める必要がある、と結論付けられました。 このタイプの遺伝子を持つ人は、悲しいことがあると確かに悲観的になりますが、ポジティブな体験をしたときに、より大きい幸福感を感じることができます。 この結論を受けて、悲観的な人たちが、よりポジティブなものに反応するように脳の訓練(楽観的な方により多くの注意を向けるようにする)を続け、悲観的から楽観的に変われるかを追跡調査した結果、「性格は変えることができる!」ということがわかったのです。 少女パレアナという小説があります。アニメにもなったことがあるのですが(愛少女ポリアンナ物語)、

この作品では上記『よかった探し』という言葉が創作され、視聴者の間で定着したが、この原作が出版された時も、主人公の名前であるPollyannaは「極めて前向きな楽観主義者」の意味として使われ、その後心理学分野での用語「ポリアンナ効果」「ポリアンナ症候群」が生まれた。Wikipediaより引用

 この「よかった探し」が有効であったことが科学的に証明されたわけです。 「幸せになるには、物事のよい面を見るようにしましょう!」というのはよく言われることですが、その根拠が示されたのですね。(気持ちは伴わなくてもいいみたいです) これは朗報です♪(説得力が違います!) 毎日筋トレをしたら、筋肉が少しずつついてくるように性格も悲観的から楽観的に変えることができ、現在の科学では、脳がいかに変化したかをスキャンで検証し、脳の大きさ、重さがが変わったことを確認できるのです。 ただし、筋トレと同じく毎日少しずつ根気強く訓練する必要があるようです。(これが難しい部分ですよね…) 楽観的が悲観的よりもよいか?というより、楽観的の方が自分がラクですもんね! つらいことがあって、悲観的になりがちになったら、コレを思い出して「よかった探し」をしてみましょう http://d.hatena.ne.jp/tabibito-life/20150817/1439803371より引用

 「アテンション・プリーズ」機内で最初にCAさんから説明される安全グッズの説明を受ける時の常套句です。こちらに意識を向けてください、ですね。

それを自分自身に向け、脳の癖を修正する。
エレーヌ・フォックス教授の「性格は変えられる」のポイントがここにありました。

 エレーヌ・フォックス教授はまさに、意識(注意)を向けるモノ、事柄を意識的に好みの方向に変えれば、注意バイアス、認知バイアスが変化する、ポジティブを志向すれば、遺伝子の長短(リスク遺伝子と言われていた)に関わらず、楽観脳になれる。ということを言っています。リスク遺伝子と言われていた遺伝子はリスクにだけではなく良好な条件にも敏感に反応する遺伝子であることを実験で解明しました。

 まさに、私自身試行しその変化を実感しているそのものです。今から36年前まで、私は病弱と運の悪さにほとほとうんざりしていました。評判の占い師を訪ねたり、名前を変えたりしても一向に効果はなく、遂に最後の手段で自分の運勢の一番低迷期を狙って『離婚』という大仕事を敢行しました。

よっし‼これ以上悪くはならない!と前に進むことだけを考え、そこからポジティブ志向が始まりました。あんなに病弱だった私がエネルギッシュに活動するようになり、次第に運が後押ししていたのです。その後は誰かの要求に無条件に沿うことよりも、自分がどうありたいか?相手と自分の双方が、良好な結果を得られる方向に進むには?を考えるようになりました。もし双方が良好という訳に行かない場合決してそこで自分を犠牲にするような結論を出さないことを注意してきました。

71才の今、私が自慢できることはただただ「健康と毎日楽しく生きる!」ことだけ。そう胸を張って言える日々を手に入れ何よりの宝ものと実に感謝の毎日です。

 フォックス教授はさらに、こんな例を挙げています。
ハワード・ヒューズという強迫神経障害を持つ世捨て人として知られた人物を演じたレオナルド・デカプリオの体験です。

彼は強迫神経障害なるものを理解し演じきるために、精神病患者の中に混じり強迫神経障害の患者と同じように振舞いながら撮影に挑みました。7~8か月後の撮影中に本人自身に強迫神経症の症状が発現し、撮影後も強迫神経障害の治療を受けてることになりました。
彼への治療は、それまでとは全く逆の訓練(障害がない自分を創る)方法を用い、効果を得たそうです。意識が脳に与える影響の大きさを痛感するお話でした。

 もう一つの例は、ロンドン ユニバーシティカレッジ、エレノア・マグライア教授の「脳は訓練で変化する」を、ロンドンのタクシー運転手を対象にして実験したものです。
ロンドンのタクシー運転手になるためには、試験があります。ある個所からロンドンの2800本の道を使って最短ルートで目的地にお客を届けるという試験です。

この試験を受けるためには1年間訓練を受ける必要があります。
すでにロンドンで認可を受けた運転手16~7名と運転手ではないが同等の条件を有した一般人とを対象に脳の海馬を調査、運転手は一般人と比べて海馬が大きく、空間記憶力は驚異的だった、という結果を得たといいます。
さらに、運転手の訓練生を試験までの一年間追跡調査したところ、訓練の量に合わせて海馬の増大が見られたということです。

またギタリストにおいては練習量と脳の指の部分に関連性があることが解ったとのこと。
そのことから脳は訓練で変化することを突き止めたということです。

訓練の効果的方法として自分のこころやからだの状態に気づく力を育む『マインド・フルネス』を勧めています。こうした「こころのエクササイズ」を8~9週間続けると、脳内制御に関する領域が強くなっていることが解ったといいます。
怒りを抑えられない若者が6か月後人生で初めて精神的に立ち止まり問題解決に当たることができた、と穏やかに距離を置ける自分に本人自身もおどろいていたと言います。

 自らの脳の癖を知るとは、自分が日頃何に幸せを感じ、どういう時に楽観的になれるか?夢中なれるものは?「楽しむことを怠っていないか」などに意識を向け、長期的に続けることが大切、とフォックス教授は言っています。

 

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