共創空間

「感情」は自己責任‼ 4-1

感情は自己責任

1

・潜在意識の秘める力

 それは原始的な恐怖や欲求の源でもあり、夢の源でもあります。そこにはもう一人の自分が潜んでいるのです。から始まる、モーガン・フリーン「時空を超えて」(Eテレ番組)から、これまでのテーマを探ってみたいと思います。

 先回では、「感情」と「フィルター」の関係が具体的に顕れた典型的事例を最近のニュースから取り上げてみました。そのことから「感情」と「フィルター」が私たち日常生活に密接につながっていることを知り、同時に「フィルター」如何で人生が左右されていることを、お気づきいただいたことと思います。

 とすると、このフィルターこそ、価値ある人生を創造するための秘訣が隠された重要な知的能力なのかもしれません。もしそうだとすれば、宗教の真理から離れて、その対局にある「脳」に目を向け、潜在意識の分野を探ることは的外れではないはずです。今回からは宗教が遠ざけていた科学、とりわけ「脳」の探求をモーガン・フリーマンの助けを得ながら、世界の科学者たちの理論を聞き確認して行きたいと思います。

 マーカス・レイクルはセントルイス(アメリカ)にある、ワシントン大学神経科学者。専門分野は“脳の機能”です。
「私たちは、手や足をどう動かすか記憶しています。しかし実際にはほとんど意識せずに動かしています。実は非常に複雑な動作なのに」
 レイクルは学期の演奏が得意です。□、聴覚、記憶、運動のコントロールなど、異なる機能を脳が同時に働かせるように、音楽やアンサンブルに例えています。脳の驚異とは複雑なシステムで完璧なハーモニーで奏でることができることだと言うのです。

 レイクルは体の動きと感覚を同調させるメンタルネットワークを発見。それは人が考えるのを止めた瞬間にスイッチが入ります。脳の特定の部位は私たちが何かを始めると活動は低下し、リラックスしているときに活発になります。レイクルはこれらの領域を“デフォルト・モード・ネットワーク”と呼びました。私たちが何もしていないとき、すなわち“デフォルト・モード”にあるときに活動しているからです。脳は“デフォルト・モード”にあるときも意識的に何かをしているときと同じくらい活発に活動しています。レイクルはその理由を探りました。
「“デフォルト・モード”は次に何が起きるかを予測する能力に関係し、決定的な意味を持っています。」アンサンブルのリーダーが演奏をまとめていくように、“デフォルト・モード・ネットワーク”は脳のあらゆる機能を体系化し、頭脳と肉体を常に同調させる役割を担っているのです。では潜在意識が主導権を握ることはないのでしょうか?

 

画像はhttp://diamond.jp/articles/-/128202 https://blogs.yahoo.co.jp/haguregumo_39/13173286.htmlより引用

私見

 従来の脳科学の研究では、意識して課題を行うときの脳活動が対象と考えられていました。
「何も考えていない、ぼーっとしている」とき、脳全体も休んでいるという考えを覆す理論です。

本を読んだり、仕事をしたり、といった意識的活動に使う脳のエネルギーは5%、脳細胞の維持メンテナンスに25%、あとの75%は「何もしない、知らない間に」エネルギーを使っている、というのです。(後部帯状回と前頭葉内側が何らかの協調をしているらしい)
 
 さらに、サイエンスZEROに出演したマーカス・レイクルは言います。

自己認識⇒自分について考えること。これにより前頭葉内側が活動
見当識⇒自分が置かれた状況を把握すること
記憶⇒海馬が“デフォルト・モード・ネットワーク”と連動することがある
 
 山々を観ながら、静かに座ってぼんやりしているのは本当に心地よいもので、これも創造的なプロセスの一環なんでしょう。と
 とすると、この75%の“デフォルト・モード・ネットワーク”状態とは、記憶、体験などの散らかって堆積した脳のデータを整理統合し、こころと身体に不調和をきたしている状態を整え、癒してくれているのかもしれません。そう考えると「瞑想」の後のスッキリ感が納得できます。

 このとき「感情」は?というと、リラックスモードなので、不快や違和感、とくに嫌感などは上がってきていないはずです。むしろ気持ちいい感覚の可能性があると想像します。そして「フィルター」はどうでしょうか?普段、眼鏡を常用していた人が眼鏡をはずしてぼーっとするとき、あれと同じなのではないかと思います。確認とか判断などの必要ないとき「フィルター」ははずれているのかもしれません。

 このように科学的側面から人間観察をすると、何だか抵抗なく納得できることが多く、悟りや解脱といった、重責感から解き放たれ、自由な自然の心身に帰るような気がしてなりません。それほど怠惰な薫習〘仏〙 物に香りが染みつくように、人々の精神・身体のすべての行為が人間の心の最深部に影響を与えること。フィルターの独自別称の持ち主なのかもしれませんが・・・・・・。

 

 

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