2022年3月

世界観のスペクトル

包括的視点の重要性

 歴史とは、ただ、起きた物事の記録だけではなく、人類の成長の記録とも言えます。その意味においては「世界観のスペクトル」という観方もできるのではないでしょうか。

『インテグラル理論』をバックボーンとする『ティール組織』(フレデリック・ラルー 英知出版 初版2018年)が、世界でベストセラーになり、日本でも、その提唱者ケン・ウィルバーの思想が注目されるようになっています。

ケン・ウィルバー(Ken Wilberは、トランスパーソナル心理学者であり文明思想家である。広範な知を統合してきた業績から「意識研究のアインシュタイン」と呼ばれています。

日本で出版された『インテグラル理論』の原題はA THEORY OF EVERYTHIGです。日本語で「万物の理論」。この世界に生じる全ての現象を包みこんで説明できるように「統合」するのが「万物の理論」です。

『インテグラル理論』については、別の機会にふれることにして、今回はケン・ウィルバーの意識研究の枢軸となっている意識をスペクトルとみなすという論理から、世界観の移り変わりの歴史を一つのスペクトルとみなす考察を試みました。日本において、こういった考え方の代表は『密教』、特に空海の思想に近いものがあります。

 スペクトルとは

スペクトル(英語: spectrum)とは、複雑な情報や信号をその成分に分解し、成分ごとの大小に従って配列したもののことである。2次元以上で図示されることが多く、その図自体のことをスペクトルと呼ぶこともある。様々な領域で用いられる用語で、様々な意味を持つ。現代的な意味のスペクトルは、分光スペクトルか、それから派生した意味のものが多い。

参照: ja.wikipedia.org/wiki/スペクトル

「東洋的」、「西洋的」と呼ばれる人たちは、互いに異なった言語、方法論、論理を用いているため、自分たちが全員、まったく同一のスペクトルの異なった帯域、あるいはレベルにのめりこんでいることに気づいていない。互いに互いが誤っているとする論争は、各人が別々のレベルから一つのスペクトルについて語っていることを認識することによって、はじめて解決される。
(ケンウイルバー著「意識のスペクトル」より)

プーチンによるウクライナ侵攻、精神異常者ではないかというほどの徹底的蛮行は、戦争犯罪と世界中から非難を浴びながら、益々エスカレートしています。 >> 続きを読む