意識のちから

「フィルター」が創る世界(4-2)

4-意識が現実を創る その2『病は気から」

 昨日「病は気から」のメカニズムを北海道大学村上正晃教授により解明、と民放ニュースが報じました。まさしく「意識が現実を創る」ことを示唆した実験結果で、タイムリーな話題です。今日はこの話題についてご紹介します。

北大、「病は気から」の分子メカニズムを解明-ストレス性疾患の根本治療へ
北海道大学は8月16日、ストレスが病気を悪化させる分子メカニズムを解明したことを発表した。

北海道大学は、同大学遺伝子病制御研究所 所長の村上正晃教授らの研究グループが、マウスに慢性的なストレス(睡眠障害等)をかけたあと、脳内に病原性の免疫細胞を移入すると、脳の血管に微小な炎症が誘導され、消化器や心臓の機能障害による突然死が起こることを発見したことを発表した。この成果は8月15日、生命科学の専門オンライン誌「eLIFE」に掲載された [2017/08/16] http://news.mynavi.jp/news/2017/08/16/163/

 

参考図(出所:北大ニュースリリース※PDF)

 慢性的なストレスが、胃腸疾患や心疾患など、さまざまな病気を悪化させることは、「病は気から」という言葉がある通り、経験的に知られているが、その分子メカニズムはほとんど明らかとなってなかった。 >> 続きを読む

意識のちから

「フィルター」が創る世界(4-1)

4-意識が現実を創る その1

  ニュートンの古典物理学でいう堅固な物質的対象物は、量子力学の登場によって、確率の波動的パターンの中へと溶け込んでいく。そればかりではない、これらのパターンは事物の存在の確立を表さずして、事物間の相互作用の確立を表すのである。素粒子の群れは「物」ではなく物と物との間の相互作用であり、またこれらの物質群は他の物質群どうしの相互作用であり、・・・・というふうに解されうる。原子物理学においては、最終的にいかなる「物」をも見つけ出すことはなく、つねに相互作用を持って終わるのみである。 (科学と意識シリーズ1『量子力学と意識の役割』監訳 竹本忠雄より〉 

 それまでの古い物質主義という固定観念からはとても想像できない世界解釈のようですが、実は仏教においても、「縁起」という概念でこの世界を説明しています。「あらゆるものはそれのみで実在するものではなく、他との関係〈縁〉によって生起するものである。」つまりこの世界は実体のないものである、ということです。
 それらを踏まえて考えても、現実とは実体のないものであって、これまでの解釈である堅固な固定された現実が存在していて、それを私たちが見ている。つまり誰にとっても同じ現実が横たわっている、という考え方はひっくり返さなければならない、ということなのです。
 個々の脳内に刷り込まれたフィルター&ファインダー越しに見、聞き、感じた世界はそれだけでも、独自の現実世界です。すべてが相互作用で生起し、それらが連結している世界では、観測者の存在が対象の特性を生み出しさえもする、というのです。そして、「素粒子(量子)はそもそもエネルギーであり、人が意識した時だけ物質化する」、というのも、それと同様のことなのです。100年以上かけて、世界の天才中の天才と言われている人々が、計算、実験、検証を重ねてきた結果ですから。それを「実感がないので信じられない」というのは、「地球が丸いなんて信じられない」と言うのと同じなのです。そして、今では量子脳理論と呼ばれ、記憶や意識といった脳の高度な機能の本質は量子の世界にあると考えられるようになりました。人間の「こころ」の問題は哲学や心理学、精神医学に止まらず、物理学の分野にまで及んでいるのです。私は理系分野には疎く、まだ量子脳理論のすべてを理解しているわけではありませんが、量子の非局所性と意識の非局所性を見ても意識は量子的であると理解しています。量子力学では「現実とは影のようなもの」というのです。そしてそれらすべては関係性で成り立っている、という仏教の根本原理とも重なるものです。理論物理学者、デヴィッド・トング氏は、量子力学を「最も優れた科学理論で宇宙を理解するための拠りどころです。」と述べました。少々難しい世界に入り込んでしまいました。

参考:『脳と心の量子論』治部眞里・保江邦夫 著
              ベンローズの〈量子脳〉理論 ロジュアー・ベンローズ
              量子力学で生命の謎を解く ジム・アル=カリーノ ジョンジョー・マクファデン

  軌道修正し、現実についての解釈を紐解いて見ますと、脳が色々な器官から受けた情報を総合して作り出したストーリーを現実と呼ぶのだそうです。そして、観ているものでも、必要ないものは、記憶から外す機能があり、望遠鏡を観ているような視覚の範囲しか記憶しようとしないらしいのです。 自分が安心できる空間世界をコンフォートゾーンといい、それらの世界は、過去の記憶で成り立っているというのです。自分の必要としないものは、現実には見えていない・・これをスコトーマ(心理的盲目?)といい、現実の世界は、極めて視野が狭いものかもしれません。絵を描く時、下手な人は、どうしても、描いた絵が大雑把になるのは、その辺が関与しているのか?見える現実世界の細部まで、しっかり描ける人は、それなりの才能を持っているといえるでしょう。絵描きのプロとなろうという人は、その先の”見えない世界”まで、絵に描き込めないと一流の仲間入りはできないかもしれないのです。

この世界は現実なのか?
『人間によって観測』されるまでは『この世の現実は存在しない』
の記事を紹介します。

 宇宙は、自身の存在を認識してくれる「人間の登場」を待ち続ける https://ameblo.jp/shitteokitaikoto/entry-12035683147.html
▲ 2015年06月02日の NDTV より

 

観測されるまで現実は存在しない

この世は人間が認識するまでは存在しない 今回ご紹介するニュースは最近の中でも、個人的に非常に大きなものです。 とても簡単に書けば、1970年代に量子物理学者によって予測されていた説が、実験で証明されたというもので、その予測されていた説とはこの世は、人間に観測(認識)されるまで存在しないというものです。 つまり、「そのあたりにあるすべても宇宙も何もかもが、人間が認識してはじめて存在する」ということが証明された実験ということになります。 この実験結果の論文が掲載されたのは、科学誌ネイチャーのオンライン版です。・nature Wheeler’s delayed-choice gedanken experiment with a single atom >> 続きを読む

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「フィルター」が創る世界(3-2)

3意識の拡大が人生を価値あるものにする―その2

  私たちは自動的に感覚で受け止め、思い描き、感情を生み、思考する、という工程を行いながら判断と行動へつなげていることを再認識しました。その工程には“意識”が大きく関わり、各々の意識のフィルターを通して見たり、聞いたり、触れたり、味わったりしています。

そこで、まずはじめに、先回の「SIFT」に関して、読者の方から寄せられた「風鈴を知らない外国人」のエピソードをご紹介いたします。
 こんな実験があったそうです。「風鈴を知らない外国人」に日本の風鈴を聞かせ、脳や身体がどのように反応するかの実験でした。日本人の場合、風鈴を聞いて、音だけで“涼しい”と感じることはご承知の通りです。そのためか、風鈴の音を聞いただけで、脳は反応し実際に体表面温度が下がった、ということです。外国人や風鈴に馴染みのない若い人の場合は、体表面温度に変化はなかったそうです。クーラーのなかった時代の日本人はこうして風鈴の音色に風を感じ、涼をとっていたことが知られていますが、風流というだけではなく、その文化が実際に細胞にまで影響を与え、条件反射していたことを示している、と「SIFT」を読んで思い出したとのことでした。脳の「フィルター」に文化が強く影響している大変具体的な例の一つですね。

 日本人は風鈴だけではなく、セミの声、鈴虫の声などにも風流を感じていました。外国人にとってこれらは「noise」と表現され、うるさい雑音でしかないのに…文化というフィルターによって、感覚の良し悪しまで異なるということです。ただ最近の外国人は日本の風流という文化が“カッコイイ”らしく、風鈴は人気のおみあげになっているようです。また、芸術家など創造的な人たちのなかには、日本の風流や侘び寂 びに関心を示す人も少なくありません。数十年前にイギリスのブライアン・イーノ(ミュージシャン)さんが訪れていた時、彼とスタッフの方たちが寺の周囲に糸を張って風鈴のような金属を下げて、風によって奏でる音を撮って風の音楽を制作していたことがあります。お話をしましたところ、彼らは大変スピリッチュアルなマインドの持ち主のようでした。日本人は芸術家でなくても、本来的にスピリッチュアルな要素を内包している民族なのかもしれませんね。 >> 続きを読む

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「フィルター」が創る世界(3-1)

3意識の拡大が人生を価値あるものにする―その1 

『SUPER BRAIN』(ディーパック・チョプラ著)より

ノーベル賞を受賞した生物学者ジェラルド・エデルマンは、脳内の神経回路の数は、10の後ろに0を百万個並べた数にまで及ぶと指摘している。既知の宇宙に存在する粒子の数の推測値が、10の後ろに79個並べた数であることを思えば、これはとんでもない数字である。
 
スーパーブレインの英雄,アインシュタインは三つの強みを育て、三つの妨げを回避した。

三つの強み・・・・リラックスすること。素直でいる事。心配しないでいること。

三つの妨げ・・・・習慣に縛られること。条件付けされていること。硬直した状態でいること。

 アインシュタインの強いモチベーションは、自然の神秘を前にしたときに感じる畏敬と感嘆の念から生まれていた。
 赤ん坊たちが確固としていて、幸福な状態でいられるのは、上機嫌で生まれているからではない。赤ん坊であろうとなかろうと、昨日の経験を更に広げていけるなら、今日という一日は、まったくの新しい世界だと言える。赤ん坊は活動を停止することもないし、時代遅れの古い条件付けに縛られることもない。前日に脳が何を吸収したにせよ、新たな地平線が開けていく場所に常に身を置いている。歩いて、話して、関わり方や感じ方を学んでいく。しかし私たちは無垢な子供時代を懐かしがるようになる。何かを失ったように感じる。赤ん坊が豊富に持っていて、私たち大人が失ったものとは何だろうか?

 精神医学者ダニエル・シーゲルによって提唱された専門用語「SIFT」は、吟味することで、感覚で受け止め、思い描き、感情を生み、思考することを意味する、それぞれの頭文字を並べた造語。

S ― Sensation(感覚・感動)
I ― Image(映像・心に描かれた姿や形)
F ― Feeling(感情)
T ― thought(思考)

 これらのバランスが保たれると、

・自分が自分らしくいられる安全な場所を創りだせる。

・その安全な場所に招かれた人も自分らしくいられる。

・自分自身について、知りたいと思う。

・否定してきた部分に目を向け、受け入れがたい真実を受け入れ、現実を直視できる。

・自分が抱える負の側面と友としてうまく付き合える。負の側面は秘密の協力者でもなく、恐ろしい

 敵でもない。

・罪悪感や羞恥心を正当に評価して癒すことができる。

・より高い目的意識が芽生える。

・希望を持っている。

・他の人のために何かしたくなる。

・より高次の現実像が、現実的で実現可能に思えてくる。

 人は何よりもまず、意識的でいるために脳を使う。中には、自分の意識を他の人よりもはるかに上手く使いこなす人もいる。英雄として紹介したい内面的成長の達人たちは、どこの生まれであろうと、みな人類の精神的指導者たちである。なかでもブッタは際立った英雄であり、人間の完成された姿を体現する成人、賢者、リーダーの象徴ともいえる存在である。人生の意味を考えながら生き、最高の価値を求めるに至る。価値は内ら生じ、俗世の域をえる。五感に流れ込む情報には意味がない。

 旧石器時代の洞窟に住む人々や昔の狩猟者や採集者たちの短くも過酷な人生について調べていくと、彼らの脳に、計算力、哲学や芸術を生み出す力、高度な理性が備わっていたことは疑いようがない。人にはこうした能力がすでにあった。そしてブッタはさらに、私たちが人生の意義を知りたいと願いさえすれば、人にはまだまだ秘められた力が眠っていることを教えてくれる。

 その鍵を握るのが、意識を広く持つことである。 >> 続きを読む

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「フィルター」が創る世界(2-3)

脳は自ら再配線する―その3「本能」

 私たちは脳に支配されているのではなく、私たち自身が脳を支配している、ということを本当に認識できたでしょうか?今回は基本的疑問「本能」についての考察です。

『SUPER BRAIN』(ディーパック・チョプラ著)より

 闘争逃避反応は、ストレスに対する本能的な衝動として私たちの脳に組み込まれているが、だからといって、高速道路の息苦しいスモッグの中で立ち往生して苛立ちを募らせるドライバーたちが、一斉に車を乗り捨てて逃走したり、乱闘したりはしない。フロイトは「文明とは、より高次の価値観を優先させるために、原始的な衝動(反射的闘争・反射的逃避)を抑圧することによって成り立つものだ」と考えていた。これは十分真実味を帯びている。しかし彼は、その代償は大きい、と悲観的に考えていた。

低次の衝動を抑圧しても、その存在を消し去ることや、深層にある恐怖や攻撃性と和解することは決してできない。その結果高次の価値観と低次の衝動の間に世界大戦のような集団暴力の爆発が贈る。抑圧されたエネルギーのすべてが制御不能な残虐な形で噴出し多くの命を奪うのだ。
 
サイコパス・宗教的こじつけ聖戦など、世界には多くのこのような現実が未解決のままとなっています。

 完璧な答えを出すことはできないが、それでも、動物的本能の操り人形というレッテルを人間に貼るのが誤りなのは確かだ。高次脳も低次脳も劣らず合理的で強力で、進化的である。脳内最大回路は高次脳と低次脳の間で自動的に制御されており、融通が利く。

 あなたがプロアイスホッケーの選手で攻撃を仕掛けるポジションにいるとしたら、攻撃を好む能回路(攻撃志向フィルター)を形成する選択を重ねてきたことだろう。しかし、それはつねに一つの選択であって、いつかその選択を悔やむ日が来れば、引退して仏門に入り、慈悲について瞑想し、脳の回路をつなぎ直してより高みを目指すこともできる。いつでも選択し直せるのだ。 >> 続きを読む

意識のちから

「フィルター」が創る世界(2-2)

脳は自ら再配線する―その2

「社会通念」に侵されたフィルター
 私たちは歳をとればとるほど、社会通念が「フィルター」を固定します。社会通念上では、未だ脳は老化の一途をたどると考えられています。年齢を重ねると脳細胞は絶えず死滅し再生しない、と。そんな固定された社会通念を重視する私たちの「フィルター」から構築し直さなければなりません。脳に関することだけではなく、ほとんどの社会通念というものは、古いまま固定されていることが多く、私たちの潜在意識の中で不安を煽って操っていることを認識すべきではないかと思います。
 実は、高齢になればなるほど若々しくありたいという気持ちが高まり、脳は明らかにそれと歩調を合わせている、とチョプラ博士は語っています。実際自分が高齢になってみてそれを実感しています。

 『SUPER BRAIN』(ディーパック・チョプラ著)より
 同じ遺伝子を持って生まれた一卵性双生児でさえ、70歳になると遺伝子の活性パターンは大きく異なり、それぞれが選んだ生活スタイルの結果が身体にも劇的な違いとして顕れる。その違いは、二人の生まれ持った遺伝子に足し引きされたのではない。そうではなく、生活のほぼすべての側面(食事、活動、ストレス、人間関係、仕事、物理的環境)が、二人の遺伝子の活性を変化させたのだ。そういう意味では、老化のどの側面をとっても回避は可能だ。身体的機能だろうと精神的機能だろうと、年齢を重ねるほどに機能を向上させている人々がどこかにいるのだから。株式仲買人の中にも、都市を追うごとに記憶力を高めながら複雑な取引を行っている90代の現役が何人もいる。
 問題はこれまでの社会通念に固執する人があまりにも多いことだ。
高齢になるにつれて無精になり、学ぶことに無関心になる傾向が私たちにはある。わずかなストレスで苛立ちやすくなり、そのストレスが長く後を引くようになる。かつては「年寄りの我儘」として片付けられてきたが、今ではその原因を「心と脳のつながり」にまでたどることができる。中略

 心と脳のつながりにおける主導権は、心に握られている時間の方が長い。高齢になるにつれ、私たちの精神活動は単純化される傾向にあり、防御メカニズムや安心感を与えてくれるものに向けられることが多い。知っているものに安心感を覚え、何か新しいことを学習するのを全力で避けようとする。こうした年配者の行動は短期や頑固として若い人を悩ますが、その本当の原因をたどっていくと、心と脳の主導権争いに行きあたる。 >> 続きを読む

意識のちから

「フィルター」が創る世界(2-1)

脳は自ら再配線する―その1

 先回までで、「脳は意識で操られる」ゆえに「感情は自己責任‼」ということを認識できました。

では、どのように操られているのか?

『SUPER BRAIN』(ディーパック・チョプラ著)より

 ジャン=ジャック・ルソーは1700年代半ばに、自然はよどむことがなく、機械のようなものでなく、生き生きとした動的存在である、と論じた。さらには、脳は経験に応じて絶えず再構築される、と提唱していた。その趣旨と目的に応じて変化するための適応能力が備わっているとする彼の主張は、脳の柔軟性と可塑性(環境に応じて柔軟に変化する)を認めた最初の宣言だったのかもしれない。

 20世紀の半ば、米国人心理学者カール・s・ラシュレーによって、その証拠が示された。ラシュレーは、ラットを訓練した後、そのラットの大脳皮質を少しずつ除去していく実験を行った。大脳皮質の90%を除去してもラットは以前の学習を記憶しており、迷路内の餌を探し出すことに成功したのだ。ラットは五感に基づいて多種多様なシナプスをたくさんに生み出していたのだ、つまりラットは迷路内の餌に至る道筋をただ「見て」知っていたわけではなく、臭覚、触覚も働かせていたのだ。大脳皮質が少しずつ除去されたとき、脳は新たな突起(軸索)を発芽させ、別の感覚を生かすために新しいシナプスを形成し、ごくわずかでも残された手がかりがあれば利用したと考えられる。 >> 続きを読む