「フィルター」が創る世界(4-1)

4-意識が現実を創る その1

  ニュートンの古典物理学でいう堅固な物質的対象物は、量子力学の登場によって、確率の波動的パターンの中へと溶け込んでいく。そればかりではない、これらのパターンは事物の存在の確立を表さずして、事物間の相互作用の確立を表すのである。素粒子の群れは「物」ではなく物と物との間の相互作用であり、またこれらの物質群は他の物質群どうしの相互作用であり、・・・・というふうに解されうる。原子物理学においては、最終的にいかなる「物」をも見つけ出すことはなく、つねに相互作用を持って終わるのみである。 (科学と意識シリーズ1『量子力学と意識の役割』監訳 竹本忠雄より〉 

 それまでの古い物質主義という固定観念からはとても想像できない世界解釈のようですが、実は仏教においても、「縁起」という概念でこの世界を説明しています。「あらゆるものはそれのみで実在するものではなく、他との関係〈縁〉によって生起するものである。」つまりこの世界は実体のないものである、ということです。
 それらを踏まえて考えても、現実とは実体のないものであって、これまでの解釈である堅固な固定された現実が存在していて、それを私たちが見ている。つまり誰にとっても同じ現実が横たわっている、という考え方はひっくり返さなければならない、ということなのです。
 個々の脳内に刷り込まれたフィルター&ファインダー越しに見、聞き、感じた世界はそれだけでも、独自の現実世界です。すべてが相互作用で生起し、それらが連結している世界では、観測者の存在が対象の特性を生み出しさえもする、というのです。そして、「素粒子(量子)はそもそもエネルギーであり、人が意識した時だけ物質化する」、というのも、それと同様のことなのです。100年以上かけて、世界の天才中の天才と言われている人々が、計算、実験、検証を重ねてきた結果ですから。それを「実感がないので信じられない」というのは、「地球が丸いなんて信じられない」と言うのと同じなのです。そして、今では量子脳理論と呼ばれ、記憶や意識といった脳の高度な機能の本質は量子の世界にあると考えられるようになりました。人間の「こころ」の問題は哲学や心理学、精神医学に止まらず、物理学の分野にまで及んでいるのです。私は理系分野には疎く、まだ量子脳理論のすべてを理解しているわけではありませんが、量子の非局所性と意識の非局所性を見ても意識は量子的であると理解しています。量子力学では「現実とは影のようなもの」というのです。そしてそれらすべては関係性で成り立っている、という仏教の根本原理とも重なるものです。理論物理学者、デヴィッド・トング氏は、量子力学を「最も優れた科学理論で宇宙を理解するための拠りどころです。」と述べました。少々難しい世界に入り込んでしまいました。

参考:『脳と心の量子論』治部眞里・保江邦夫 著
              ベンローズの〈量子脳〉理論 ロジュアー・ベンローズ
              量子力学で生命の謎を解く ジム・アル=カリーノ ジョンジョー・マクファデン

  軌道修正し、現実についての解釈を紐解いて見ますと、脳が色々な器官から受けた情報を総合して作り出したストーリーを現実と呼ぶのだそうです。そして、観ているものでも、必要ないものは、記憶から外す機能があり、望遠鏡を観ているような視覚の範囲しか記憶しようとしないらしいのです。 自分が安心できる空間世界をコンフォートゾーンといい、それらの世界は、過去の記憶で成り立っているというのです。自分の必要としないものは、現実には見えていない・・これをスコトーマ(心理的盲目?)といい、現実の世界は、極めて視野が狭いものかもしれません。絵を描く時、下手な人は、どうしても、描いた絵が大雑把になるのは、その辺が関与しているのか?見える現実世界の細部まで、しっかり描ける人は、それなりの才能を持っているといえるでしょう。絵描きのプロとなろうという人は、その先の”見えない世界”まで、絵に描き込めないと一流の仲間入りはできないかもしれないのです。

この世界は現実なのか?
『人間によって観測』されるまでは『この世の現実は存在しない』
の記事を紹介します。

 宇宙は、自身の存在を認識してくれる「人間の登場」を待ち続ける https://ameblo.jp/shitteokitaikoto/entry-12035683147.html
▲ 2015年06月02日の NDTV より

 

観測されるまで現実は存在しない

この世は人間が認識するまでは存在しない 今回ご紹介するニュースは最近の中でも、個人的に非常に大きなものです。 とても簡単に書けば、1970年代に量子物理学者によって予測されていた説が、実験で証明されたというもので、その予測されていた説とはこの世は、人間に観測(認識)されるまで存在しないというものです。 つまり、「そのあたりにあるすべても宇宙も何もかもが、人間が認識してはじめて存在する」ということが証明された実験ということになります。 この実験結果の論文が掲載されたのは、科学誌ネイチャーのオンライン版です。・nature Wheeler’s delayed-choice gedanken experiment with a single atom

 

 ただ、上のネイチャーの論文タイトルの「単一原子とホイーラーの遅延選択思考実験(ゲダンケン・エクスペリメント)」というのを見ただけでもおわかりのように、今回は内容は本当に難しくて、これを紹介していた報道記事をご紹介しようと思うのですが、何度読んでも意味があまりわかりません。 本当は昨日、今回の記事をアップするつもりでしたが、翻訳が全然できなくて今にいたります。 まあ、一応翻訳したという程度で、内容はおそらくは、物理学的にはまったく間違っていると思いますが、その内容を理解するために、いくつか読みましたサイトをまずご紹介したいと思います。 まず、今回の実験の名称は、すでに 1978年に理論付けされていまして、「ホイーラーの遅延選択実験」という、ジョン・ホイーラーという物理学者が提唱したものです。 このジョン・ホイーラーという人は、

ジョン・ホイーラー – Wikipedia アルベルト・アインシュタインの共同研究者として、統一場理論の構築に取り組んだ。そして、一般相対性理論、量子重力理論の理論研究で多くの足跡を残した。1960年代には、中性子星と重力崩壊の理論的分析を行ない、相対論的天体物理学の先駆者となった。 宇宙の波動関数を記述するホイーラー・ドウィット方程式は、量子重力研究の先駆的成果の一つである。また、ワームホール(1957年)や、ブラックホール(1967年)の命名者でもある。 と、いろいろとしていた方のようですが、この経歴を見る限り、量子学の足がかりを作った一人であるようです。

ジョン・ホイーラー( 1911年 – 2008年)
John Wheeler’s Interview
そして、この物理学者が 1978年に「この実験で、あることが証明されるはずだ」と予測した実験が「ホイーラーの遅延選択実験」というもので、この実験で証明されることは、

「この世は人間に記録(観測)されるまでは存在しない」ということだというのです。 これに関しては、ホィーラーの遅延選択実験というページに、理論物理学者で、早稲田大学名誉教授の並木美喜さんという方が記した『量子力学入門』という書籍の内容が記されています。

観測されるまで現実は存在しないことを量子実験が確認

“オーストラリア国立大学(ANU)の物理学者 ジョン・ホイーラーの遅延選択思考実験と呼ばれる実験を行った。
 
それは粒子の様に動く、あるいは、波動のように動く選択権を与えられている移動物体に関しての実験だ。ホイーラーの実験はその後、どの時点で物体が『それが波動か粒子か』を決定しているのかを問う。常識的には私たちがそれを観測する方法がどのようなものであろうと、その物体が波動のようなものか、粒子のようなものかということは、それぞれ最初から物体として独立していて、測定法と、その物体が何かということは無関係だと言える。
 ところが、量子物理学者たちは、あなたたちが、その物体を波動の挙動(干渉)、として観測するか、粒子の挙動(無鑑賞)として観測するかによった、その最終的な実際の観測記録が違ってくると予測してきた。そして、この予測について、オーストラリア国立大学のチームが実験で証明することに成功したのだ。オーストラリア国立大学の物理学工学研究所のアンドリュウー・トラスコット准教授は、「この実験は観測がすべてであることを証明しました。量子レベルでは、あなたがそれを見ていないのなら、それは存在しないということになります。と述べる。

 この実験の結果は、非常に小さなものに支配されているとする量子理論の妥当性を確認することになる。そして、この理論はLED,レーザー及びコンピューターチップなどの多くのテクノロジーの開発を可能にしてきた研究者たちは言う。

オーストラリア国立大学のチームが成功した今回実験は、ホイーラーがこの実験を提唱した1978年には、実験を行うことがほぼ不可能と思われていた。

 トラスコット准教授のチームの実験は、最初に「ボース=アインシュタイン凝縮」として知られる停止状態の中で、ヘリウム原子の集合体によって物体が細くされ、それらは、最後の単一の原子が残るまで排出された。単一の原子は、そのご、対抗伝搬レーザー光を介して落下した。これは、個体の格子が光を散乱するのと同じ方法での格子パターンを形成した。そぼ軌跡を再結合するために第2の光格子をランダムに加えると、これは、建設的に、あるいは、破壊的な干渉へとつながった。

 第2の光格子が加えられなかった場合には、干渉は観察されなかった。それは、あたかも、原子が一つの軌跡の身を選択したかのようだった。しかし、原子が交差点を通過した後、格子が追加されたかどうかを決定する優位つの乱数が生成されたのだ。トラスコット准教授は、「原子は特定の軌跡を取り、あるいは、将来の記録が原子の軌跡に影響を与えることを受け入れた、ということになります。」と語る。

「原子は、AからBへと旅をしたのではないのです。彼らはその旅の最後に、それらが波動か、あるいは粒子か、どちらかの振る舞いが観測されたときに、初めてかれらに、それが波動か、あるいは粒子かという存在がもたらされたのです」と准教授はのべた。

 この実験結果は、科学誌ネイチャーに掲載されている。”

要するに、後半に書かれてあることは、原子は、観測された結果があったときに、はじめてその物質の特性が決まる、ということだと思います。ということは、物質は「観測されるまでは特性がない(つまり存在しない)」ということになることを、この実験は導いたようです。しかし、今の社会(唯物論的な理論で構築されている社会)で、私たちはこのような見解を信じることは難しいです。あるいは、ツジェフスキー博士が言うように「私たちに残された、かすかな「破局の回避」の可能性のために・・・」というような未来があったとする場合、私たちの宇宙への認識もまた変化して、その場合、それはもう創造も絶する素晴らしい宇宙が出現しそうな気もします。自由な人間の認識に基づいた「変幻自在な宇宙」です。そして、これが弥勒の世界というものかもしれないということにも気づきます。

https://www.youtube.com/watch?v=6Faylw2tiRg 動画より

 

 

Comment

野宮

いろいろ調べていたんですね。
最新の物理学(量子力学から超ひも理論まで)、易しい解説書をみても
なかなか理解ができない私にとっては、この解説はよくわかります。
「光が時間をさかのぼる⁉」遅延選択実験のことも、このUP記事で少し
理解への手がかりをつかめたような気もします。

返信
myosho

拙い説明がお役に立てて嬉しいです。私もよき支えとなっています。ありがとうございます。

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