意識のちから

反応を選択する力

“情けない”は自分で選んだ感情だった

    「骨折して気づいたこと」の第2弾です。

  第1弾では、突然身体機能の一部に障害を受け、制限されたことによって、普段は忘れていた生命機能が見えるようになり、「こうして人は動いているのか、こうしてバランスが保たれているのか」を気づかされ、生命の機微に改めて驚き、命という自然に対する畏敬の念をしみじみ感じている状況をお話ししました。
 それでも、紙おむつの世話になったり、思うように動けない、眠れないなどを、どこかで情けないと感じていた私なのですが、ふと気づくとその感情は自分が選択したものではないか?という想いに至りました。

 そうなんです、私を条件付けるあらゆる状況への反応は私自身が選択しているのです。つまり、“情けない”ではなく“嬉しい”を選択することだってできるのです。      現に眠れない夜が続いているとき、眠らないように指示していたのは私の意識です。眠ると筋肉が緩み過ぎてちょっとの動きが刺激となって、耐えがたい痛みに襲われるのが怖かったからです。 それを工夫して、1時間半睡眠を編み出し、背を上げたV字型姿勢でいつでも足をベットから降ろせる状態で寝るのですが、それがとても気持ちよく眠られる方法でした。一度起きるとトイレに行きたくなり、トイレに行くと確実に目が覚めます。目が覚めたら椅子で本を読んだり、TVをつけたり、また眠くなるまで時間を過ごします。そうやって完全に筋肉が緩む前に交感神経を刺激することで筋肉は半緊張状態を保てるようで、私はそれを発見したとき嬉しくて、有難くて、以後は動き始めに痛みが起きても、絶叫するほどまでには至らず、感謝、感謝の状況になりました。

 昼間も睡眠が足りなければ、同じことをしてできるだけ一日の睡眠時間を保てるようにしました。そのころから、痛みで忘れていた「楽しい」という感情が戻ってきたのです。

 自分の身に起こったことは、その出来事の反応によって、辛くなったり、みじめになったり、閃いたり、学んだりする。そのどれを選ぶかの能力が自分にはあるのだ、ということを気づかされました。この体験は私にとって私を構成している無意識層へ大地震を起こし大きな転換を果たすこととなったのです。人は厳しい状況に置かれると、全く新しい視点から世界を眺めるようになる。困難に直面したときにこそ、パラダイムシフトは起こる。 それを実感する体験で、私も大きな収穫と化すことができました。

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