2017年11月

意識のちから

“さんま”「腹立つことない!」

垣間見るお笑い界エースの人生観

  暖かい週末の午後、何気なく昼食後の休憩時間にTVを観ていたとき、お笑い芸人の“明石家さんま”を分析する番組に出会いました。どの局の何という番組かは忘れましたが、インタビューに答えるさんまさんの本音を聞くことができました。その中で、「腹立つことがない」とか「自分を過信してないから」という言葉が印象的で、つい見入ってしまったのですが、彼“さんま”と“ビートたけし”の違いが見えて興味をそそりました。

 お笑い界のビッグ3は、“さんま”“たけし”“タモリ”とされているようです。私はお笑いには興味が薄く、あまり詳しくないのですが、この三人は良く知っています。
 “さんま”さんの「腹立つことがない」理由に、「俺は、腹たてるほど立派じゃないから」という言葉がありました。いつでも、どんなファンの要求にも応えて写真を撮ったり、自ら話しかけたりと、他の芸能人とは異なる一般人への対応を不思議がる他の芸能人たちも多いようです。

 彼は、世間の評判をあまり耳に入れないようにしているようです。「世間の評判はいろいろなんで、ネガティブ評価を見ると落ち込むの嫌だからネットでセルフサーチすることもない」というのです。彼は自分自身のイメージを高める言葉しか聞かないのです。
「褒めて、褒めて、もっと褒めて!」が口癖ですが、ナルシストでありながら、驕りがない、と感じました。
 また「腹立つというより気の毒やなーと思う」とも。そのスタンスは明らかに相手よりも大きくなって、見下ろしている姿勢なのですが、そこには小馬鹿にした上から目線ではなく、慈悲的な心が働いているように感じました。

 一方“たけし”は「たけし軍団」を率いて、親分の位置で弟子たちの面倒を見ています。東国原英夫元宮崎県知事も「たけし軍団」のメンバーでした。 >> 続きを読む

意識のちから

世間を騒がす『思わずカッとなって‼』

 「異界」という考え方

  今年は「思わずカッとなって‼」に関わるニュースが続いています。私たちの生活にも無関係ではありません。
 そこで「思わずカッとする」という感情は、価値ある人生に関して無用の長物ではないかという観点から、できればこのような感情に襲われないためのあれこれを考えてみました。

 人は怒ったり感情が激しくなる(頭にくる、カッとなる)と計算や判断を怠ってしまう事があります。ところがこの感情なかなかコントロールしにくく、頭に血が上り怒りが激高すると交感神経の働きで血流が増えて顔が赤くなるそうで、「意図的」ではなく、「衝動的」に行なったという事で、これまでの人生を棒に振ってしまったという話は枚挙にいとまがなく、今年のニュースには一般人の模範的立場にある多くの人が登場し、人間性を疑われ炎上したということです。

 ただ、日馬富士の暴行問題では、カッとして手を挙げた本人よりも、被害者への批判傾向にあるようですが、いずれにせよカッとした方は無傷では収まらないはず。ですが、「カッとする」ということは誰にでもあることで、ましてや横綱を張っている人間に逆らった後輩が、“可愛がり”を受けたのでしょう!という見かたや、“長いものには巻かれろ”風潮の世間評価も強く、貴乃花親方の、そういう体質を改革したい、という考えのぶつかり合いになっている傾向があるということです。

 つまり、「思わずカッとなって‼」ということについての人間性批判よりも、暴行の内容や程度を問題にしているということになります。もちろんそれはルール上では重要な問題ですが、人間性という観点から言うと、政治家その他のインテリ分野の著名人とは異なる扱いがされています。
 相撲界というのは神的象徴も伴う聖域に近い世界で、相撲協会には多くの文化人や政治家などが関わり、国技(?)の存続と高揚の為に、国からの優遇もあるのでしょう。
  巷では、外国人の出稼ぎの場になっているとか、博打、八百長等でヤクザと繋がっているとか、年寄り株の不正取引も聞きますが、そういう体質を変えたいというのが貴乃花親方の考えなのではないかと推察しています。

以下JBpress ニュースhttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51687より

日本の国技・大相撲で起きた“子供の喧嘩”に世界は唖然
八百長や暴力団との癒着から抜け出ていない、モンゴルを妬んでいる・・・

1年を締めくくるはずの日本の相撲界の九州場所は、場外で“大乱闘”が続いている。
 横綱・日馬富士の幕内・貴ノ岩に対する暴行問題だが、事件発生から1か月が経とうとするが、深層はいまだ闇に包まれたままだ。
 それどころか、加害者の日馬富士周辺と被害者の貴ノ岩周辺の証言に、様々な食い違いが表面化。事件を取調べ・検証する鳥取県警は、年内にも日馬富士を書類送検すると見られるが、事件の焦点は、貴ノ岩の親方、貴乃花や相撲協会の対応や動向に絞られてきた。

貴乃花のつぶやきに動揺する力士
 
「横綱や大関が稽古している時間、土俵に顔も出さずに支度部屋で寝ている関取衆がいることに『稽古もしないのによく本場所で勝てるな』と、貴乃花巡業部長が感心しています」
 昨年、岡山県倉敷市で行われた大相撲の秋巡業で、三役以下の力士の支度部屋前に、“貴乃花のつぶやき”のような異例の注意事項が張り出され(玉の井巡業副部長=元大関・栃東の名前で)、力士らは当惑した。
 日本角界の幕内力士42人のうち、半数以上を占める最大勢力にまで伸し上がったモンゴル出身の力士たち。中でも一番に反応したのは横綱の日馬富士だった。「強くなりたいという自覚があればいいこと。それをいちいち、紙に書かれないといけないなんて」
 若手力士の養成を担う横綱としての責務からか、あるいは「稽古もしないのによく本場所で勝てるな」と言われ、その貴乃花の“真意”に反発を抱いたからか、このような反応を示した。
 「貴乃花が白鵬や日馬富士など一部のモンゴル大物力士を毛嫌いしている」(角界関係者)と言われる一方、“八百長の噂”が絶えない日本の相撲界。現役時代からガチンコで理事である今も、協会の腐敗体質を批判してきた貴乃花。
   
貴ノ岩など自身の部屋の力士に立ち入りを禁止したモンゴル会やそれを取り巻くモンゴルマフィアなどの黒い噂が流れる中、白鵬や日馬富士など角界で最大勢力に膨れ上がったモンゴル力士界を引っ張っている当人らにとっては、耳障りな貴乃花のつぶやきだったに違いない。
 
場所前の同郷人同士の飲み会で上下関係を強いられ、どこまでガチで相撲を取れるのか――。
 
親方を超え、他の部屋の先輩力士が説諭するのか――。
 
モンゴル人同士の対戦、まさか、八百長なのか――。

火の手は川の両岸から上がる
  角界全体にも言えることだが、貴乃花だけでなく周囲からもそういう疑惑がついて回っていたのは否定できない。
 そんな中、外国人力士の日馬富士や貴ノ岩が起こした事件を発端に、「いや、手を出したのは貴ノ岩が先だ、夏の巡業で同郷の力士を殴った・・・」などなど、火の手は川の両岸から上がっている。
 今回の日本角界の大きなスキャンダルは、彼らの母国・モンゴルをはじめ、海外メディアでも報じられ、その幕引きに注目が集まっている。しかし、報道のあり方には、温度差がある。
 英国やフランスなど欧州でも人気のSUMO。欧米メディア(英国の有力紙、ガーディアン紙など)は、これまでの日本の相撲界のスキャンダルを取り上げ、協会の隠蔽体質、暴力問題、さらにはヤクザとの関連も深い野球賭博や八百長問題がいまだ、改善されずにいるという協会の構造的問題を突いたものが多い。
 一方で、外国人力士でありながら、現在、3人の横綱を輩出し、本国ではスーパースターである彼らが、不祥事などで人気が低迷してきた日本の相撲界を引っ張ってきた自負のあるモンゴルでは、日本の相撲界や貴乃花の対応への批判が目立つ。
 最大手のオドリィーン・ソニン紙は、「酔っ払いのけんか」などと、日馬富士と貴ノ岩を非難し、白鵬や日馬富士に挑発的な言動、行動を取った貴ノ岩にも一定の非があるとの見方を示す一方で、人気が急落した日本の角界は、モンゴル人の活躍で復活したと強調。

 

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意識のちから

お笑い中毒って❓

お笑いコンビ千鳥「大悟とノブの悩み」

 11月8日に放送した『ホンマでっか!?人生相談』で千鳥の大悟が、心理学、植木先生にボコボコにされ、そこで初めて「お笑い中毒」という言葉を聞き、これはお笑い世界だけの問題ではなく、今ニュースを賑わしている日馬富士問題の相撲界においても、あらゆる専門組織に通じるのではないかと思い、取り上げました.

 ゲストの千鳥を紹介。
千鳥の二人:「ちゃんとした大人になれていない気がするけど大丈夫でしょうか?大人同士でまともな話をすることがない。終始ボケと突っ込みで、真面目なな顔をしていられない」と悩みを相談。

池田先生 :「ちゃんとした大人になるの諦めた方がいい」とアドバイス。一般的な世界と違うお笑いの世界で生きている千鳥は、一般の世界を異界を楽しむ姿勢でいるとストレスが軽減されやすいと説明した。

尾木先生 :60歳以上でも大人にちゃんとなれていないと思う人が4人に1人おり、40歳以降に「自分は大人」という自覚が芽生える人が増加する、それは結婚、昇進などで自分が主の立場になることで自覚が生まれると。

植木先生 :突然、「聞いてないですよね、話を‼ 言葉の表面をさらって頷いている。・・・・・参加者お笑い。

大悟   :ちゃんと聞いてない!どっかで面白いこと突っ込まんと、と思ってるから。

植木先生 :手の内を見せないですよね、多分これまでのエピソードがたくさんあると思うのですが、聞かれないと言ってやらない、自分から手の内を見せない。全然聞いていない顔。後ろのブラマヨさんはよく聞いている顔。どうしてそんなに上っ面な感じになるかというと、すごくすごく認められたいから・・・愛されたいから。こういう人は、表面的な言葉しか受け取らない人、急に表面的な言葉にしがみつく、すがる人でマインドコントロールにかかりやすいです。 >> 続きを読む

意識のちから

気になる「プライド」

優越感が幸せ?

 『男はプライドの生きものだから』ではプライドのためにうつ病にまで追いやられ、そのうつ病を自分で受け入れられない、他人には知られたくない、と苦しみを解決できない多くの男性の翻弄する痛ましい状況を訴えていました。

 一体なぜ「プライド」というトラップにはまってしまうのか?をよく考えてみました。結論から言えば、それは「ヒエラルキー思考」によるものではないかと思えてきました。支配と隷属の関係が男性の中には当たり前のように無意識に構造化され、自分の位置をヒエラルキーの一定の場所に確保し、そこから上に上がったと感じると、プライドは満足し、自分の環境の変化で下がってしまった、または他人により位置が下げられたとき、プライドが保たれない、ということなのか?と考えました。
 女性もまったくそれがない、ということではないのですが、男性のように顕著で、生きる上での最重要な問題ではないと思うのです。男性の多くは、誰かに支配されてはいるけれど、また誰かを支配している、という感覚が必要な生きものなのでしょうか?

 最近、バラエティー番組で「いしだ壱成離婚要因は妻へ7つの掟…守れないと激怒」という話題を何回も目にしました。

以下https://news.ameba.jp/entry/20171031-1141 https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201710180000772.htmlより引用

いしだ壱成が元妻に課していた7つのルーティン
 
10月18日放送の「良かれと思って!」(フジテレビ系)に、2度目の離婚で話題になっている俳優のいしだ壱成が登場。番組内で、離婚の原因について語りました。 番組では、芸能人に対する世間からの様々な声が紹介されたのですが、ゲスト出演したいしだには34歳女性から「細かいルーティンを奥様に強要。まさかDV?」との指摘が。するといしだはここで突然、「私いしだ壱成は先日、2度目の離婚をしました」と発表。スタジオは一時騒然となっていました。 さらに、原因はいしだが強要していたルーティンにあったことを告白。
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意識のちから

男の人はプライドで損をしている?

『男はプライドの生きものだから』
テレンス・リアル

(その2) 

http://since20080225.blogspot.jp/2009/08/1.htmlより引用 

 

著者のテレンス・リアルは臨床心理士であり、主に家族、夫婦のセラピーを行っているという。
夫婦間の問題についての著書が多いようだ。
本書は、目次から想像できるように、男性が陥りやすい心理をテーマにしている。
男性は「男らしく」を教えられ、その男らしさがプライドに成長して行く。
そうやって生きている間にも、そのプレッシャーは重くのしかかり
そのはけ口として、アルコール・セックス・仕事・その他の中毒行為に逃げる。
男性は苦しい感情・悲しい感情・悔しい感情をダイレクトに出せない。
それもプライドの一つなのでしょうが、
男性が自分自身の「女々しい」優しさや繊細さを受け止める事ができれば何も問題はないし、
認めなくても、中毒行為に逃げなければ、うつ病の症状がでて医者にかかるようになるだろうし、
そうして自分自身と向き合っていくだろう。

この本で描かれる症例は、著者自身をも含んでいる。著者の父はとても横柄で暴力的な男であり、
二人の息子たちは常に父の暴力へどう対処するのか考えながら行動しなければならなかった。著者は父に強い反発を抱え、弟は父を単純に避けるようになった
著者リアルは20代をアルコールとドラッグに費やしてしまったという。それが、彼が自分のうつ病と戦うためにとった戦法だった。
死の危険もあった。それでもやがてセラピストを志していくわけだが、
その過程で父と対話することを試みる。
始めのうち、父は怒りと否定以外の感情を表現することを拒むが、
息子は父の怒りをというか父親をもはや恐れていない。

恐れを抱えているのは父のほうであり、息子は父の恐れをやさしく肯定する。
そうして時間をかけながら、父は息子に少年時代の苦しかった日々、
親に、大人に拒絶された日々のことを語り出す。
その苦しみを誰にも話せなかった苦しみを吐き出す。
父は世をすねて他人を見下して生きていたわけで、そんな人が老境に至り、
今までバカにしてきた息子に助けられながら、
「人生に大切なのは愛だ」「俺のようにはなるな。家族を大事にしろ」と
息子たちに言い残して死んでいくのだ。

家族の生活を無茶苦茶にしてきたことが帳消しになったりしない。
終わりよければ、という話でもない。
それでも、どんな状況でも前を向けるんだ、と素直に思いたい。
自分が無価値に感じられるという問題から目を背けると、
自分だけでなく、まわりの人々も深く傷つけるような事態を招いてしまう。
その答えが「ゆっくり生きろ」だ。

「隠れたうつ病」においては、防衛的行動または嗜癖(しへき≒中毒:引用者)行為によってダメな自分から誇大化した自分へと飛躍するが、そのどちらでもない健全な自己評価に到ることはできない。うつ病の根になっている自己の内面と向き合うことなしには、健全な自尊心を持ちえないからである。どんなにあがいても、内面の痛みを隠蔽したまま癒される道はない。[p.71] >> 続きを読む

意識のちから

男はプライドで損をしている?

その1

 最近特に思うのですが、男の人はどうもプライドで損をしているのでは?と。
他界した夫を思い出しても、友人のご主人の話を聞いても、はたまた知人の生活習慣を見ても・・・・
男の人はプライドを維持していなければ生きられない。
世間の中での自分の位置、社会的存在意義、家庭的存在意義、夫として、親として等々・・・・・
それらが満足できる状況を脅かされた途端、生きる気力が弱まり、人とのつながりも遠ざけ、殻に籠ってしまう。
そう・・・うつ病状態に陥るようなのです。

傍から見ているとこだわりが過ぎる。
そう見えてもそれを言葉にした途端プライドを傷つけてしまうのです。
自分を客観的に見る、ということはプライドが許さない。
プライドとは、自分のそのままが自分にとっては完璧!という誇りで、
自分の生き方は、それなりに考え抜き、努力を重ねた結果だから。
それゆえに社会は受け入れ、家族から尊敬され,
男性社会のなかで、そこそこの位置を維持していられるという自負だから。

そのくせ、自分で決めるための決定的指針は、徹底した自分の内側からではなく、
信頼に値する権威や、社会的信頼度の高い何物かに頼った上で決定しているのだが、
それさえも自己の能力と受け止めている傾向にある。

女性だって少しはそういった部分はありますが、男性のように
プライドのために自分の内側を見ようとしないということは少ない。
なぜなら、
女性は他人の意識が気になる動物で、
他人の意識を簡単に自分に取り込むという、
男性から見ると軽薄な生き物と言われる性質を持っているからです。
もっと極端に言うなら、
男性よりも「自分がない」と言えるのかもしれません。
流行に敏感で、世間のトレンドから送れないように、
常に古い自分を解体し、新しい自分でいたい。
ということです。

但し、ほとんどの場合自己という芯になるものがないので、
男性から軽蔑される原因にもなっています。
ですが、そのことが、生きる上では結構プラスに働いているようです。
それは病気や怪我をしたときに発揮できているようです。

男性はちょっとした弱みに襲われると、すぐに心まで病んでしまう。
そこが「損をしている?」という点なのです。
女性から見ると「プライド」は人生には不要にみえるから。
なぜ、そんなに大切にするのでしょうか?
という疑問から、

今日はこのことを踏まえて、
『男はプライドの生きものだから』
をご紹介したいと思います。 >> 続きを読む