『隷属なき道』(続)
3
- 第3章 貧困は故人のIQを13ポイントも低下させる まとめ
・「欠乏亡き心理」がもたらす悪影響は、そのメリットをしのぐ。欠乏はあなたの気持ちを、差し 迫った不足に集中させる。5分後に始まる打ち合わせ、翌日に迫った支払いなど、そこでは長期的な視野は完全に失われる。
・新型コンピューターに、10の重いプログラムを並行処理させることを創造してみよう。動きはだんだん遅くなり、エラーが発生し、遂にはフリーズしてしまう。貧しい人々の状況もそれによく似ている、彼らが愚かな判断をするのは、愚かだからではない。愚かな判断に追い込まれる環境で暮らしているからだ。
・実際に貧困による影響はIQが13から14ポイント下がるのに相当した。
・英国の研究により、英国の子供たちの貧困がもたらすコストは年間で1190億ポンドを上回ることがわかった。研究者らは、貧困を撲滅するための政策は「充分に採算がとれる」と予測すると。
・すでに過剰な負担を強いられ、最も助けを必要とする人は、政府に助けを求める可能性が最も低い。「奨学金の中には、資格のある人の30%しか申し込まないものがある」と心理学者シャファーは言う。奨学金という制度は、欠乏で狭くなった視野のずっと外にあるのだ。
・近年、国際通貨基金が発表した報告書は、過度の不平等は経済成長を妨げ得ることを語っている。しかし、最も興味をそそられる発見は、不平等が大きくなると、裕福な人々も苦しむことになることだ。彼らも気分がふさいだり、疑い深くなったり、その他の無数の社会問題を背負いやすくなる。
・ホームレスに無償でアパートを提供する「ハウジング・ファースト」戦略。
・「ハウジング・ファースト」戦略はオランダの都市でも行われ、ホームレス支援の資金投資に対して、2~3倍の利益を導くことが分かった。
・ホームレス問題は解決できる。解決すれば、問題に投じて来た金額が浮く。貧困と戦うことはわたしたちの両親に従うだけでなく、財布にとってもよいことなのだ。
『隷属なき道』p78~79 より引用
コメントはこちらから