「感情」は自己責任‼ 4-6

 

 潜在意識の「癒し効果」を分析し、脳や遺伝子の活動を医学的成果に結びつけた例を見てきました。このことは私たちのこれまでの常識を大きく塗り替えるものと言えます。こうして科学が宗教の得意分野まで解明してくれたことで、私たちは神秘に包まれていた超越的存在のベールを一つ一つはがしてゆくことができます。超能力者と思われていた宗祖たちも、おそらく瞑想の実践によって開発され、その能力開発の可能性を我々凡人に伝えようとしていたのだろうと考えられます。
 つまり、脳を鍛えることによって人間の可能性が高まり、より進化を遂げる大きな要因ではないか、ということを示唆しています。それはある宗教に限定されたり、特別に選ばれた人ではなく、万人に等しく可能性が秘められていることを意味しているのです。

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『ヒマラヤ聖者の生活探求』はベアード・T・スポールディング(地球物理学者)によって書かれた報告書です。1884年、極東を訪れた11人の調査団の一人として、3年半にわたりヒマラヤの大師がたの生活を目の当りにして、実際に見聞きしたことを述べている本です。昭和44年9月25日が初版、『霞ヶ関書房』刊です。原著は、1937年のようです。

その内容は、人間が本来的には無限の能力を秘めているということを全5巻によって語られています。

  何百歳という聖者の存在と、その聖者たちによる信じられないような出来事の数々を紹介しています。私がその本を読んだのは30年以上前のことでしたので、まるで信じられませんでした。
 彼らもまた瞑想によって獲得した能力なのでしょう。30年の歳月の後、私自身も瞑想を重ねるなかで、こんな落第坊主でさえも、確かに潜在意識に変化をきたし、怒りは静まり、ストレスは激減し、直感、閃き、集中力といった、それ以前にはなかった能力と健康な身体を手にすることができました。200歳、300歳という寿命も不可能ではないこと、そしてまた本に描かれている大師がたの数々の超常現象も、もしかしたら可能なような気がしています

潜在意識の神秘なる力の解明がされた今、ハーバート・ベンソンが言うように、医学的進化とともに、人間の統合システムへのアプローチが、すべての人々に可能であることを認識すると同時に、学力、体力に加え、そのような訓練を早くから身に付けることで、医療費拡大の波に寄与できるかもしれないのです。

 人間の無限なる潜在能力への期待がますます高まると同時に、それを活用しない理由はなく、潜在意識への興味は深まるばかりです。】

 

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・ひらめき

アラン・スナイダー(シドニー大学真理研究センター所長)オーストラリア

 トレードマークは彼がシンキングキャップとよぶ帽子。「電車に乗ろうとしたら、一人の少女が、帽子を差し出し、あなたにすごく似合うそうだから上げる、と言ったんです。それ以来ずっとかぶっています」

コメディアンのような風貌のスナイダーですが、人間の問題解決能力について真剣に取り組んでいます。
「私たちの頭脳は、物事を概念で分類するのが得意です。部分ではなく全体、一本一本の木ではなく森を見ようとします。でも世界中のあらゆる情報の一つ一つに直接アクセスできるとしたらどうでしょうか」
 スナイダーは誰もがそのような認識力を使えると信じています。実際に使っている人たちが」いるからです。
 自閉症は社会性やコミュニケーション能力に影響を及ぼす発達障害です。しかし自閉症の人のおよそ10%は、「サヴァン症候群」で、数学や記憶、芸術などの分野で並外れた能力を発揮します。
 自閉症サヴァンの人は、全体ではなく部分を観る特別な能力があります。一つ一つの細かい情報に無意識にアクセスできるのです。意識的な認識能力では及びもつかない領域です。天才に必要な要素だと言えます。

スナイダーは自閉症サヴァンの人の脳に特徴的なパターンを見つけました。左側頭葉の機能障害です。この領域が規制概念と関係していて、その障害を右側頭葉が過度に補うことで特別な能力が生じるのではないかとスナイダーは考えています。そうした能力を誰もが持つことはできないかと考えたスナイダーは、ある装置を開発しました。                      サヴァンの人の脳の活動パターンを再現  するものです。

 

 

 

tDCS 経頭蓋直流電気刺激装置 
「この装置が上手く機能すれば、普段なら四苦八苦する問題も解けてしまいます。マッチ棒で作るローマ数字の数式です」ただし、そこには間違いがあります。

 一本だけマッチ棒を動かして、その間違いを正してください」10を現わすXを5を現わすVに変えれば正解です。
  Ⅰ+=Ⅳ
これと同様に問題が続きます。被験者は次々と問題を解いて行きました。                     Ⅺ=Ⅺ+Ⅺで行き詰まり解けません。

 ここで、装置の出番です。この装置は右脳に微弱な+の電流を、左脳に-の電流を送ります。tDCS(経頭蓋直流電気刺激)と呼ばれる手法です。ここではサヴァンの人の脳に見られる活動パターンを誘発するのが目的です。

「どんなかんじですか?」
「チクチクします」

tDCSの刺激を受けて、マッチ棒の問題に再挑戦です。するとすぐに正解をだしました。

「正解です。これは考え方が固定化されてしまった一例です。人間はどうしても固定概念で物事を見てしまい、細かい部分には目を向けようとしません。しかし、tDCSの刺激によって新たな解決法を見出すことができました」

 スナイダーの装置が一時的に被験者の脳の働きを変え、サヴァンの人たちに近い能力を与えたようです。

「この装置を誰もが利用する日がくれば、固定概念に捉われず、新しい視点で世界を見ることができるはずです」 

NEUノイsolution”という私のサイト名は、このような観点から名づけたもので「視点を変えた新しい解決策」という意味なのですが、ちょっと自慢したい思いです。

 スナイダーの、「固定観念を変える」というアイデアは、強く共感する部分です。この固定観念こそが、度々のテーマとなっている「フィルター」に相当するものです。このようにして新しい視点を持つことができれば、天才に近づくのも難しくないばかりか、常に自分の脳内をフリーにしながら、ジャンプできるという無限の世界を手にすることができるかもしれません。「フィルター」を変えることは難しいという「固定観念」も簡単に変えられそうです。

 それは私たちがこれまで超越存在として仰いできた存在に少しずつ近づいていることを意味しています。いえ、すでに超越存在は必要なくなりつつあると言っても過言ではないと言えそうです。】

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