『快三昧に生きる』 【9】

2020.8.3

「SISU」の他にも、北欧では「ヒュッゲな暮らし方」が盛んです。
「ヒュッゲ」とはスウェーデン語で、日本語に訳す言葉がありません。

スウェーデンには「ラーゴム」という概念があります。消費主義の生活とは反対に、多すぎない、少なすぎない適量の物を持ち、適度に暮らしていくことを意味する言葉です。物を持てば豊かになると考えがちですが、物が増えれば収納が必要になり、大きな家が必要になります。「ヒュッゲ」も「ラーゴム」も物質で満たされるのではなく、人とのふれあいやリラックスした時間で満たされることを大切にした考え方です。

気を遣いすぎない、北欧流ヒュッゲスタイル友人や仲間で集まるといえば、ホームパーティーを連想する人が多いでしょう。しかし、日本のホームパーティーはとても気を遣うものでもあります。主催者への手土産、インスタ映えする料理、スケジュールの調整、念入りな掃除など。楽しいけれど、ちょっと疲れてしまうことはありませんか?

北欧流ヒュッゲはもっと気楽なもの。「今からうちでヒュッゲでもどう?」と気軽に声を掛け合います。食事は普段と変わらないものを大皿で出すだけ。物が少ないシンプルな暮らしをしているので、慌てて掃除する必要もありません。私たち日本人は、無意識に人に気を遣ってしまいます。それが世界で称賛された「おもてなしの心」でもありますが、それはそれとして、普段はもっと気楽に人付き合いをしてみても良いのではないでしょうか。自然体でいられること。心地良い関係を築くこと。これが北欧流のヒュッゲスタイルです。

北欧 Life log

北欧で暮らす日本人からの紹介記事です。

ヒュッゲ − 北欧の国デンマーク生まれの「心地よさ」の概念。人とのつながりを通して、あたたかさや癒やし、幸福感を得ること。一瞬一瞬を大切にしながら、好きなものに囲まれて過ごすこと。
P. エドバーグ(2017)

 

 

 

ヒュッゲな暮らし

 

 

「ヒュッゲはデンマークの言葉ですが、北欧全体に似た感覚は定着していて、…何をするでもなく、心地よい雰囲気に包まれて過ごす習慣は、ささやかな幸せに気づかせてくれる…」

北欧 | ヒュッゲ、暮らしの伝言

 

「私たちデンマーク人はどんなことでも、いかにヒュッゲか」を言わずにはいられないのです。それもひっきりなしに。 M. ヴァイキング(2017)

@hyggebot ヒュッゲな暮らし

 

彼らは、仕事が好きだと感じているので、自主的に仕事をします。日本人のように、仕事に支配されません。自分でやることをコントロールして実践し、成果を実感することができるのです。その感覚や達成感が、北欧の人の仕事のモチベーションとなっています。

【Hygge】北欧の幸福概念ヒュッゲ

 

例えば、政治家が浮気をしたとしても、それが辞任にはつながらない…仕事
才能や能力の問題ではないからです。他人の生活に口出しするのはタブーという価値観が古くからあります。」

北欧 | ヒュッゲ、暮らしの伝言 

 

Q. スウェーデンの好きなところは?
A. 誰もが生きたい人生を生きられるところです。私が30年前に妻と出会ったのも一つの人生。パートナーを作らずに人生を過ごす人もいれば、同性パートナーを持つ人もいます。それぞれの人生に、誰かが口出しするべきではないのです。

 北欧 | ヒュッゲ、暮らしの伝言

そして、ノルウェーでは「Koselig」(クーシェリ)という同じような考え方の言葉があるそうです。

ノルウェーの”Koselig”から学ぶおこもり術【 FUDGENA:YUMIの My Nordic Life vol.20 】
今回は巣ごもり生活を乗り越えるための、ノルウェー人の‘’ある考え‘’をお伝えします!

ノルウェー人は、おうち時間を楽しむ達人。冬が長い北欧では、家で過ごす時間がとっても長いのです。だから彼らは、自宅を快適にするためのインテリアを揃えたり、家で楽しく過ごすためのアイデアをいっぱい知っています。

そんな彼らには、Koselig(クーシェリ)という考えがあるそう。これだ!という訳が英語にも日本語にもない特別な言葉、Koselig。まさにノルウェー人に宿る感覚なのです。
Koseligというと、
居心地良い、心の奥深くで感じる暖かな感覚、親密さ、ゆったりした時間・・・このような気持ちや瞬間を全て表すことができます。

ノルウェー人との会話の中で、Koseligという単語はよく飛び出してきます。友人の自宅で晩御飯を作って映画を観た日に、「今日はとってもKoseligだったね、ありがとう。」と言われたことがあります。
暖炉の前でホットココアを飲みながら家族と過ごしたり、友達と談笑をしたり、ふわふわのクッションに囲まれてリラックスするなど、’’心地よい、幸せな気分’’になれる瞬間全てがKoseligなのです。

  FUDGENA

 

  • どんな仕事をしているか、どんな経歴を持つかで人を評価したりはしない。いちばん大切なのは、あなたが“幸せを感じながら”過ごせているかということ。そこに置けば、人生で起きる困難な場面でも落胆することは減り、満足度の高い生活を送れるのです。 P. エドバーグ(2017)

「ヒュッゲな暮らし」

 

日本で働くフィン人が感じた違和感とは? 「『申し訳ございません。休みをいただいております。』と自動返信…休むことはどの国籍の人にもある権利だと思い直し、『休みをエンジョイしていますので、お急ぎの場合はオフィスまでご連絡ください』という定型文に変えた…」

北欧 | ヒュッゲ、暮らしの伝言\

北欧の人のお金への感覚は、「Time is money(時は金なり)」ではなく「Time makes you happy(時は幸せをつくる)」です。時間をどう使うかが、お金と同じくらい重要視されます。たとえば、家族や友人と過ごす休日、やりたいことに没頭するひとときなどの、ライフスタイルの充実が幸せをつくるのだと考えられています。日本では、会社にいる時間が長い人ほど頑張っているとみなされますが、北欧は正反対です。会社にいる時間が長い人は、効率が悪くて仕事ができない人というレッテルを貼られてしまいます。長時間労働は、労働組合からも世間からも非難されるため、健全な雇用者にとっては、長時間労働者は迷惑このうえないのです。

【Hygge】北欧の幸福概念ヒュッゲ

 

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ヒュッゲな暮らし
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私は日常的に“ブリコラージュ”を実践しています。
要らなくなったモノを寄せ集めて、新しい価値を生み出すというDIYです。それは大工仕事によらず、ガーデン作り、ハウスキープ、縫い物、果ては土木工事までに及び、多岐多様に渡って、その辺のモノを捨てずに再利用する遊び&仕事です。料理の好きな人は、あり合わせのもので、ささっと1~2品作ることがあると思いますが、それと同じ思考です。

これは一昔前には日本中の田舎に住んでいる方たちが、当たり前にやっていたことです。分業化が進む大都市では、働くことと生活が境界線を引いてはっきり分離してしまい、あらゆる専門分野から買うことで処理されるようになりました。人間の能力も特化が進み、マルチにこなす人は消えてしまいました。「これしかできない」が当たり前になった頃、DIYという新しい遊び方が出現したのです。

言葉としては新しいかもしれませんが、きっとあなたはもう、ふだんの生活の中でヒュッゲを経験したことがあるはず。だって、「ヒュッゲ」とは暮らしの中のささやかなことに幸せを見出すための、デンマーク語なのですから。M.スナベア(2017)

·ヒュッゲな暮らし

このように、北欧では押しなべて「心地いい、楽しい、ほっこり」を大切にしていることが解りました。
そして、それは「他律・追従」ではなく「自律・自尊」を貫き通す精神に裏付けられているように感じます。まさに「快三昧」の精神そのものです。
宗教・思想・イデオロギーが異なるにせよ、根っこにある、人間本来の欲求、幸せの形は世界中共通しているかもしれないということを改めて学びました。

「快三昧に生きる」【8】

→「快三昧に生きる」【10】

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