『遊びをせんとや生まれけむ』1

遅まきながら、あけましておめでとうございます。

2022年最初の投稿です。

皆様、良き2022年をお迎えのことと思います。

私的には、昨年冒頭から始まった「癌」との出会い、手術から一年を経た2022年正月でした。
手術の後遺症との共生にも馴れ、リハビリのつもりで近場の小旅行を敢行しましたが、思った以上に調子よく、3時間もの歩行も余裕で、同行者に迷惑をかけることもなく、久方ぶりの非日常をすっかり満喫し、堪能して帰ってきました。

世間は?と言うと、正月が過ぎるころから徐々に、感染力が強いと言われるコロナ新変異株、オミクロン株が急速に感染を広げる状況が続いています。感染された方には、心からお見舞いを申し上げます。そうでない方には、充分に心しながら日常をお送りください。

さて、そんな中、元旦未明に放送された「朝まで生テレビ」は、日本の現状と行く末を語る人々の「確固たるビジョン」の提言がぶつかり合う様子につい巻き込まれていました。

個々に独自の「ビジョン」を投げかける人の中に、組織への忖度、コバンザメ的な人がその色合いを明確にしたのも面白い状況でした。またホテルのTVで偶然「マイケル・サンデル 白熱教室」の放送に出逢い、日本、中国、アメリカの大学生たちによる討論を観る機会を得、会話の主題にもなり、若者の意見にも触れ、大変有意義な時間を共有できました。

その中で中国人学生は、他の国の学生たちと比して、生活に満足し、国の政策に不満がないと語る人たちに皆驚き、洗脳の怖さを知りました。

別の角度から見れば、幸せを得られているとも言えるかもしれません。それを世界中に知らしめたいという意図が政府側にはあるのでしょう。

閉鎖されている情報空間においてはこのような思考のコントロールは容易と言えますが、それに気づいて異なる行動をするものは、簡単に排除されてしまうでしょう。

中国共産党政府は、国民全体を都合のよい方向に育成し、政権を安定させられるため、小学校からプロパガンダ、洗脳教育に力を入れている。そのため政権側の思いのままの大人になるのは当然でしょう。

中国においても、格差現象は厳しいようで、若者たちの間に「寝そべり族」と呼ばれる、最小限だけ働き、ほとんどの時間を寝そべって過ごす若者が出現しています。
このような情報が発信されるとすぐに削除されるということです。

 

ところで、若者を中心に人気上昇中の『EXIT』ボケ担当の兼近大樹の小説『むき出し』が最近話題になっています。彼の過去の黒い交際や過ちなどを体験のまま書き下ろし、カミングアウトした、告白自伝的小説です。又吉直樹氏、茂木健一郎氏も推薦しています。
又吉直樹×兼近大樹 本音むき出し特別対談①小説編 – Bing video

EXIT兼近大樹が自伝的小説出版に違和感も…逮捕歴を告白し爆報THEフライデーにも出演、過去の犯罪をネタにし物議 | 今日の最新芸能ゴシップニュースサイト|芸トピ (geitopi.com)

2019年10月14日(月)11:22
EXIT兼近大樹さんは4日放送の『爆報! THE フライデー』(TBS系)に出演し、番組では貧乏だった少年時代から犯罪に手を染めるまでのことが再現VTRで紹介され、周囲も片親や両親がいないというのが当たり前の環境で、2011年に逮捕された売春斡旋事件についても、「法に触れるということは分かってた上で、僕が未成年のころは『それの何がいけないんだ』でしたね」と当時を振り返っていました。一方の窃盗事件に関しては逮捕、不起訴処分になったことは伝えたものの、本人が事件の詳細を明かすことはありませんでした。
番組放送後にツイッターを更新したEXIT兼近大樹さんは、「爆報フライデーせんきゅすでした!!兼近の人生に関わって下さった皆様に感謝します。そしてお騒がせして本当に申し訳ございませんでした。」と謝罪の言葉を綴った上で、「真実を全て話しましたが、もちろんテレビでは描けない部分も多々あります。兼近自身も知りたい方には何もかもさらけ出したいと思っていますので中卒のチャラ男が初めての自伝的小説に取り組んでいます。そこに事細かに書きますので、応援してくれる方もそうでない方もそちらを手にお取り下さい!!」と、自伝的小説を執筆中であることを明らかにしました。

髪をピンクに染め、派手なファッションに身を包み、チャラ男のキャラクターを呈しているものの、彼の実態は観るごとに外見とは異なる人間として魅力的キャラクターに想えてなりません。

貧困家庭に育った彼は、勉強嫌いで、アウトローの世界に引き込まれたとは言え、現在の彼からは、しっかりとしたビジョンの上に自分を確立し、「幸せ」と断言するほど、自分なりの世界を築き上げていることに敬意さえ感じます。現在の人気の背景にはそういった若者が憧れるエネルギーが放たれていることも要因の一つなのではないかと思っています。

近年、少年犯罪は減少傾向にあるのですが、成人の年齢が18歳になったこともあり、少年犯罪に対して実名を公表すべきかが問題視されています。

兼近氏の言によれば、犯罪を犯した時点では、判断が曖昧な状況下にいたことを告白しています。貧困や生活苦という環境において、思春期の不安定な時期には、大人たちの支えは必須だと思うのです。そのような制度もないまま、黒い世界へ引きづり込まれ、闇風土の洗脳を受けてしまう若者に、自己責任を問うのはマジョリティーな大人として無責任なのではないかと思うのです。

思春期によらず、大人になっても組織風土に染まり「言いたいことを言えない」「言われたことだけしかやらない」の問題が『みずほホールディング』に発生しました。昨年の一年間に10回ものシステム障害が続出したことはご存知の通りです。

そうした大人社会の影響からか、現在の若もの傾向とし「他人指向型」に傾きつつあるという見解もあります。
高邁な成功目標を持たない。他人、特に仲間の目を意識しながら、分相応の生活を楽しんでいる。それゆえに、若者の満足度は、高まっていると言うのです。

中国の『寝そべり族』とどこかシンクロしているように見えます。
中国の寝そべり族に比べ、兼近氏からは、「生き方のスタイリスト」と呼びたくなるほど魅力的に感じるのは、私だけでしょうか?

 

無理ゲー社会一方、『無理ゲ―社会』『親ガチャ』という言葉が巷を駆け巡っています。
『親ガチャ』 (おやガチャ)とは、日本の インターネットスラング で、生まれもった環境や能力によって人生が大きく左右されるという認識に立ち、「生まれてくる子供は親を選べない」ことを スマホゲーム の「 ガチャ 」になぞらえたものです 。

「親ガチャ外れ」という言い方をするようです。当たり親を持った者は、未来が約束され、外れ親を持った者は人生終わり、と諦めるのでしょうか。親の年収と学力には相関性があることが統計データで示されたことも関係しているのでしょう。

また近年、児童相談所の対応件数が増えているということもあるでしょう。親に暴力を振るわれたり、虐待が疑われたりするような家庭環境で過ごす子供が多く、子供は親を選べないと実感している人が多くなったのです。

又「親ガチャ」には、「顔ガチャ」「身長ガチャ」のように、「遺伝ガチャ」があるようです。

橘玲著『無理ゲイ社会』では、このような「遺伝ガチャ」の詳細にも触れられています。

『無理ゲイ社会』は橘玲氏の著書の題名ですが、もともと『無理ゲイ』なる言葉はそれ以前から使われていたようです。難易度が高すぎて「クリアするのが無理なゲーム」を指す用語です。
攻略不可能なゲーム、ゴールに達することがあまりにも困難な事について発する言葉ということです。

このような意味から、ゲーム以外の実生活でも環境的・物理的・状況的に解決が難しかったり、実行が困難な場合にも使われています。

「無理ゲー社会」とは、社会の変化によって生きづらくなっている社会を比喩した造語です。
現代社会は人によっては人生そのものが「無理ゲー」と化していること。また、その「無理ゲー」に参加せざるを得ない状況になっていること。これが、「無理ゲー社会」の正体であり、問題点であるといいます。

参議院議員山田太郎氏が若者たちに「あなたの不安を教えてください」と問うたところ、経済的な不安を訴える若者が極めて多く、「自殺する権利」を認めてほしいという意見も目立ったそうです。
『無理ゲー社会』橘玲に聞く 「自分らしく生きる」が生んだ絶望:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)

衝撃的な冒頭ですが、まさにこのことを指して『無理ゲー社会』と題されたのでしょう。
更に、行動遺伝学の研究によると「やる気」「集中力」「仕事と雇用」といった成功するのに不可欠だと思われる能力の大半が50%前後遺伝の影響を受けます。

また残りの50%は「非共有環境」といい、学校や地元の友達集団・教師・ソーシャルメディアなどが大きな影響を与えるという研究結果が出ていると言っています。

要するに、仕事やプライベートで重要と思われるほとんどの分野において、遺伝の影響と非共有環境から受ける影響が90%以上となっていると言うのです。人生はほぼ遺伝で決まるということですね。

貧困→低学歴→本質的に「自由のない」職業選びの強要・・・・

「自分らしく生きる」ことへの強迫観念、婚姻率5~6割にまで低下、適応できるのは賢い人、それ以外にとってはディストピア、等々・・・・この辺で止めましょう。

とにかく気がめいってしまうほど『無理ゲー』の実態が書かれています。

年頭からネガティブなお話で申し訳ありません。
私としては、このようなネガティブな情報にも動じない「抜け道」を知るべき、と言うのが投稿の目的ですので、どうかめげずにお付き合いください。

このような状況を創り出しているのは誰?何?
視点をずーっと引いて引いて観ることが大切なのです。

全ての状況は、我々人間が創り出したものです。
勿論、気候異変だって人間の責任です。

人間が創り出したモノ、コトが、想定外の産物を多大に作り、人間自身がそれに右往左往している様子が見えませんか?

一体、人間の(脳の)進化は、テクノロジー、システム変化、社会変化に追いついているのでしょうか?

部分の専門家たちが、その部分を追求した結果、私たちは現在のテクノロジーの恩恵を受けています。しかしながら私たちはその専門家たちが創り出した多くの恩恵を、持て余してしまっています。

更には、その恩恵のお蔭で、私たちは『無理ゲー社会』に放り込まれてしまっている、というのです。

成長成長を声高々に唱え、寝る間も惜しんで取り組んできた私たち。
「24時間闘えますか?」のコマーシャルは、未だに耳に残っています。
受験生の合言葉『四当五落』(五時間寝たら試験に落ちる)もしかりです。
「長い時間働く人は偉い」という価値観は脳に焼き付き、その回路はまだ残されたまま、そうやって貢献してきた社会が『無理ゲー社会』と今更言われても、「どうすりゃいいの?」となるのは当然のことです。

「遺伝ガチャ」で人生が決まってしまう、そう聞かされて納得できますか?
でもその理論には説得力があります。私たちはそれに抗えないことが解ったのです。
ならば、私たちは自分たちの人間力を進化させ、『無理ゲー』から抜け出すしかないじゃないですか。
もう『無理ゲイ社会』のメリットはないということなのですから、新しいメリットをを生む何かを自分たちで作るしかない、ということになりませんか。

「トランプ現象」や「共産主義のリバイバル」では納得できません。
かといって「寝そべり族」にはなりたくないですね。
どうするか?面白くなってきました。
みなさんと一緒に考えて行きましょう。

私流の抜け道を後白河院編纂『梁塵秘抄』の中の「遊びをせんとや生まれけむ」にヒントを見つけました。

次回に続く

 

 

 

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