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『17歳の帝国』を観て 1

久々にワクワクするドラマでした。

長いコロナ禍のトンネルも抜けそうで抜けきれないまま、更に追い打ちをかけるように、ロシアによるウクライナへの暴挙が原因でその影響が円安と物価高騰を招き、私たちの生活は益々ディストピア化へ舵を切って進んでいます。
また、参議院選挙の公示も行われ、来月10日には選挙を控える中、このドラマに似通った「メタバースジャパン」構想を巡らし妄想していた最中に、タイムリーなドラマの内容で期待は高まるばかりでした。
期待通り、SF仕立ての私好みの内容で一気に見てしまいました。

あらすじ
202X年、総理大臣・鷲田継明超高齢化失業率の上昇にあえぎ、経済の没落からサンセット・ジャパンと揶揄されるようになった日本を改革するため、あるプロジェクトを立ち上げた。

それは量子コンピューターを駆使した「Utopi-AI」、通称UA(ウーア)構想。

人材育成を目的に、官房副長官の平清志に若手リーダーをAIに選抜させ、地方都市を統治させる計画を命じる。若者が政治を担えない理由は、「経験」の少なさだと言われてきた。AIは、一人の人間が到底「経験」し得ない、膨大な量のデータを持っている。つまり、AIによっていくらでも「経験」は補えるのだ。
プロジェクト・ウーアと命名されたその計画の実験都市には青波市が名乗りを上げ、政治AIソロンは若く未熟ながらも理想の社会を求める、17才の少年・真木亜蘭(まきあらん)を総理大臣に。他の閣僚となるメンバーも全員20才前後の若者だった。

真木は総理就任演説で、癒着やしがらみを排した「透明な政治」、人々の声を聞き受け止める「謙虚な政治」、助けを求める人々に手を差し伸べる「救う政治」の3つの方針を打ち出し、実験都市ウーアでの初閣議で市議会廃止や市職員の削減を提案すると、前市長の保坂重雄や重鎮市議・佐伯豊を筆頭とする旧守派や市職員たちに反発され、鷲田総理の孫で旧守派とつながりを持つ環境開発大臣・鷲田照からも横槍を入れられる。真木は記者の山口早希議会制民主主義を否定するその早急な都市改革を「17才の帝国」と記事で批判され支持率を落とすが、改革派の財務経済大臣・雑賀すぐりや厚生文化大臣の林完の後押しを受け、改革を推し進め住民たちの幸福度を高めていき、他方で市井の人々との交流から狸穴商店街の再開発の見直しや、50年前に途絶えてしまった青波ランタン祭りの復活にも尽力する。

そんな中、真木が公邸に秘密裏に設置した「17才のユキ」ことAIスノウが、7年前に鷲田総理の不正献金疑惑に巻き込まれ亡くなった友人・白井雪をAI化したものであることが、補佐官に任命された茶川サチや平に知られる。そして平の調査の影響でスノウが暴走し、ソロンが大規模システムダウンを起こしたことをきっかけに、真木はスノウの存在を住民に説明し、自らの責任を明らかにする。住民から不安視された真木の支持率はソロンと約束した総理罷免レベルの30パーセントを切り、真木は志半ばに3か月でウーアを去ることになる。

父・鷲田光に地元とのしがらみがある総理の孫としての人生を見つめ直すべきと促された照は、旧守派に忖度せず、ウーアの発展のためになると考える施策に尽力するようになる。そして照は真木が去った後、ソロンにより新たな総理に選出され、市民オブザーバーの導入など新たな政策を取り入れつつ、真木が打ち出した3つの方針に従い改革を継続する。3年後、ウーアではランタン祭りが復活し、メタバース技術で会場に居なくとも世界中から祭りに参加できるようになり、会場に様々な世代の住民の顔が並ぶ中、サチは傍らに海外留学した真木の姿を見つける。そして照の号令に合わせ、ウーア住民たちと夜空に青いランタンを解き放つのであった。

17才の帝国 – Wikipedia

見どころ

第1話
サンセットジャパンと揶揄される日本の経済状態は、現在の状況にぴったり!
ところが、現実の日本の対応はというと、このような新しい風を感じる政策など皆無!
参議院選挙に向けて、それぞれの党が戦うことしか考えていないおそまつな状況です。

実験都市の青波市のロケ地は佐世保市針尾中町。
ここには100年前、旧日本海軍が建てた高さ136mの無線搭3本が建ち、官邸として使用した建物は無線送信所でした。3本の無線搭から光が天に向かって放たれ、町中にサイレンが鳴るところからドラマは始まります。
その後3本の搭から放たれる光は隣の搭へと結ばれ、リング状に変わります。
とても、リアルな情景でワクワク感を煽りました。

3本の搭はAIソロンのトリ(経済成長) ヘキサ(ウェルビーイング) ノナ(持続可能性)という設定で、実験都市の要の役割になっています。

今、世界は悲劇に満ち溢れています。正直未来を描くことは難しいです。ですが、見ていただいた方に、ちっぽけではありますが、ドラマというエンターテインメントが、未来は変えられるんだ、という希望のきっかけになれば嬉しいです。

『青春SFエンターテインメント』今夜スタート! – 17才の帝国 – NHK

物語の中心となるのは、UAの閣僚達による執務が行われる閣議室。この空間は総理大臣「真木亜蘭」が設計したという設定です。この空間デザインには真木のキャラクターを作り上げるうえで幾つか工夫をしています。真木は劇中で3つの政治を標榜します。

「Visible Politics 癒着やしがらみを排した透明な政治」
「Listening Politics 人々の声を聞き、受け止める謙虚な政治」
「Helping  Politics 助けを求める人々に手を差し伸べ救う政治」

ここに真木のキャラクターは凝縮されています。

2022年現在でも少子高齢化、SDGsが叫ばれる中、202X年はさらに資源は無い、経済も衰退、人口減少。想像すればするほど絶望的ですが、誰も切り捨てない真木はきっと「今あるものをうまく使う」「解釈を再定義して成立させる」そんな考え方の持ち主ではないかと想像しました。

「17才の帝国」世界観設定について(1) – 17才の帝国 – NHK

写真を見て頂くとご理解いただけるように閣議室は実在する無線送信所内の電信室をモデルにスケルトンリノベーションしました。真木にとって経年変化したコンクリート剥き出しの躯体は「渋い」「味があってかっこいい」。透明な議会、リアルを住民にそのまま見せる。ラディカルな思想の真木はインテリアもマテリアルをそのまま活用する。そんな考え方をする人物という価値観をデザインで定義しています。
■AIソロンと透明な議会

閣議室には大きなコンクリートのテーブルがあり、真木はその端のセンターに座っています。背景にはソロンを呼び出す巨大モニターを背負い守護霊やスタンドのようにAIソロンを従えます。

■AIソロン

UAの意思決定を補助する政治AIソロンは、

トリ(経済成長) ヘキサ(ウェルビーイング) ノナ(持続可能性)

の3つのAIで構成されています。それぞれ独立した量子コンピューターが割り当てられていて優先順位が違う提案をします。この3つのAIは塔の中に格納されています。

顔は前を向いたまま背後にいるソロンに語り掛ける真木。基本的にUA住民への生配信はこの画となります。筆者は映画「トゥルーマン・ショー」や恋愛リアリティ番組が好きなのですが、箱庭を観察するということで発生する愛着を作品に注入したいと考え、プロデューサーや脚本の吉田玲子さんと議論してこのような表現となっています。

閣僚の中で一番若い真木はUAの総理大臣、一番責任のあるポストです。自信があるように、虚勢を張らなければなりません。自信の無いトップの判断に支持は集まりません。AIソロンを誰よりも使いこなしている、そんな印象を作り上げるために、自分の背後にソロンを背負います。したたかな真木、そんな印象を設計しています。
住民たちは配布されたスマートグラス、スマートリング、イヤーデバイスからソロンにアクセスします。スマートデバイスを通じて情報はすべてソロンに転送されています。

3つのAIの政策提案は閣議室の壁面に設置されている3つのディスプレイに表示されます。

「17才の帝国」世界観設定について(1) – 17才の帝国 – NHK

3つのAIを始めとして、ウエアラブルリングによる住民全員参加システムや、デジタルグラスで、どこでも誰でもソロンにアクセスしホログラム映像を見ることができるなど、どれをとっても素晴らしい想定に驚きました。

日本のGDPは戦後最大に落ち込み、G7からも除外され、失業率は10%を超えた。人々はこう呼んだ。経済の日没。サンセット・ジャパン。

エイブラハム・リンカーンの名言が視聴者に紹介される:「私は一つの痛切な願いを持っている。私がこの世に生まれたがゆえに世の中が少しだけ良くなること。そう認めてもらえることが私の生きがいでもある。」

プロジェクト・ウーア発足
プロジェクト・ウーア発足記者会見にて。

記者・山口は「選ばれたメンバーは全員25才以下。総理は17才。経験のない若者が
行政を行うことができるんでしょうか。」と質問。

真木は「経験はAIに蓄積されています。それに経験は人を臆病にしたり、人を腐らせることもあります。新しい都市づくりに必要なのは変革と創造ではないかと思います。」と答えた。そして責任を取ることも明言する真木。会場は拍手が起きる。

サチが総理補佐官に
鷲田総理は「あんな若造に任せられんだろう。君も現地に行ってくれ。」と、官房副長官の平清志(星野源)に命じた。平はこのプロジェクトの立ち上げから関わってきた人物だ。

サチは真木とは同じ「政治について学ぶオンラインサロン」に参加していた仲だが…意外にも総理補佐官を頼まれた。家族が驚く中、サチはウーアの閣僚として、実験都市へ家族と一緒に引っ越すことに。父がリストラ、弟はイジメが原因で不登校なので家賃3年間無料は大きかった。サチの祖父は祖母が亡くなって以来、一人暮らしだが、祖父もウーアへ連れていくことにする。

閣議での決断
初めての閣議が行われる。平やサチも参加する。真木の意向で閣議はオンラインで配信される。ふだんの各官僚の執務の様子も毎日配信したいという真木。鷲田照は不満だが…真木はメリットを3つ挙げる。

ウーアの住民に政治を身近に感じてもらうことができる。
ウーアの住民が行政を監視することができる。
ウーアの住民が行政に意見を述べることができる。

平も反論するが…真木は「権力は腐敗するから」と実施すべきという。平は自分の執務室は除外してほしいと真木に訴えるが、承諾しない。

真木は、とちおとめクッキーを差し入れて、空気を変えようとする。

閣議が始まりライブ配信される。来年度の予算案の審議になったが、真木は「市議会って必要なんですか?」と問う。ソロンは議会廃止のメリットを語る。住民の幸福度は3年後に1.35ポイント上昇する。根拠は削減された経費をほかの分野に回せること。スピーディーに住民の意見が通ることを挙げた。

ライブ配信視聴者の住民およそ6万人。そのうち78%が市議会廃止に共感していた。さらに過去を調べると、利権・癒着によるものなのか不必要な歳出があった。

平は「市議会には 君たちを監視し暴走を止める役割があります。 」と訴える。
真木は「僕たちの議論は 全てガラス張りです。」と答えた。
しかし住民に閣僚をクビにする権利がない。

そこで、ソロンが「毎週集計する支持率が30%を切ったら私が総理を罷免できるというのはどうでしょうか」と提案。真木は受けれ入れた。
議会の廃止が決定。明日は市の職員の削減について議論することになった。

会議後。平は事前に相談するようにと、真木に注意する。
しかし真木は「分かりました。ですが、鷲田総理は こうおっしゃっていました。思い切った改革を、と。改革はもう始まっています。」と答えた。

真木総理の就任演説
翌日。真木は就任演説を行った。プロジェクションマッピングで海に真木が映し出されたり、テレビでも視聴できる。

真木:「恐らく 皆さん ウーアの首長に まだ17才の僕が就任したということに驚かれていると思います。ですが まだ17才だからこそ思うことがあります。間違っていることを間違っていると言わない大人になりたくない。欲望にまみれた大人になりたくない。自分と自分の周りしか守らない大人になりたくない。そうなってしまう前に…
僕は 未来を創りたい。ここで生きたいと思える社会を創りたい。
僕が ソロンと目指すのは…
癒着やしがらみを排した透明な政治。
人々の声を聞き受け止める謙虚な政治。
助けを求める人々に手を差し伸べ 救う政治。
救う政治。
救う政治。
以上です。」

 

【17才の帝国】最終回ネタバレと感想!平(星野源)の決断に希望が!|【dorama9】

透明な政治、謙虚な政治、救う政治
こんな政治が現実になったら、夢のような実験プロジェクトですね。

世界における幸福度ランキングで、日本は2021年調査で、149ケ国中56位でした。
ちなみにイスラエル12位 チェコ18位 台湾24位 スロバキア34位 ブラジル35位、メキシコ36位、塵43位 タイ54位       です。これでもまだ上がったくらいで、その前年は62位でした。

日本が如何に他国に比べて幸福度が低いか明確に物語っています。

つづく

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