NHK BS1スペシャル「コロナ新時代への提言3 それでも、生きてゆける社会へ」
BS1スペシャル コロナ新時代への提言3 それでも、生きてゆける社会へ 山口周 斎藤幸平 磯野真穂
斉藤;
なぜ 私は マルクスのような 思想家を 読んで いるか ?
マルクスは 根本から問う。
ラジカルに問うことをしている、つまり 「豊かさ」とは そもそも何か?を 問わずして この問題は考えられない。私たちは 資本主義的に「豊かさ」を前提としてしまえば、 当然経済成長してゆくことが 「豊かさ」の前提になるが マルクスにかえると 資本主義の「豊かさ」という前提そのものを問うことになる。
例えば、例えば 子育て において 1人 何千万かかると 数値で言われると すぐにソロバンをはじいて、 1人ならなんとか 育てられるかもしれないけど 2人は厳しいなー とか、 あるいは 今多くの人たちの間では, 一人を育てることさえも 都心部では 厳しいといわれている。子供を持たない選択をするカップルも増え 少子化が問題になっている。
そういう社会が 豊かなのか、 私たちはこの社会に 充分な食料が存在してないからという理由で 子供を持たない選択をしているわけではなく、 食料 電力 など 充分有り余るほどあるにも関わらず、 ただお金がない という理由で それも社会全体にないのではなく 一部に偏ったため、 多くの人たちが 子育てを 諦めざるを得ない。 また 別の自分の夢や希望を 諦める社会、 これはむしろ 貧しい社会なのではないか。
ナレーション
では 子を和む 社会はどうあるべきか?
まずは 人々の 誤解を とく必要があるという。斎藤;
よく誤解されているのは マルクスも そういった 近代化を 勧め 経済成長をしていこうという 思想だったと言う風に誤解されている。ナレーション
斉藤はこれまで 埋もれていた 晩年のマルクスの文章から 知られざる 施策の 到達点を 見出した。斎藤;
マルクスは 初期の若い頃は 資本主義 をもとに 技術も発展して行くし 膨大な富が 生み出される (ことに) 感銘を受けて 確かに一部の資本家たちによって 独占されているから よくないけれども この技術がみんなのものになって 広がって行き もっと経済が成長していけば みんな豊かな生活ができるようになると 楽観的に考えてきたフシがあった。 ところが だんだんマルクスが 年を取っていくにつれて むしろ 資本主義というのが いかに破壊的なシステムなのかということを認識するようになった。 それは単に 格差が広がっていって、労働者が資本の奴隷になっていくだけではなく、自然から奪う力を強めていくことで環境問題が深刻化していくということを、特に晩年のマルクスは認識するようになっていた。ナレーション
晩年イギリスで暮らしたマルクスは 貧しい人びとの劣悪な労働環境や、自然が破壊されることに 心を痛めていた。 やがてマルクスはその眼差しを 地球そのものへ向けていく。 >> 続きを読む