2021年8月

ヒエラルキーからフラットへ 世界観シフト

  先回に引き続き、今回はヒエラルキー(ピラミッド型階層構造)からフラット(ネットワーク型全体構造)への移行が徐々に進んでいることを踏まえて、そのビジョンや具体的動向などについて、また個々の変化を可能にする手立てなどをお話してゆきたいと思います。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグに「この世の謎を解き明かしてくれる知的冒険の書だ。」と言わせた、『サピエンス全史』の著者、ユバル・ノア・ハラリ氏による人類の歴史に関する説では、ホモサピエンスが地球上に生き残り、あらゆる食物連鎖の頂点を獲得し、人類をかくも発展させた理由として、7万年前の「認知革命」の結果であると言っています。

この説はほぼ世界中で定説になりつつあります。

約250万年前に、アウストラロピテクスから進化して、人類の祖先が生まれ、約200万年前にはそこから、現在の人類以外の人類も進化しました。

例えば有名なネアンデルタール人のホモ・ネアンデルターレンシスや、北京原人やジャワ原人のホモ・エレクトス、その他、ホモ・ソロエンシス、ホモ・フローレシエンシス、ホモ・デニソワなど、他にもたくさんの種類の人類が同時に生きていた時代がありました。

現在の人類のホモ・サピエンスが生まれ、生きていたのは15万年前。
その頃には、ネアンデルタール人や、ホモ・ソロエンシス、ホモ・デニソワなども生きていて、ホモ・サピエンスは、アフリカで細々と暮らしていただけだったのが、なぜ現在ではただ1種類生き残り、文明を築き、世界を征服することができたのか?
これが、『サピエンス全史』の問題提起です。

『サピエンス全史』では、7万年前にホモ・サピエンスに起きた「認知革命」だといいます。
さらに『サピエンス全史』では、その後の「農業革命」と「科学革命」が起きたことが大きいとしていますが、それは認知革命があってのことです。
そして、それらの2つは、認知革命の強みをより強化するものとし、『サピエンス全史』では、この認知革命こそがホモ・サピエンスを現在まで、地球全体に繁栄させている要因だと言うのです。

「認知革命」とは一体どのようなものなものか?
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