2020.10.12
無意識が意識を操っている
「信じていること」が自己世界を創造することについて、もう少し検証してみたいと思います。
エピソード記憶⇒固定化のメカニズム
理化学研究所によると、覚えた記憶は、時間経過とともに、海馬から大脳皮質に徐々に転送され、最終的には大脳皮質に貯蔵されるのではないかとのアイデアがありますが、大脳皮質への記憶の転送に関して、どのようにして海馬から大脳新皮質へ転送され、固定化されるのかに関する神経回路メカニズムを発見しました。中略
エピソード記憶の形成後、最初はその出来事を思い出すのに主に海馬を必要としますが、その記憶を覚えた後、時間経過に伴い徐々に海馬は必要でなくなり、数週間後には大脳皮質を使ってそのときの出来事を思い出すことが分かっていました。このことから、心理学者や脳科学者らは、“記憶”は、時間経過とともに、海馬から大脳皮質に徐々に転送され、最終的には大脳皮質に貯蔵されるのではないかと考えました。この考えは、「記憶固定化の標準モデル」と呼ばれています。
・学習時に既に前頭前皮質で記憶エングラム細胞は生成される
・前頭前皮質のエングラム細胞は、時間とともに成熟する
・海馬の記憶エングラム細胞は、時間とともに脱成熟する
・扁桃体の記憶エングラム細胞は、時間に関係なく成熟している
理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター理研-MIT神経回路遺伝学研究センターの利根川進センター長と北村貴司研究員、小川幸恵研究員、ディラージ・ロイ大学院生らの研究チーム※
理化学研究所
エピソード記憶は、具体的に自分がいつ、どこで、何をしていたかを言葉に示すことができるような記憶であり、これはかなり高度な脳機能といえます。
エピソード記憶のメカニズムを、ネットワークレベルで解明する〜藤澤茂義・理化学研究所脳科学総合研究センター システム神経生理学研究チーム チームリーダー
エピソード記憶は時間や場所やその時に感じた感情とともに記憶されます。自分で自分の記憶の中に探りあてた時に「覚えてる」となる類の情報がエピソード記憶なのです。
日常の一つの経験、一つのエピソードは感情(面白い、嬉しい、嫌感・・)が伴うと覚えやすく最終的に無意識に固定化されます。特にネガティブな感情を伴うエピソードは定着しやすく、その理由は偏桃体の“防御反応”によるものらしいのです。これは納得できます。
私の見解では
無意識の浅い部分が、意識をコントロールしている。
無意識の深い層には自己の本質的欲求や、最も深い部分には人間の原初の記憶すら収められていると考えています。
それを踏まえてメカニズムを考えてみると >> 続きを読む