カテゴリー別アーカイブ: NEOマインド

「フィルター」が創る世界(5-3)

3.脳の報酬系

 これまでの「フィルター」を中心にしたお話で、「フィルター」が個々人の主観を成す源であることを、おわかりいただけましたでしょうか。このように、私たちは個々が頑なに、崩そうとしない「フィルター」に支配されながら、日常を生きています。ただ、皆様方もご存知のように、「人の心は変わりやすい」ということがあります。恋愛をして、「その人がいなければ生きていけない」と思い込んでいた人も、ちょっとしたことで、その思い込みが急に変化することがあります。それまでハート型の目で相手を見ていたのに、そのハートが消えて好きだった人が普通の隣人と同じように見えた。その後ハートの消えた目はそれまで見えていなかった、もしくは見ようとしなかった欠点や、ネガティブ要素が目につき、彼(彼女)のことを必要ではなくなってしまった、という経験をしたことはありませんか?

 これは「フィルター」の一部の因子が変化した(思い違いに気づいた)ことによって視点が変わり、その結果好きという感情が冷めてしまった、ということです。

 「思い込み」も「思い違い」も当人にしかわかりません。他の人から見ても昨日と今日と何ら変わらぬ彼(彼女)でしょう。どのように思い込まれ、どのように思い違いされているかなど、まったく感知できないことが多いものです。またそうなった時には、「思い違い」に気づいた彼(彼女)は、その詳細を語ることさえ必要としなくなるかもしれません。こうしてこの人間関係は崩壊することになります。つまり「思い違い」に気づいただけで、瞬時にそれまでとは異なる現実という世界ができあがる可能性があるということです。
 こんなに簡単に現実を変えるのが「フィルター」に影響された「感情」なのである、ということをくれぐれも忘れないでください。それを踏まえ今日は、「脳の報酬系」について少し触れたいとおもいます。 >> 続きを読む

「フィルター」が創る世界(5-2)

.無意識に意図を組み込む― その2潜在意識へのアプローチ

  「ストレスは当たり前」という方、それも思い込みです。その思い込みでストレスを甘んじて受けて、夜の酒場で憂さ晴らししても、解決しているとは言えません。そんな思い込みを大事に守っている方は家に帰ってもストレスを受けているのではありませんか?ストレスとは自分の外側にいる誰かが、あなたに放射するものではなく、あなたの内側の「フィルター」(思い込み、刷り込みの統合)による解釈に問題があるのだということを忘れないでください。

 要するに目的は、不満を減らし幸福感を高め、やる気UP,無意識が瞬時に拒否することなく容認できる脳を育てることにあります。不満、無気力、拒否感はそれだけで、停滞ホルモンの分泌を増強させ、ますます負のスパイラルに陥り、そこから抜け出せなくなってしまうからです。

   その原因となっている個々人のフィルターは、現実の解釈をする翻訳機(潜在意識)に、自分が作った思い込み、刷り込みの統合が原典(アプリケーション)となることによって翻訳が実行され、様々な体験の解釈が瞬時に行われるという仕組みです。いつも不満やイライラ、怒り、拒否感に襲われる場合は、そのアプリ交換をすべき、ということです。ただこのアプリケーションはネットを探して簡単にダウンロードできるものではなく、自分で作り直す必要があるためちょっと厄介な作業となります。
   しかし、アプリ交換で解釈はいかようにも変えられ、解釈次第で現実はいかようにも変えることができるのですから、これまで、積み上げて来た無用な刷り込み、思い込み(原典)を、自分の人生にとって有効な刷り込み(原典)へと、意識的に置き換えようじゃないか、ということなのです。 >> 続きを読む

「フィルター」が創る世界(4-3)

4-意識が現実を創る その3 結論

  難しい理論が続き退屈になっている方も多いでしょう。 今回は、これまでの理論をザックリとまとめてみようと思います。 概ね、天動説(2世紀~15世紀まで信じられていた)から地動説へと変わった時代(500年前)と同じ状況で、量子力学の登場により、これまでの古典力学の矛盾点を補うミクロの世界の不思議を認識する必要に駆られています。

 時間と空間が絶対であると思われていたことを最初にひっくり返したのは、アインシュタインの「一般性相対理論」でした。これによりニュートン力学の矛盾点は解決されました。アインシュタインは光の正体を探り、「光は波である」という19世紀までの常識から「光の正体は波でもあり、粒でもある」という光量子仮設を唱えました。この不思議な二重性は古典力学では絶対に説明できない大発見で、10年後に量子論を誕生させるきっかけとなりました。  わたしたちの住むマクロの世界の物質観が、ミクロの世界では適用されないということです。そして古典力学は初期状態が決まると答えが決まる決定論ですが、量子力学では答えが確率論(不確定)になります。

 日々の生活とはかけ離れた印象ですが、実は、量子力学がなければコンピューターや携帯電話など、あらゆる電子デバイスが生まれることはありませんでした。言葉を代えれば、私たちは知らないうちに量子力学の多大なる恩恵に与っているのです。原子や電子などのミクロな世界では、粒子は波の性質も併せもち、その位置は確率的にしか決めることができません。その「確率の波」を計算する方程式が、1926年にオーストリアの物理学者シュレディンガー(1887-1961)によって考案されたシュレディンガー方程式です。実際に量子力学は見事に電子の振舞いを説明し、その応用がテクノロジーの発展に大きく寄与したことは先に述べた通りです。

 1965年に朝永振一郎(1906-1979)らと共にノーベル賞を受賞したアメリカの物理学者ファインマン(1918-1988)は、こんな言葉を残しています。「量子力学を利用できる人は多いが、量子力学を真に理解している人は一人もいないだろう」。最新の研究でさえ、量子力学の本質的な疑問を明確には説明できません。「よくわからないし、未だに謎の多い不思議な理論だなあ。でもきちんと実際の世界を説明してくれるから、とりあえず使っておこう」。まるでファンタジーの物語のような、摩訶不思議なミクロの世界。これこそが、量子力学の魅力なのです。

 それまでの常識を覆す大胆な量子力学の世界観は、当時の物理学者たちにとっても受け入れがたいものでした。特に、20世紀を代表する物理学者として名高いアインシュタイン(1879-1955)は、「神はサイコロ遊びを好まない」という有名な言葉を残し、デンマークの物理学者ボーア(1885-1962)らと激しい論戦を繰り広げました。この世界のすべての自然現象は、物理学の方程式によってすべて記述できるはず――。ニュートンの時代以来、ずっとその信念に従って研究を重ねてきた物理学者たちにとって、「ミクロの世界では、未来の出来事は確率的にしか決めることができない」という量子力学の登場は、まさにアイデンティティを揺るがす一大事件だったのでしょう。 http://www.huffingtonpost.jp/kashiko/post_7838_b_5513621.htmlより引用 >> 続きを読む

「フィルター」が創る世界(4-1)

4-意識が現実を創る その1

  ニュートンの古典物理学でいう堅固な物質的対象物は、量子力学の登場によって、確率の波動的パターンの中へと溶け込んでいく。そればかりではない、これらのパターンは事物の存在の確立を表さずして、事物間の相互作用の確立を表すのである。素粒子の群れは「物」ではなく物と物との間の相互作用であり、またこれらの物質群は他の物質群どうしの相互作用であり、・・・・というふうに解されうる。原子物理学においては、最終的にいかなる「物」をも見つけ出すことはなく、つねに相互作用を持って終わるのみである。 (科学と意識シリーズ1『量子力学と意識の役割』監訳 竹本忠雄より〉 

 それまでの古い物質主義という固定観念からはとても想像できない世界解釈のようですが、実は仏教においても、「縁起」という概念でこの世界を説明しています。「あらゆるものはそれのみで実在するものではなく、他との関係〈縁〉によって生起するものである。」つまりこの世界は実体のないものである、ということです。
 それらを踏まえて考えても、現実とは実体のないものであって、これまでの解釈である堅固な固定された現実が存在していて、それを私たちが見ている。つまり誰にとっても同じ現実が横たわっている、という考え方はひっくり返さなければならない、ということなのです。
 個々の脳内に刷り込まれたフィルター&ファインダー越しに見、聞き、感じた世界はそれだけでも、独自の現実世界です。すべてが相互作用で生起し、それらが連結している世界では、観測者の存在が対象の特性を生み出しさえもする、というのです。そして、「素粒子(量子)はそもそもエネルギーであり、人が意識した時だけ物質化する」、というのも、それと同様のことなのです。100年以上かけて、世界の天才中の天才と言われている人々が、計算、実験、検証を重ねてきた結果ですから。それを「実感がないので信じられない」というのは、「地球が丸いなんて信じられない」と言うのと同じなのです。そして、今では量子脳理論と呼ばれ、記憶や意識といった脳の高度な機能の本質は量子の世界にあると考えられるようになりました。人間の「こころ」の問題は哲学や心理学、精神医学に止まらず、物理学の分野にまで及んでいるのです。私は理系分野には疎く、まだ量子脳理論のすべてを理解しているわけではありませんが、量子の非局所性と意識の非局所性を見ても意識は量子的であると理解しています。量子力学では「現実とは影のようなもの」というのです。そしてそれらすべては関係性で成り立っている、という仏教の根本原理とも重なるものです。理論物理学者、デヴィッド・トング氏は、量子力学を「最も優れた科学理論で宇宙を理解するための拠りどころです。」と述べました。少々難しい世界に入り込んでしまいました。

参考:『脳と心の量子論』治部眞里・保江邦夫 著
              ベンローズの〈量子脳〉理論 ロジュアー・ベンローズ
              量子力学で生命の謎を解く ジム・アル=カリーノ ジョンジョー・マクファデン

  軌道修正し、現実についての解釈を紐解いて見ますと、脳が色々な器官から受けた情報を総合して作り出したストーリーを現実と呼ぶのだそうです。そして、観ているものでも、必要ないものは、記憶から外す機能があり、望遠鏡を観ているような視覚の範囲しか記憶しようとしないらしいのです。 自分が安心できる空間世界をコンフォートゾーンといい、それらの世界は、過去の記憶で成り立っているというのです。自分の必要としないものは、現実には見えていない・・これをスコトーマ(心理的盲目?)といい、現実の世界は、極めて視野が狭いものかもしれません。絵を描く時、下手な人は、どうしても、描いた絵が大雑把になるのは、その辺が関与しているのか?見える現実世界の細部まで、しっかり描ける人は、それなりの才能を持っているといえるでしょう。絵描きのプロとなろうという人は、その先の”見えない世界”まで、絵に描き込めないと一流の仲間入りはできないかもしれないのです。

この世界は現実なのか?
『人間によって観測』されるまでは『この世の現実は存在しない』
の記事を紹介します。

 宇宙は、自身の存在を認識してくれる「人間の登場」を待ち続ける https://ameblo.jp/shitteokitaikoto/entry-12035683147.html
▲ 2015年06月02日の NDTV より

 

観測されるまで現実は存在しない

この世は人間が認識するまでは存在しない 今回ご紹介するニュースは最近の中でも、個人的に非常に大きなものです。 とても簡単に書けば、1970年代に量子物理学者によって予測されていた説が、実験で証明されたというもので、その予測されていた説とはこの世は、人間に観測(認識)されるまで存在しないというものです。 つまり、「そのあたりにあるすべても宇宙も何もかもが、人間が認識してはじめて存在する」ということが証明された実験ということになります。 この実験結果の論文が掲載されたのは、科学誌ネイチャーのオンライン版です。・nature Wheeler’s delayed-choice gedanken experiment with a single atom >> 続きを読む

「フィルター」が創る世界(3-2)

3意識の拡大が人生を価値あるものにする―その2

  私たちは自動的に感覚で受け止め、思い描き、感情を生み、思考する、という工程を行いながら判断と行動へつなげていることを再認識しました。その工程には“意識”が大きく関わり、各々の意識のフィルターを通して見たり、聞いたり、触れたり、味わったりしています。

そこで、まずはじめに、先回の「SIFT」に関して、読者の方から寄せられた「風鈴を知らない外国人」のエピソードをご紹介いたします。
 こんな実験があったそうです。「風鈴を知らない外国人」に日本の風鈴を聞かせ、脳や身体がどのように反応するかの実験でした。日本人の場合、風鈴を聞いて、音だけで“涼しい”と感じることはご承知の通りです。そのためか、風鈴の音を聞いただけで、脳は反応し実際に体表面温度が下がった、ということです。外国人や風鈴に馴染みのない若い人の場合は、体表面温度に変化はなかったそうです。クーラーのなかった時代の日本人はこうして風鈴の音色に風を感じ、涼をとっていたことが知られていますが、風流というだけではなく、その文化が実際に細胞にまで影響を与え、条件反射していたことを示している、と「SIFT」を読んで思い出したとのことでした。脳の「フィルター」に文化が強く影響している大変具体的な例の一つですね。

 日本人は風鈴だけではなく、セミの声、鈴虫の声などにも風流を感じていました。外国人にとってこれらは「noise」と表現され、うるさい雑音でしかないのに…文化というフィルターによって、感覚の良し悪しまで異なるということです。ただ最近の外国人は日本の風流という文化が“カッコイイ”らしく、風鈴は人気のおみあげになっているようです。また、芸術家など創造的な人たちのなかには、日本の風流や侘び寂 びに関心を示す人も少なくありません。数十年前にイギリスのブライアン・イーノ(ミュージシャン)さんが訪れていた時、彼とスタッフの方たちが寺の周囲に糸を張って風鈴のような金属を下げて、風によって奏でる音を撮って風の音楽を制作していたことがあります。お話をしましたところ、彼らは大変スピリッチュアルなマインドの持ち主のようでした。日本人は芸術家でなくても、本来的にスピリッチュアルな要素を内包している民族なのかもしれませんね。 >> 続きを読む

「フィルター」が創る世界(3-1)

3意識の拡大が人生を価値あるものにする―その1 

『SUPER BRAIN』(ディーパック・チョプラ著)より

ノーベル賞を受賞した生物学者ジェラルド・エデルマンは、脳内の神経回路の数は、10の後ろに0を百万個並べた数にまで及ぶと指摘している。既知の宇宙に存在する粒子の数の推測値が、10の後ろに79個並べた数であることを思えば、これはとんでもない数字である。
 
スーパーブレインの英雄,アインシュタインは三つの強みを育て、三つの妨げを回避した。

三つの強み・・・・リラックスすること。素直でいる事。心配しないでいること。

三つの妨げ・・・・習慣に縛られること。条件付けされていること。硬直した状態でいること。

 アインシュタインの強いモチベーションは、自然の神秘を前にしたときに感じる畏敬と感嘆の念から生まれていた。
 赤ん坊たちが確固としていて、幸福な状態でいられるのは、上機嫌で生まれているからではない。赤ん坊であろうとなかろうと、昨日の経験を更に広げていけるなら、今日という一日は、まったくの新しい世界だと言える。赤ん坊は活動を停止することもないし、時代遅れの古い条件付けに縛られることもない。前日に脳が何を吸収したにせよ、新たな地平線が開けていく場所に常に身を置いている。歩いて、話して、関わり方や感じ方を学んでいく。しかし私たちは無垢な子供時代を懐かしがるようになる。何かを失ったように感じる。赤ん坊が豊富に持っていて、私たち大人が失ったものとは何だろうか?

 精神医学者ダニエル・シーゲルによって提唱された専門用語「SIFT」は、吟味することで、感覚で受け止め、思い描き、感情を生み、思考することを意味する、それぞれの頭文字を並べた造語。

S ― Sensation(感覚・感動)
I ― Image(映像・心に描かれた姿や形)
F ― Feeling(感情)
T ― thought(思考)

 これらのバランスが保たれると、

・自分が自分らしくいられる安全な場所を創りだせる。

・その安全な場所に招かれた人も自分らしくいられる。

・自分自身について、知りたいと思う。

・否定してきた部分に目を向け、受け入れがたい真実を受け入れ、現実を直視できる。

・自分が抱える負の側面と友としてうまく付き合える。負の側面は秘密の協力者でもなく、恐ろしい

 敵でもない。

・罪悪感や羞恥心を正当に評価して癒すことができる。

・より高い目的意識が芽生える。

・希望を持っている。

・他の人のために何かしたくなる。

・より高次の現実像が、現実的で実現可能に思えてくる。

 人は何よりもまず、意識的でいるために脳を使う。中には、自分の意識を他の人よりもはるかに上手く使いこなす人もいる。英雄として紹介したい内面的成長の達人たちは、どこの生まれであろうと、みな人類の精神的指導者たちである。なかでもブッタは際立った英雄であり、人間の完成された姿を体現する成人、賢者、リーダーの象徴ともいえる存在である。人生の意味を考えながら生き、最高の価値を求めるに至る。価値は内ら生じ、俗世の域をえる。五感に流れ込む情報には意味がない。

 旧石器時代の洞窟に住む人々や昔の狩猟者や採集者たちの短くも過酷な人生について調べていくと、彼らの脳に、計算力、哲学や芸術を生み出す力、高度な理性が備わっていたことは疑いようがない。人にはこうした能力がすでにあった。そしてブッタはさらに、私たちが人生の意義を知りたいと願いさえすれば、人にはまだまだ秘められた力が眠っていることを教えてくれる。

 その鍵を握るのが、意識を広く持つことである。 >> 続きを読む

「フィルター」が創る世界(2-1)

脳は自ら再配線する―その1

 先回までで、「脳は意識で操られる」ゆえに「感情は自己責任‼」ということを認識できました。

では、どのように操られているのか?

『SUPER BRAIN』(ディーパック・チョプラ著)より

 ジャン=ジャック・ルソーは1700年代半ばに、自然はよどむことがなく、機械のようなものでなく、生き生きとした動的存在である、と論じた。さらには、脳は経験に応じて絶えず再構築される、と提唱していた。その趣旨と目的に応じて変化するための適応能力が備わっているとする彼の主張は、脳の柔軟性と可塑性(環境に応じて柔軟に変化する)を認めた最初の宣言だったのかもしれない。

 20世紀の半ば、米国人心理学者カール・s・ラシュレーによって、その証拠が示された。ラシュレーは、ラットを訓練した後、そのラットの大脳皮質を少しずつ除去していく実験を行った。大脳皮質の90%を除去してもラットは以前の学習を記憶しており、迷路内の餌を探し出すことに成功したのだ。ラットは五感に基づいて多種多様なシナプスをたくさんに生み出していたのだ、つまりラットは迷路内の餌に至る道筋をただ「見て」知っていたわけではなく、臭覚、触覚も働かせていたのだ。大脳皮質が少しずつ除去されたとき、脳は新たな突起(軸索)を発芽させ、別の感覚を生かすために新しいシナプスを形成し、ごくわずかでも残された手がかりがあれば利用したと考えられる。 >> 続きを読む