私のヒュッゲ

琵琶採りヒュッゲ


離れの瞑想ルームから見える鈴なりの琵琶の木が気になって、一緒に瞑想する仲間の友人と「もったいないね!」と話していたのが前日のことだった。翌日の午後、その友人からLINEが入り、今日ご主人と行く、と連絡が入る。


急いでその琵琶の木の場所を確認すると、草や竹、そればかりかほかの木の枝が邪魔になってとても梯子を持ち込めない状況のところにあった。

梯子を持ち込めるようにと、草刈機とノコギリをもって現場へ・・・木へ行ける道を作った頃、二人が来てくれた。「よっ!」と挨拶をするいつもダンディーな佇まいのご主人は、早速ノコギリや高枝切りバサミなどを持ち、遠くから場所を確認。行けそうかな?森の入り口から下へ降りる。草を刈った道を行き、木を見つけ「あー、あれか?」そこへ延長式の大掛かりな梯子を持ち込む。大きな袋にノコギリを入れ、ロープで括り、自分のウエストに縛り付けた彼は、梯子はいらない、と隣の椿の木の枝を利用して、スルスルと上に登っていく。72歳の老人とは思えない身の軽さ。すっかりその頼もしい姿に感嘆し、それだけでも楽しくなった。

2時間ほどの間に大きな袋に2杯ほどの実を収穫。奥方は腰が悪く、とてもそんな作業に参加できる状態ではなかったのに、そんなことも忘れてしまったかのように、琵琶の実の収穫を楽しんでいた。木の上のご主人の手が止まりじーっと動かないので「どうしたの?」と声をかけると、「メジロだよ!」メジロが自分たちの餌を採る人間を追い払うかのように、何羽も集まって、すぐに手の届くところでさえずっている。そういえば我が家の周辺の鳥たちは、窓際まで来ることも度々で、家の中にいる人間を観察するかのように、押し出し式の窓際上に留まっているのをよく見かける。木の上の彼はまるで鳥と同じ次元で遊ぶような気持ちになっているのだろうと、私たちも楽しんだ。

その日は薪のお風呂を焚いて汗を流してもらった。薪風呂のやさしい感触とともに琵琶採りヒュッゲの一日を終え、満足感はひとしお。

この記事をシェア:

Comment

佐藤敬子

楽しいコメントと写真をありがとうございました。小鳥の鳴き声、静かな自然、煙突から立ち上る煙、懐かしい薪の燃える匂い、土と緑一色の素晴らしい環境。
いっぱい元気を頂きました。ありがとうございました。

返信
佐藤敬子

すてきな写真とコメントをありがとうございました。
この時期の一番いい瞬間を体中で喜び受け取りました。

返信
佐藤敬子

楽しい枇杷採りでしたね!
柔らかな土、鳥の声 自然のままに熟した実をいっぱいつけた枇杷の木が緑の森の中にすいと立って、蕗やドクダミの花があたり一面に咲き乱れ、静かで最高に気持ちのよい一日でした。ありがとうございました。
その上スルッとむいてほうばるとおいしいジュースがいっぱい広がってまあるい種がコロンとでてきて嬉しく楽しく元気いっぱいになりました。
 さらに!五右衛門風呂までご用意して下さって、本当に
「おもてなし」ってこういうことかと教えられました。
主人が「私のヒュッゲ」を教えてくれました。
上手な楽しいコメントと森の小道の写真をみつけまして、あ!さすが。
梯子を用意したり道をつけたり、準備や後片づけがたいへんでしたね。どうもありがとうございました。
今日いただいた枇杷を例会に持参した夫が、皆にとても喜ばれたと喜んでおりました。
妹や娘一家、ヨガ仲間にも分けましたら、仏さまにもお供えするわと皆大喜びでした。
どうもありがとうございました。 

返信
myosho

素晴らしいコメントありがとうございました。私もすっかり子供に戻ったような楽しいひと時を頂戴し、翌日も幸せ感に浸っていました。ありがとうございました。

返信

佐藤敬子 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です