「感情」は自己責任‼ 4-4・4-5

4-4
・潜在意識のネイティブ言語
 ボディーランゲージ、それは潜在意識のネイティブ言語です。身振りや声の調子で私たちは絶えずそれとなく意思表示をしています。それが周りに大きな影響を与える場合もあります。この言語を解読することで新しいコミュニケーションを確立することができるとしたら?
 人間は常に意思を伝えあっています。実際のおしゃべりはもちろん、最近では
SNSやメールでもやり取りが盛んです。
                  情報工学者 アレックス・ペントランド(マサチューセッツ工科大学)は、こうした従来のコミュニケーションを超え、新たな視点に立って人間同士をつなごうとしています。彼にとって重要なのは言葉ではありません。もっと原始的なコミュニケーション手段、彼はそれを‟正直シグナル“と呼んでいます。
「類人猿は高度な言語をもっていませんが、意思を通わせ決定を下しています。同じように人間も身振りや合図によって非言語的なコミュニケーションを交わし、社会的な意識を伝えています。これが‟正直シグナル“の一例です。意識的ではなくても人間同士の付き合いには大きな影響を与えています」 ペントランドは人間の集団の中で無意識のシグナルがどのように伝わるかを調べるための、特別なツールを開発しました。それは‟ソシオメタリックバッジ”です。
「声の調子を測定し、「何を」ではなく「どう」話しているかを分析します。ボディーランゲージの測定もある程度可能です」
 8人の大学院生に協力してもらい、このバッジを利用した実験が行われました。 「これは、ある課題を行うために、君たちがどうすれば協力しあえるかを観る実験です。課題は漫画のバラバラのページをそれぞれが持ち、互いに見せずに正しい順番に並べるものです。正しい順番に並べるためには自分のページを他の人に上手く説明しなくてはなりません。実験の間バッジは常に身に付けておいてください」
「変な宇宙船みたいのがいる」
「わー!爆発してる」
「他のシーンをもっている人に言っておくけど、火炎放射器は役にたたないよ」学生たちが課題に取り込んでいる間、ソシオメタリックバッジが彼らの無意識   の行動を記録し続けます。
「波形の多くは無意識にやっていることや特に集中してやっていることを示しています。これらがグループの生産性に大きな影響を与えています」
明確なゴールはありますが、ペントランドが見たいのは結果ではありません。「話の内容に気を取られがちですが、この実験において本当に重要なのは情報の流れです」
「誰が誰に話しかけているか示す図では、それぞれがどれくらい会話に参加しているかを示しています。みんなが情報を共有できるかどうかにかかわることなので重要な要素です」
「それぞれがいかに会話を推し進め、引っ張っているのかがわかります。一人が突出して支配的な力を発揮するのは好ましくありません。全員に同じくらいの発言をしてほしく、今はその通りになっています」ペントランドは話し手の声の調子と説得力の関連にも気づきました。

「実践タイプのカリスマは自分の意見や影響を説得力をもって伝えることができます。しかし一人のリードだけでは不十分で、いい結果を出すには全員の貢献が必要です。一人ひとりの貢献の大きさと、バランスが重要になります。
「では、自分のストーリーを手短に話してボードを裏向きに置いてください、最後にボードを表に返して結果をみましょう」結果は100%正解でした。研究としては、参加者の生産性を90%の制度で特定できました。他の人の把握、自分の伝え方、つまり社会的知性が無意識に働いていることがわかりました。
 潜在意識は見えないところで常に働いています。潜在意識なしでは一日も無事に過ごすことはできないでしょう。そこには更なる力が秘められているかもしれません。一部の科学者は潜在意識に入り込むことで、身体を癒し、思考力を広げることができると考えています。薬に頼らずストレスの影響を改善できる方法があったとしたらどうでしょうか?鍵は自分の心の中にあるかも!

4-5
癒しは自分の

心の中に「無意識が薬の役割を果たせる」

ボストンの医師ハーバート・ベイソン(ベンソン・ヘンリー心身医学研究所)はユニークな考えを持つ科学者として知られています。病気は肉体的な問題であるのと同じくらい、精神的な問題であると主張しています。「精神の力をもっと発揮することができるはずです」

 1980年ベイソンはチベット仏教の瞑想について研究するため、ヒマラヤに向かいました。標高4500m以上の場所にある寒い僧 院で、僧侶たちは冷たく濡れたシーツに身を包み「トゥモヨガ」という瞑想法を実践していました。この瞑想法によって体内の温度は正常に保ちながら皮膚の表面温度を8度以上も上昇させるのをベンソンはまのあたりにしたといいます。

 「トゥモヨガは否定的な考えを捨てるために実践する瞑想法です。その副産物として体温が上がります。身体を覆うシーツは、氷のように冷たく濡れていましたが、体温の上昇によって乾いてしまいました。湿ったシーツから蒸気が上がるのさえ見えました。このような現象がなぜ起きるのかまだ正確にはわかっていません。しかし瞑想が体温を調節する脳の部位に直接働きかけるためではないかと推測されています。
 瞑想によって体温を上げられるなら、脳の力で現代的なストレスから生じる病気を治せるのではないかと、ベンソンは考えました。
 ベンソンは本能的な「闘争・逃走反応」からストレスが生じると考えています。この反応は、脳の辺縁系がホルモンを大量に分泌することで始まり、副産物として細胞に炎症が生じます。細胞が長期にわたって炎症を起こすと、心臓病や関節炎、炎症性腸疾患など様々な病気を引き起こします。

  ベンソンはストレスを克服する8週間のセラピープログラムを開発し、そこに一日15分の瞑想を含めました。そこから生じるものを「リラクゼーション反応」と呼んでいます


 

 

大脳辺縁系 の 主な役割 ( 機能 )

皮質/辺縁系・部位名

 役割

 役割

皮質

前帯状皮質

血圧、心拍数、報酬予測、意思決定、共感、情動 といった認知機能に関与。

本能や 自律神経、 記憶を司る。 (感覚的思考) 

大脳辺縁系  

帯状回

呼吸器の調節、意思決定、共感、感情による 記憶に関与。

扁桃体

恐怖感、不安、悲しみ、喜び、直観力、痛み、記憶、 価値判断、情動の処理、交感神経に関与。

海馬

目、耳、鼻からの短期的記憶や情報の制御。 恐怖・攻撃・性行動・快楽反応にも関与。

海馬傍回 

自然や都市風景など場所の画像のような 地理的な風景の記憶や顔の認識に関与。

 側坐核

  快感を司っています。(GABAの産生が最も主要)

http://www.akira3132.info/limbic_system.html より引用

 リラクゼーション反応を誘発すると脳内に静けさが生まれます。脳の画像検査でおノイズが減少し、脳細胞そのもその活動も抑えられます。

 ベンソンは8週間のセラピーを終えた人から採血し、細胞の炎症を制御する遺伝子の活動に変化があるかどうか調べました。

「採血した血液を測定器にかけて特定の遺伝子の働きがONになっているかOFFになっているかを調べます。例えば体の炎症性免疫プロセスを制御する遺伝子です。赤ならON,緑ならOFFです。セラピー後に調べると赤だった部分が緑になっています。明らかな変化です。リラクゼーション反応を起こすことで遺伝子の活動が変化するんです」

 この研究は脳に潜む無意識の力を医学的な成果に結び付けた例だと言えるでしょう。

「わたしたちは遺伝子レベルで機能する有効な治療法を確立しようとしています。今後はもっと活用されることになるでしょう。科学的な理由というよりも経済的な理由からです。外科手術は勿論、薬と比べて安上がりですからね―」

 無意識が薬の役割を果たせるなら他にも日常的な利用法があるのではないでしょうか?一つの答えを出した科学者がいます。次回へ続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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