2020年8月

『快三昧に生きる』 【13】

2020.8.31

「怒り」をコントロールすること、「我慢」を溜め込まない、そのことでストレスの多くを解決できることを示してきました。

そのような行動を自動的に行うのが、無意識にインプットされている「観念形態」です。その視点(観点)が発動するまでは、ついつい旧態の癖に扇動され、我慢とか怒りとかが自動的に湧出します。

急がず、ゆっくり、ゆっくり、何度も先にお伝えした、「百人百様の観点があること」を思い出し、相手を観察したり、自分の観点に思いを巡らしながら、無意識に染み込ませて行くつもりで、認識化を進めてください。

精神世界に興味を持つ方々が、突然の神秘体験を期待したり、何かが観えたとか、超常体験を自慢気に話す方に遭遇することがありますが、真の人間進化は、「認識の変化」に在ると思います。

「認識」が変わると「世界」は変わります。 >> 続きを読む

『快三昧に生きる』 【12】

2020.8.24

澤口 俊之・人間性脳科学研究所・所長、武蔵野学院大学・大学院教授(近年は乳幼児から高齢者の幅広い年齢層の脳の育成を目指す新学問分野「脳育成学」を創設・発展させている。)は、
下記のように、「怒りと怖れ」について科学的見解を示しています。

  • 澤口俊之【第1回】怒りは「恐れ」と密接な関係を持つ 怒りとの正しい付き合い方 ~アンガーマネジメントが組織を導く~

実は、怒りと恐れの間には、とても密接な関係があります。草食動物が肉食動物に追われるとき、扁桃体ではアドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが分泌され、それが恐怖反応を引き起こしています。それにより、動物は逃げたり、相手に立ち向かったりするわけです。よく「窮鼠猫を噛む」と言いますよね。あれは、恐れを感じたネズミが、それを怒りに変換してネコに立ち向かうという仕組みになっているのです。

人も同じです。原始的な怒りは、恐れから引き起こされます。それが抗議行動に移ることにより、怒りという形で表現されるのです。

 有酸素運動や瞑想は怒りの制御に有効

怒りを感じるたびに怒鳴り散らしたり、暴力を振るったりするようでは、社会生活を送ることが難しくなります。そこで人の脳には、怒りをコントロールする機能が備わっています。

感情を制御するのは、前頭葉の中にある「前頭前野(前頭前皮質とも呼ぶ)」です。この部分は、脳の中で成熟が最も遅く、20歳を過ぎても成長することが知られています。若者の中には怒りを制御できない人もいますが、これは前頭前野が十分に成熟していないからです。

歳をとると怒りっぽくなるのも、前頭前野が萎縮して怒りを制御する力が弱まるからだと考えられています。また高齢者の場合、怒れば怒るほど脳の神経細胞が死ぬことが実験で分かっています。そのため、怒りっぽい高齢者ほど神経細胞を失うペースが加速し、認知症になりやすいという実験結果もあるんですよ。 >> 続きを読む

『快三昧に生きる』 【11】

2020.8.17

「ワークアズライフ」から端を発し、世界貨幣のお話まで飛んでしまいましたが、コロナ禍をきっかけに多様な情報が日本中を行き交い、様々なアイデアと動きが始まっています。いずれにしてもこれまでの“あなた任せ”主義を脱却し、個々の選択と責任による「快三昧に生きる」方向を目指した新たな提案&ムーブメントには違いありません。

次に、なぜ私自身が「快三昧に生きる」を手に入れることができたのか、そのキッカケに触れてみたいと思います。

アンガーマネジメント

もともと生きることが下手だった私ですが、それは小学生の頃から始まっていました。一年生入学当時は学校に馴染めず、一人校庭の隅っこでしゃがんで大好きだった“江利チエミ”の英語の歌を練習するような、今で言うところのいわゆる「いじめられっ子タイプ」のオタク的子供でした。それでも担任に恵まれ、優しくフォローされながら4年生ごろまでは何とか学校嫌いを避けられていました。特に3年生の体育の先生は、その後中学生、高校生になってからも、先生宅(私立の中高一貫校校舎に先生の家が近かったことから)を訪ねるほど大好きな先生で、学校生活に潤いをもたらしてくれた有り難い先生でした。5年生になってから卒業までの学校生活は一変し、担任からいびられ積極的に友人たちの輪に入ることも拒否し、次第に病気がちになり、学校を休むことが多くなりました。

子供の頃から媚を売ることが下手と言うか大嫌いだったことが原因かもしれません。
先生にひいきされる子たちはそういう技が巧みで、そのために「可愛くない!」と差別されていたようです。母親に対しても「認められたい」「注目されたい」という気持ちは全くなく、そのため母への忖度も、気遣いもなかったように思います。当然母も私を好きにはなれなかったようで、生涯弟にべったりでした。
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『快三昧に生きる』 【10】

2020.8.10

フィンランドの「SISU」に始まり、ノリウェーの「Koselig」そして、デンマーク・スウェーデンの「Hugged」について、そのココロを紐解いてきました。
その結果「快三昧」とのシンクロが多々あり、大変共感を覚えています。

日本にもあった「ワークアズライフ」

一方で日本においても独自の生活様式を提案する動きがあります。

それが最近話題の「ワークアズライフ」という概念です。これまでお話した「幸福の国」北欧の「SISU」「Koselig」「Hyugge」に相当する、「タイムマネジメント」から「ストレスマネジメント」へ転換する考え方です。この「ワークアズライフ」についてもご紹介したいと思います。

「ワークアズライフ」は「ワークライフバランス」のアンティテーゼとして落合陽一氏(メディアアーティスト、筑波大学、学長補佐、准教授)が、提唱した概念です。

「ワークライフバランス」と「ワークアズライフ」の違い
ワークライフバランス(work-life balance)という言葉が注目されだしたのは、政府によって「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が策定された2007年以降のことです。
内閣府ホームページの「仕事と生活の調和」推進サイトではより厳密な定義として、国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて、多様な生き方が選択・実現できる社会と述べています。

  働き方に悩む全ての人へ

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『快三昧に生きる』 【9】

2020.8.3

「SISU」の他にも、北欧では「ヒュッゲな暮らし方」が盛んです。
「ヒュッゲ」とはスウェーデン語で、日本語に訳す言葉がありません。

スウェーデンには「ラーゴム」という概念があります。消費主義の生活とは反対に、多すぎない、少なすぎない適量の物を持ち、適度に暮らしていくことを意味する言葉です。物を持てば豊かになると考えがちですが、物が増えれば収納が必要になり、大きな家が必要になります。「ヒュッゲ」も「ラーゴム」も物質で満たされるのではなく、人とのふれあいやリラックスした時間で満たされることを大切にした考え方です。

気を遣いすぎない、北欧流ヒュッゲスタイル友人や仲間で集まるといえば、ホームパーティーを連想する人が多いでしょう。しかし、日本のホームパーティーはとても気を遣うものでもあります。主催者への手土産、インスタ映えする料理、スケジュールの調整、念入りな掃除など。楽しいけれど、ちょっと疲れてしまうことはありませんか?

北欧流ヒュッゲはもっと気楽なもの。「今からうちでヒュッゲでもどう?」と気軽に声を掛け合います。食事は普段と変わらないものを大皿で出すだけ。物が少ないシンプルな暮らしをしているので、慌てて掃除する必要もありません。私たち日本人は、無意識に人に気を遣ってしまいます。それが世界で称賛された「おもてなしの心」でもありますが、それはそれとして、普段はもっと気楽に人付き合いをしてみても良いのではないでしょうか。自然体でいられること。心地良い関係を築くこと。これが北欧流のヒュッゲスタイルです。

北欧 Life log

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