意識のちから

「フィルター」が創る世界(4-3)

4-意識が現実を創る その3 結論

  難しい理論が続き退屈になっている方も多いでしょう。 今回は、これまでの理論をザックリとまとめてみようと思います。 概ね、天動説(2世紀~15世紀まで信じられていた)から地動説へと変わった時代(500年前)と同じ状況で、量子力学の登場により、これまでの古典力学の矛盾点を補うミクロの世界の不思議を認識する必要に駆られています。

 時間と空間が絶対であると思われていたことを最初にひっくり返したのは、アインシュタインの「一般性相対理論」でした。これによりニュートン力学の矛盾点は解決されました。アインシュタインは光の正体を探り、「光は波である」という19世紀までの常識から「光の正体は波でもあり、粒でもある」という光量子仮設を唱えました。この不思議な二重性は古典力学では絶対に説明できない大発見で、10年後に量子論を誕生させるきっかけとなりました。  わたしたちの住むマクロの世界の物質観が、ミクロの世界では適用されないということです。そして古典力学は初期状態が決まると答えが決まる決定論ですが、量子力学では答えが確率論(不確定)になります。

 日々の生活とはかけ離れた印象ですが、実は、量子力学がなければコンピューターや携帯電話など、あらゆる電子デバイスが生まれることはありませんでした。言葉を代えれば、私たちは知らないうちに量子力学の多大なる恩恵に与っているのです。原子や電子などのミクロな世界では、粒子は波の性質も併せもち、その位置は確率的にしか決めることができません。その「確率の波」を計算する方程式が、1926年にオーストリアの物理学者シュレディンガー(1887-1961)によって考案されたシュレディンガー方程式です。実際に量子力学は見事に電子の振舞いを説明し、その応用がテクノロジーの発展に大きく寄与したことは先に述べた通りです。

 1965年に朝永振一郎(1906-1979)らと共にノーベル賞を受賞したアメリカの物理学者ファインマン(1918-1988)は、こんな言葉を残しています。「量子力学を利用できる人は多いが、量子力学を真に理解している人は一人もいないだろう」。最新の研究でさえ、量子力学の本質的な疑問を明確には説明できません。「よくわからないし、未だに謎の多い不思議な理論だなあ。でもきちんと実際の世界を説明してくれるから、とりあえず使っておこう」。まるでファンタジーの物語のような、摩訶不思議なミクロの世界。これこそが、量子力学の魅力なのです。

 それまでの常識を覆す大胆な量子力学の世界観は、当時の物理学者たちにとっても受け入れがたいものでした。特に、20世紀を代表する物理学者として名高いアインシュタイン(1879-1955)は、「神はサイコロ遊びを好まない」という有名な言葉を残し、デンマークの物理学者ボーア(1885-1962)らと激しい論戦を繰り広げました。この世界のすべての自然現象は、物理学の方程式によってすべて記述できるはず――。ニュートンの時代以来、ずっとその信念に従って研究を重ねてきた物理学者たちにとって、「ミクロの世界では、未来の出来事は確率的にしか決めることができない」という量子力学の登場は、まさにアイデンティティを揺るがす一大事件だったのでしょう。 http://www.huffingtonpost.jp/kashiko/post_7838_b_5513621.htmlより引用

 先回まで、「意識」と「脳」について、様々な考察をしてきました。量子力学の登場以後、「量子脳理論」も活発となり、それまで科学では取り扱われてこなかった「意識」が研究課題になることも増えました。「意識」あるものが「観察」をすると、世界が決まると言っていいかもしれません。ここではとにかく「ザックリ」が目的ですので、詳細には触れませが、私たちの脳内外情報伝達が、物理的ドミノ倒し状態で伝わるのではなく、「量子もつれ」と言われる、“非局所性”に依存している、つまり、脳内外の離れた領域に瞬間的に情報が伝わるメカニズムがあるということが、意識と量子の関係性、意識の量子的現象を論じる研究者により「量子脳理論」が注目されるようになりました。この量子もつれから導かれた量子テレポーテーションと言う方法は、量子コンピューターの開発へと繋がり、今や現実の我々の生活に影響をあたえようとしています。
因果関係(原因→法則→結果)を超えて、唯物論的常識をひっくり返す理論、そのように心得てかかると、拒否感が薄れるかもしれません。

  量子を、「モノ」としてではなくて、「状態」と考えることで解決されます。 概念(コンセプト)も「モノ」ではありません。 それなら、「固有状態→作用素→固有状態」の量子数理を、 概念の世界にも、そのまま適用できるのではないか、というアイデアが生まれます。 量子系の固有状態として、抽象(コンセプト)の本質を可視化する方法です。 量子数理は、単に「原子より小さい物理の世界の法則」ではなくて、より広く、モノ以外の、状態全般の法則であると考えてみるのです。 電子は「モノ」ではない、だから、モノのように因果法則には従わない。電子の波動関数を知るには、因果法則とは異なる「量子数理」が必要でした。

「概念」というのも、「モノ」ではないという点で、電子と共通点がある。ならば、量子数理を、概念の世界にも適用することができるのかもしれない。 ・・・ということです。 一見して無関係に見える「概念」と「量子」には、「モノとしては扱えない」という共通点があります。 量子の世界は、文系とも、意外な親和性を持っています。http://www.ryoushi-rikigaku.com/visualize_concept.htmlより  

 上記の引用からも導き出されるのは、「意識」はモノではなく、「量子」として扱うことができる、となります。  4-1では、要するに、現実という事実があって、誰もが変わらない現実を見ていると信じていた私たちに、現実は個々それぞれの心が反映して見えているものであるということを、実験によって証明したものでした。脳がいろいろな情報を集めて創り出したオリジナルなストーリーを「現実」と呼んでいるのだ、ということを物理学的に説明したもので、それは仏教の真理と一致するものだったのです。

 「遅延選択思考」などと難しい物理学の用語が出てきましたが、これもザックリというと、過去、現在、未来という一線上の流れでは、過去が現在に影響し、また未来へ引きずる、という考え方では、過去が変えられないから現在も変わらず、当然未来も変わるわけない、となるのですが、それをひっくり返し、現在の選択が過去を変える、というものだそうなのです。ホィーラーは、この実験を宇宙的規模にまで拡大し、宇宙の始まりのころまでに溯る過去の不確定性を示す思考実験を考察した後で『過去がそのすべての詳細にいたるまで《既に存在している》と考えることは誤りである』と結論しているのです。 過去も未来も不確定で、今ある人間の意志でどのようにでも変わる、という大変な結論なのです。 学問的な詳細は充分な理解を得ませんが、私なりの解釈が私の現実となり未来を創る、ということを認識しました。

 私たちは、意識(意図)して選択(観察)することから始まる現実への創造作業を、これまで無意識に日常で行っていましたが、そのこと(モノはモノでないもの(光という量子)が意識(量子)と合流したときにはじめてモノになる)を認識しさえすれば、現実は如何様にも思いのままに創造できる、という可能性が見えてきました。見えてはきましたが、そうやすやすと実践できるでしょうか?

 そこで、このように考えてみては如何でしょう?

 これまで「脳」に命令を下すのは「意識」であることを学んできました。そして「無意識」とは脳が優勢になっている状態であることもわかりました。となれば私たちは「脳」の上部に「意識」を置き、常に潜在意識を育てる方向に転換すれば、「無意識」に意図を組み込むことができるのではないでしょうか?そうすれば「現実を思いのままに!」も、まんざら不可能ではないような気がするのですが・・・・・如何でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

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野宮

無意識に意図を組み込む・・・この訓練を緩やかな気持ちで挑戦してみます。

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