ケインズが予測した週15時間労働の時代

『隷属なき道』(続)

第6章 ケインズが予測した週15時間労働の時代 まとめ

 ・1930年、経済学者ケインズは「2030年には人々の労働時間は週15時間になる。21世紀の最大の課題は増えすぎた余暇だ」と予言した。

・19世紀半ばから労働時間の短縮が始まる。1855年、オーストラリアのメルボルンの石屋が、他に先駆けて、一日8時間労働を保証した。19世紀末には、一部の国の労働時間はすでに週60時間に下がっていた。

・フォード・モーター・カンパニーを起こし、T型フォードを開発したヘンリー・フォードは1926年、市場初めて週5日労働を実施した。

・第2次世界大戦後も余暇は着実に増え続けたが、1980年代、労働時間の減少傾向が止まる。アメリカでは、むしろ労働時間が増えはじめた。個人の労働時間に減少が見られた国々でも、家族単位では、ますます時間に追われるようになっていた。

・これは、ここ数十年の最も重要な発展である女性の解放と関係している。1970年に女性が世帯収入に貢献する割合は2~6%だけだったのに対し、今では40%を上回っている。1950年の夫婦の労働時間の合計は、週5~6日だったが、現在では8日に近い。

・週の労働時間が世界で最も少ないオランダでさえ、仕事や残業、介護、教育にかける比重が着実に増えてきた。1985年、これらの活動にかける時間は週に43,6時間だったが、2005年には48,6時間になった。

・経済成長はさらなる余暇と消費を生み出したが、80年以降に増えたのは主に消費だった。そして消費の流行は借金によって続いた。より働かなければ、生活レベルが下がる。だから労働時間の短縮は無理だ、と主張されるようになった。

・フォードの週40時間労働の実験、W・Kケロッグの一日6時間労働、英国首相ヒースの週3日労働導入の結果から長時間労働と生産性に相関性はないことがわかる。

・世論調査では、日本からアメリカまで、労働者は貴重な購買力をいくらか手放してでも余暇を得たいと考えていることが分かっている。様々な社会問題を解決する労働時間の短縮。制作としてお金を時間に変え、教育に投資し、退職制度を柔軟にして、徐々に労働時間を減らしていくことが必要だ。

 ― オスカー・ワイルド(1854~1900)―

 仕事とはほかになすべきことを持たない人々の逃げ場である。

 

『隷属なき道』p154~156より引用         

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