価値観は世界観を創る

このところ。オリンピック制作メンバーの辞任・解任劇が止まらない。
彼らの過去において、オリンピック理念に反する行為、言動があったためなのですが、その裏に潜んでいるのが、それぞれの価値観、世界観で作られた構造的思考体系なのだ、ということを忘れてはいないでしょうか。

そこで、世界観について、今一度掘り下げてみたいと思います。
世界観の「観」は、観点の観で、観方、捉え方、考え方を表すものです。
さて、そこで「世界」についてはどのような概念が隠されているでしょうか?

 世界という言葉についての認識も全人類共通のようですが意外に曖昧なものとも言えます。
1,物理的な領域を指す世界という概念は誰もが最初に描くイメージです。
2,ある一定の社会層や領域を指して世界と考えることもあります。
人それぞれ固有の考え方を世界と表現することもあります。

『世界』という単語を調べると大抵は以下のような説明が出てきます。
地球上のすべての地域・国家。(物理的領域)
自分が認識している人間社会の全体。人の生活する環境。世間。世の中。
職業・専門分野、また、世代などの、同類の集まり。(「芸術の世界」「子供の世界」など)

これらをまとめると
『全体』を表す世界
『部分』を表す世界
『全体と部分の両方』を表す世界(世界は全てであり、あらゆる部分もまた世界である』)に分かれます。

 では世界観とは
世界観とは前述した『世界』の定義から推察するに『全体と部分のいずれか、もしくは両方の観方』と解釈することが出来ます。

いわば物事を全体や部分を通して「世界とはこういうもの」と定義づけることを世界観と定義できるわけです。
当然、その捉え方には憶測や先入観が混じっています。

 『自分の世界観』でどのように物事を捉えるかが、物事の是非を決定づけます。
どのような観点で捉えるかで物事の事象自体が変わってしまうからです。

ある人にとっては「ウルトラ常識」な事でも、ある人にとっては「安物の花柄便座カバー」くらいに、どうでもいいこととなってしまうこともある、ということです。

ユダヤ人虐殺を揶揄し、オリンピックメンバーを解任された、元お笑い芸人(ラーメンズメンバー)の小林賢太氏はまさにそのケースです。

 

引用:小林賢太郎さんを解任 五輪開会式の演出担当 ユダヤ人大量虐殺をやゆ :東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

 

 

これがいわば個々の『世界観の違い』です。 >> 続きを読む

人の幸・不幸を決める価値観

先回の記事を書きながら、自己の進化や成長にとって無意味な怒りや反発の原因に目線が映りました。

先回記事からも見えてきました「価値観」 の強要です。

 あらためて「価値観」とは、を思い起こしてみてください。
日常的にも、将来的にも、自分にとって何を重視し、何を大切にし、何に支えられ、優先しているか?

お金が一番、家族が一番、成績が一番、人付き合いが一番、成功(学歴、肩書き)などのステータスが一番、やっぱり宝石、いや家じゃない?高級車だよ!など自分にとって幸せと感じられる要素、一番価値ある条件が何かという考え方のことですね。国によっては何よりも宗教を優先する場合もあります。

誰かにとって生きる力になっているようなこと、モノが、他の誰かにとってはくだらない安物の花柄便座カバーのようなものかもしれません。そのように、生きる力を与えてくれたり、くだらない安物の便座カバーのように感じたりする原点になって入る、いつの間にか刷り込まれた考え方です。

別のところで産まれ、べつの道を歩いて育った他人同士が価値観を共有することは難しいものです。

似たような環境で一緒に暮らしている家族でさえも、違う価値観を持っているものです。価値観はこれまでの経験や環境、性格などさまざまな要因で決まります。
一部分で共有できたとしても、すべてを共有できないのが価値観です。

日本では強要罪という罪がありますが、義務のないことを強要する場合に成立するそうです。
ところが日本においてこの強要罪が成立したということをあまり聞いたことがありません。
もし、このような罪が日常茶飯事に成立していれば、もっとメジャーな言葉として使われていたでしょう。それを可能にしているのが常識という文化的価値観ではないでしょうか。

そして、近年話題が絶えないようになった、パワハラを始めとする多くのハラスメントの実態は、こうした常識・文化がパラダイムシフトしている時代の過渡期にある現象と言えるのではないでしょうか。

(パラダイムシフト(英: paradigm shift)とは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。パラダイムチェンジともいう。ja.wikipedia.org/wiki/パラダイムシフト

>> 続きを読む

鳥の目

炎上ー亀井静香

このところ、元衆議院議員・亀井静香氏による古い家族制度・時代錯誤の国家観・セクハラ・パワハラともいえる暴言・恫喝が炎上しているようです。

画像引用元https://matomebu.com/news/etv-kameishizuka/

「そこまで言うんなら結婚しなきゃいい、みんな天皇の子」
「こういうのを得手勝手って言うんだよ」
「簡単に言うと国家の都合よ」
「日本はな天皇の国だよ、簡単に言うと」「みんな天皇の子だから一緒なんだよ」
亀井氏が右翼的思想の持ち主であることは分かっていたが、ここまで露骨な発言をするとは思わなかった。この発言は、首相時代の森喜朗氏が「日本は天皇を中心とする神の国」と発言したのと同等ではないか。
https://matomebu.com/news/etv-kameishizuka/


<勝手なことをやってる人に、国家が全部合わせてたらよ、どうするんだよ。やりようがないよ。ひとりのわがままに合わせてたらさ、国家というのは困っちゃうんじゃないかなあ>

<国家からの恩恵を受けたいと思うのであれば、国家のルールに対してある程度妥協せんと生きていけねえだろって俺は言ってるんだよ。常識的なことを言ってるんだよ。国家の保護を求めながらね、いっさいね、国家の行為に対して協力をしないというのは得手勝手って言うんだよ!よく考えてみなさいよ。あなた方のためにね、他の国民がおるわけじゃないんだよ>

亀井氏<あなた(=夫)は本当はな、いいか、心から愛されてないんだよ、間違いない>
夫<それはないと思います>
亀井氏<ないってそれは自分で勘違いしてる>

https://wezz-y.com/?s=%E4%BA%80%E4%BA%95%E9%9D%99%E9%A6%99&x=16&y=17

>> 続きを読む

『快三昧に生きる』 【26】

2020.11.30

“愛” は同期現象か ⁇

いよいよ終盤に入りました。

同期についていろいろな視点で観てきました。
そして、そういった同期現象を私たちは日常的に経験していることを、思い出されたでしょうか?

音楽や劇場公演の観客が、またSNSや#(ハッシュタグhashtag)デモで集まる人たちも同じように、集団同調行為に至ります。同じように湧いて、同じような行動をする、同期現象の一つです。

集団だけではなく、個人同士においても、同期現象はあります。
11月18日NEUノイsolutionの記事に上げました、韓国のドキュメンタリー『兄と奏でるノクターン』では、生まれたときから兄に母親を取られ、母の愛に飢え、兄を憾み、妬み、それ故に自分の道さえ見つけられない、という不幸な思春期を過ごしてきた弟が、愛に目覚める、感動的なお話をお届けしています。

彼(弟)が苦難する様子が丁寧に描かれていて、“こういうことはどの家庭にも起こりそうなことだな~”と感じながら、番組の意図する弟の変化を楽しみに見入っていました。
それが、なんと「音楽」という媒介の助けによって弟は変化を遂げたのです。

母親の言葉は一切役に立たなかった彼に対し、大きな衝撃波になったのが「音楽」という波動だったのです。音楽と言う波に乗って同期現象が起きた、ということです。
彼の兄に対す「愛」が芽生えた瞬間でした。とても美しい姿に見えました。
特に、クラシックの音が醸し出すリズム、メロディーには「揺らぎ」があります。これは複雑系によって生み出された「愛」という創発に他なりません。

兄への信頼と共調を感じた弟の情動が伝わって、こちらまで同期してしまい幸せな想いを感じさせてくれました。音楽のみによらず、芸術、映像、ドラマ、小説、詩もきっとそのような効果があるのではないかと感じました。
>> 続きを読む

『快三昧に生きる』 【25】

 

2020.11.23

「創発」という摩訶不思議な現象が「カオスの縁」によって生まれることがわかりました。
原子が分子をつくり、分子がたんぱく質をつくり、細胞が内蔵をつくり、内蔵が一人の人間をつくり、人間が社会をつくり、国を作る。
最初の原子は、人間社会そして国をつくってしまったどころか、森羅万象をつくってしまったのです。それは決して部品一つ一つを積み上げたものではなく、時に応じて要素が要素以上のものを生み出した結果でした。1+1=2<の繰り返しだったのです。複数の要素が互いに影響し合い全体の性質を作り上げたのです。(=複雑系)

複雑系が研究される分野は多岐に渡り、生物学、経済学、自然、気象現象、コンピューターサイエンス、ニューラルネットワークなどに及びます。

ところで、「カオス」の性質には、初期値をちょっと変えただけで、全く異なる結果を生み出す「初期値鋭敏性」(=カオス理論)というものがあります。

ブラジルで一匹の蝶が羽ばたいたせいでテキサスで嵐が起きる、という「バタフライ効果」を聞いたことがあるでしょうか。
日本流に言うと、「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺です。
1、風が吹くと、土埃が目に入り失明するものが増える
2、失明したものは三味線引きをするために三味線を買うものが増える
3、三味線が売れると三味線の皮に使う猫が減る
4、猫が減るとネズミが増える
5、ネズミが増えると、桶をかじられ、桶の消費が増える
6、桶屋が儲かる

これは江戸時代に言い伝えられたことのようで、日本では少し異なる意味合いで使われていますが、因果関係が全くないことが時間経過で起きる、ということです。

バタフライ効果は、更に複雑な要素の相互関係で、「ほんの些細なことが、徐々にとんでもなく大きな事象を起こす引き金になる。」ことを言い表し、アメリカの気象学者エドワード・ローレンツが提唱したものです。

微小な初期条件の違いによって結果に大きな違いを生み出す現象や、予測不能な複雑な現象を扱う「カオス理論」を象徴的に表現したものとして知られています。
土星の輪における重力相互作用や、二重振り子の揺れ、地球の地磁気の動きなどがその例です。 >> 続きを読む

兄と奏でるノクターン

 

NHK ドキュランド 「兄と奏でるノクターン」(2020年11月13日放送)を見て


 知的障害を持ちながら、音楽の才能を開花させていく兄ウン・ソンホ(32歳)と、弟ウン・ギョンギの密着ヒューマンドキュメント。

兄ソンホは身の回りのことはほとんど自分ではできない。そんな兄にかかりっきりになる母への疎外感を持ち、同じように音楽の才能を持つ弟のウン・ギョンギは、同じくピアノを弾けるが音大を受験するも落ちてしまい、母親と兄への苛立ちが大きくなっていく。

 

兄ソンホはピアノ、クラリネット、バイオリンを弾きこなすけれど、顔を洗うこともおぼつかず、髭を剃るのも母の仕事だった。

 

 

障害児の可能性を伸ばすために奔走する母親の愛情差別に嫉妬し、弟ギョンギは職を転々とする不安定な生活を送り、母親の言いなりに生きていけば良い兄に冷たい態度を変えようとしない。兄を馬鹿にし、母には暴言を吐く日常に、本人自身もウンザリしていた。

ギョンギは「僕が障害者だったら今より幸せに生きられる」と言う。そして、障害者の兄ソンホと同じくらい時間とお金を母が自分にかけていたら、今頃僕は成功していたと語る。

 

 

そんな中、ギョンギは母の代わりに兄のロシア演奏旅行に同行することになる。演奏以外には何一つできない兄ソンホの面倒を見るギョンギ。兄のソンホは至れり尽くせりの母がいない海外演奏旅行に不安を隠せない。そんな二人をカメラは丁寧に追う。

そして迎えた本番当日、緊張しながらも弟ギョンギは、兄の髭剃りやタキシードの着付けの世話を、かいがいしくする。今日はのソンホはクラリネット演奏。そしてピアノ演奏をギョンギが担う。

息の合った二人の演奏。ギョンギは初めて曲に乗せて兄と語らうことができたと感じていました。心を通わせる二人。兄が「大丈夫だ、俺についてこい!」と言っているように聞こえたのです。初めて兄が兄らしく見えた瞬間でした。

会場は湧き、アンコール! 曲は何と「風笛」でした。
そして兄と弟はこれを機会に、二人が助け合って、互いの幸せを成就してゆくことでしょう。思わず涙しました。機会があれば是非見て欲しいドキュメンタリーでした。

 このドキュメンタリーで「言葉は不完全」ということを再認識しました。。そしてそれを補う人間の関係性には「嘘のない媒介」が必要なのでは?と。音楽がその役割を果たしたドキュメンタリーでした。

 

 

 

 

『快三昧に生きる』 【24】

 

2020.11.16

軌道修正についてお話しているタイミングに、アメリカの大統領選での、バイデン氏の勝者宣言がありました。
トランプ大統領による「アメリカファースト」に代表する、利己的政策は就任以来世界のブーイングを浴びながら終焉を迎えようとしています。

ジョー・バイデン氏は、これまでの自分勝手な幼稚ともいえるトランプ政策のすべてに軌道修正を加えようとしています。
ヨーロッパをはじめとする、世界の各国ではバイデン氏への歓迎ムードが感じられます。

何とかトランプ以前のアメリカを取り戻せそうな雰囲気です。
それに伴い世界の情勢も舵を切り直す気配が見えます。

ドナルド・トランプは米国を世界の指針たらしめている価値観を冒涜した。ジョー・バイデンは修復と再生の見通しを与えてくれる。
ジョー・バイデン氏は、米国の病をたちまち治してくれる魔法の薬ではない。しかし善良な人物であり、ホワイトハウスに堅実さと礼節を取り戻してくれるだろう。
分断された国家を再度一つにまとめるという、長い時間を要する困難な仕事に取り組む能力もある。
トランプ氏は米国の価値観、米国の良心、そして世界における米国の発言力という3点の守護者としては、求められる基準を著しく下回る働きしかしていない。

Jbpress

やはり、アメリカは世界のリーダー国としての意識を失っていなかったと言えます。
世界の国々にも利己的で「人類の未来」を見据えないトランプシンドロームは伝染を仕掛け、英国のEU離脱による弊害が今頃噴出しはじめています。
トランプはそういう意味でも、人間の成長を阻み、後退を促したと言えそうです。

「話しても分かり合えない」の実例として、従来的民主党対共和党の枠組みをはるかに超えた、トランプ派とバイデン派という、人間的枠組みに因を発する、アメリカという国に潜在的に潜んでいた問題の検出として、分かりやすい例を示してくれた「アメリカの分断」という大きな課題を生んだ今回の選挙でした。
バイデン氏は、どのような解決策を呈するか今後の動向が見逃せません。 >> 続きを読む