2022年2月

脱・ヒエラルキー思考 2

「自分の国や社会をかえられると思う』と考える若者」が他国に比べ、あまりにも低い数字に開いた口が塞がらないほどです。

日本は、このように社会とか、政治にあまりにも無関心であるとともに、自己の人生を、御上任せにしてしまっている原因が、「御上意識」「親方日の丸」観念にあるように思われます。

「自分の力など及ぶところではない」ということなのでしょう。

本当はそのような思考は、昭和生まれの中年以降の特許のはずです。
若者はそんな世界観を嫌って、「自分らしさ」の自由を選択しているはずです。

政治に期待できないことは解りますが、政治以外のやり方でも社会は変えられる、ということもあるはずです。 

衆院選2021 若者の投票状況を他国と比較してみると? 際立つ日本の低投票率

2016年の参議院議員選挙以降、3回の国政選挙で10代有権者が投票してきました。


図表2_年齢別投票率の比較

この間10代有権者の投票率は右肩下がりとなっています。例えば18歳有権者の投票率は、51.17%(2016年参院選)→50.74%(2017年衆院選)→35.62%(2019年参院選)、19歳有権者の投票率は39.66%→32.34%→28.83%と推移しています。

図表2では、G7のうちイタリアを除く6か国の年齢別投票率を比較しています。
総じて各国とも若者世代の投票率が低く、年齢を重ねるほど投票率が高くなっていることが確認できます。

日本の特徴としては、年齢の低下に伴う投票率の減少幅が他国よりも大きいことや、75歳以上の世代の投票率が大きく減少していることがあります。

日本では18歳~24歳世代の投票率は65歳~74歳の世代に比べて約40%低下していますが、次に低下幅が大きいアメリカやイギリスでは25%程となっています。やはり日本の若者は他国よりも投票に参加していないことが強調される結果となります。

若者が投票をするための環境、サポートはこれまでよりも充実しています。
でも、いざ投票しようとすると、様々な壁があります。

例えば、「シルバーデモクラシー」。
少子高齢化が進む中で有権者に占める高齢者の割合が増し、高齢者層の政治への影響力が増加する(=若者を含む他の世代の政治への影響力が減少する)ことを指す用語ですが、この言葉を目にして「だから投票しても仕方がない」と投票する気持ちをくじかれてしまっている人もいるかもしれません。でも、「日本に暮らしている18歳~29歳(約1,495万人)の4割の人は自分たちが投票に行くことでシルバーデモクラシーを回避できる」と言われるとどうでしょうか。
他の世代に比べて政治に参加しづらい思いをしているのは、きっと他の国の若者たちも同様です。でも、自分たちが暮らす社会を二分するような問題に面する中で、アメリカもイギリスも若い世代が一歩を踏み出して、投票により多く参加するようになっています。

院選2021 若者の投票状況を他国と比較してみると? 際立つ日本の低投票率(原口和徳) | 日本最大の選挙・政治情報サイトの選挙ドットコム (go2senkyo.com)

このような現象は、日本風土の「ヒエラルキー依存」が原因ではないかと思うのです。

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脱・ヒエラルキー思考 1

 先日『徹子の部屋』に上沼恵美子さんが出演していました。

いつも自身の番組では、ゲストの方々にマウントやお世辞、忖度を駆使し、優位性を測る行動を基本にしている方だという認識はありましたが、今回の『徹子の部屋』での徹子さんへの対応は、まるで神様扱いでした。

ご自身の仕事について、そろそろ辞めようかと「どうしたらいいでしょうか?徹子さんのおっしゃる通りにします」と。

いつもの態度とは大違いに、大きな身体を小さく畳んだ姿勢。
「まだ、お若いんですから、お続けになれますよ。そうなさったらいいんじゃないですか」と丁寧な徹子流の対応に、拝むように「ありがとうございます」を返す彼女の言葉には、賛美の嵐が加わり、あまりにも強烈なヒエラルキー主義・思考を感じて違和感さえ覚えました。

でも、このような場面は古い日本風土では当たり前のように見られる状況です。

このように私たちの脳には強い「ヒエラルキー思考」という羅針盤(心のコンパス)が自動的に働いていつもピラミッドのどの位置に居るか?相手は自分よりも上に居るか下に居るか?という想いが無意識に働いてしまうのです。 >> 続きを読む