鳥の目

木を見て森を観ず

ビートたけしのTVタックル&羽鳥慎一モーニングショウより

新しい歳に入り、早くも世の中に新しい(両極への)動きを感じるのは私だけでしょうか?
昨年後半よりAI技術の急激な発展とセットで外国人の流入問題が多く語られるようになっているが、新年早々から、あちこちで同じことが話題に上っています。
そこでは、おおかた若手の専門家VS年寄り軍団という構図が多い。
以下は
「日曜の昼にビートたけしが現代社会を斬る」話題のニュースの根底に潜むニッポンの問題をめぐり侃々諤々、白熱の大激論バトル!! と題して放送が始まったのだが・・・・
年寄り軍団には、古き良き時代のアピールとともにAIアレルギーが見え、ビートたけしは、移民が増えることによる(「奴らには」という言い方で)漫才の意味が届かない、漫才文化の危惧を訴えるに留まっただけ。まさにこれも『木を見て森を観ず』とは言えないでしょうか。

2019113日「TVタックル」https://www.tv-asahi.co.jp/tvtackle/backnumber/0246/より引用

今回のTVタックルは

ニッポンが抱える労働力不足問題
AI
&外国人労働者でニッポンはど~変わる!?SP
“AIの進化でなくなる職種&残る職種は?”
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「“コミュ力”のジレンマ 大研究」

新世代が解くニッポンのジレンマ

「“コミュ力”のジレンマ 大研究」

感想・まとめから・・・
さらりと 番組を観た感じと、こうして 詳細な流れを追っていく感じでは、中身がまるで違ったものに観えてきます。今回のテーマコミュ力”でも、先回の「お金もうけのジレンマ」で感じた 三角(階級)システムと水平システムの根源に 大きく関わっていることが解ります。
そもそも、多くの企業が求める人材の要素に、コミュニケーション能力の占める割合が大きいというように、コミュ力”なるものは、資本主義の産物ではないかと思いました。

まず、冒頭の紹介のなかでも、「世間が羨む 高い“コミュ力”を誇るかにみえるという二人の論客は、全く異なるコミュニケーション世界を持ち、興味をそそる新世代の代表で 現代の若者たちの日常・価値観の多様化を改めて覗き見るようで印象的でした。

自分にとってのコミュニケーションは、「話が通じる相手と話したい」そう、思う人を選択して、コミュニケーションをしていました。コミュニケーションの必要性は、刺激し合って成長を促すもののようです。実は、そんな私のようなコミュニケーション系は‟コミュ障” と呼ばれて、コミュニケーション障害を持った人という仲間に入れられるようです。つまり今回のコミュ力”とは、「誰とでも相手に合わせて会話ができ、むしろ相手を気持ちよくさせた上で、会話で相手を操るくらいの力」で私のような輩から見ると、まるで詐欺師に近い力のこと?と思ってしまいました。やはり資本主義の体系の中では ポーカーフェースの苦手な人は生き残れないという論理なのですね?ただ今回の論客ゆうこす(私も)は、充分幸せと安定を得て、現在を生きているのです。ということはそれが正論とは言えないのでは?と思いながら観察しました。祭りはもう終わったんです。祭りに乗じて口八丁で誘い入れ、自分だけ肥えようとする精神構造はもう時代遅れになりますよ、ということを知るきっかけになりました。

世間が羨む 高い“コミュ力”を誇るかにみえる」という 論客の一人ゆうこすと呼ぶ24歳のインフルエンサーの、新鮮な発想から発せられ言葉には、なぜか共感を覚えたり、ワクワクしてしまう自分がありました。彼女のモテキャラとか、ぶりっ子キャラなどには、全く興味もないのだですが、彼女の住む世界「アウトカースト」に、同質感を感じていたのかもしれません。そんな前提から、東京電機大学 理工学部助教授 山本助教授の言う 戦略的コミュニケーションと、分かち合うコミュニケーションという二つの分け方においても、この根源的棲み分けというパラダイムが大きく影響していることが見えてきました。さらに、「友達いなくて平気」の回答から、“コミュ力不要”というジャンルもあり?という流れも、コミュニケーションの価値を脅かす世代の存在があることを知り、変化の速さを痛感しています。
そういえば 最近ではコミュニケーション障害と言われる 発達障害の人たちのカミングアウトが盛んですが、‟コミュ障”という障害者扱いも、そろそろ時代遅れになり、“コミュ力不要”が時代の先端となる日もそう遠くはないような気がしてきました。 

山本教授の現代コミュニケーション事情の分析及び論説も、 “なるほど”と納得することが多く、論客一人ひとりのマインドにビルトインされたものが どちらに偏っているかが 透けて見えてくるのを感じられました。
例えば日本文化の深いところを牛耳る、八百万の神という神々同士の空気の読み合いとか、それが及ぼす場所場所による大切なものの違いとか、そこから生まれる異分子の排除とか、またスクールカーストについては 大人社会の縮図を強化したような子供社会の存在など、更にヨーロッパではフローター 日本では不思議ちゃんと呼ぶ アウトカーストの存在などなど・・・・

もう一つは、男性と女性とでは コミュニケーションの有用性や、意味に 大きな差異があることに気づきました。特に古市MCの発言は女性陣との間に、埋められない溝を呈し、女性軍に手厳しい言葉を浴びせられるなど ドラマを見るようでした。

要素分解をすると、承認欲求に基づいて、「分かってほしい」だから「あなたのことも分かってあげる」と、繋がることに意味を見出し(分身を探す?)「分かる わかる!」という女性特有に見られる相槌が示すように、それがコミュニケーションの重要な要素の女性。
一方 ただ繋がることよりも カースト内で少しでも利になる情報を得られるか、敵か味方か? 優位性、所有性、権力性に価値を置く男性のコミュニケーションの有用性の意味が全く異なるところにあることが見えました。まるで住んでる世界が違う、というように・・・・・・

3人の女性が互いに本音と建て前を使い分け、面従腹背が見え隠れし気を遣う様子は 心のどこかで優位性を意識しているようで、普通に女性が集まってよく見られる光景が映し出されていました。

そういえば、フランスではこういった番組が大変多いと聞きますが、フランスの哲学者「ドゥルーズ」による「リゾーム(地下茎ネットワーク理論)」を思い出しました。この理論はフランス国民の多くに指示されたようですが、「根になるな、リゾームからしか生まれるものはない」と、ドゥルーズは言います。自分を太らすだけの根よりも、縦横無尽なリゾームだからこそ、あらたに生まれるものがあると。・・・私もこの理論に共感している一人です。それはコミュ力”などという人為的で局所的なものは不要な世界なのでは・・・・。

自信満々のゆうこすは インフルエンサーという紹介の代名詞通り、100万人のフォロワーを持ち ネット上に多大な影響を及ぼす存在としてファンとともに生き、楽しんでいる。なのでリアルな友達は必要ない。だからコミュ力”にたよる必要もない。彼女はただ、ぶりっ子を武器に モテクリエイターとして尖っただけと言うアウトカーストをむしろ自負。
一方 自己キャラの定まらない堀口はマルチリンガルという 高度な知的要素を備えながらも いまだにキャラ作りできないことに迷う中 タレント・キャスターとして活躍しながらも 他者への強い承認欲求 はたまた カースト上位を目指してか “コミュ力”磨きに余念がない。 

アナウンサーと言う立場ながらも NHKという古い組織の一員を 身体中で意識しながら
中立を保ちつつも 新しい世代への批判的な内面が 見え隠れする 赤木アナ。いつの世も 古い体質に浸かっている者は 新しいものへの拒否感は否めない。「お金もうけ…」においても、それがあからさまに見えて面白かったのですが、今回は特に女性の 新旧世界を浮き彫りにしたようで面白い企画でした。その中で山本助教授の新時代的コミュニケーション事情の解体という取り組みは 今後も新たな研究結果に期待したいと思いました。そしてコミュニケーションにおいての △三角システムと水平システムのパラダイムの影響について、是非伺ってみたい気がしました。 >> 続きを読む

「お金もうけのジレンマ~新世代の資本主義論」

新世代が解くニッポンのジレンマ

「お金もうけのジレンマ~新世代の資本主義論」

  1か月も遅れてしまい、この回の記事があまりにも長くなってしまったので、感想からお伝えすることにしました。面白そうと思われる方はテープ起こしした本分をご覧ください。

7月1日放送 「お金もうけ」にはジレンマが?目指すは大企業?起業?外資?何が安定かわからない時代に揺れる若者たちの意識。格差、分断が叫ばれる時代、経済に何が?「共感」こそ商品になるという新たなビジネスモデルを提示する今をときめく起業家、冷戦の時代を皮膚感覚では知らない新世代のマルクス経済学者、さらに産業革命発祥の地で10年以上の長きにわたり研究を続けた歴史家によるクロストーク。「欲望の資本主義」を越えて未来は?

【出演】実業家…前田裕二,経済学者…斎藤幸平,歴史学者…山本浩司
【司会】古市憲寿,赤木野々花,
【語り】悠木碧

 最初に全体の印象として、両極端の存在に見える社会主義経済学者「斉藤浩平」氏と最先端ITプラットフォーマ―社長「前田祐二」氏の酷似したロジックと新世界観でした。

そして、この二人とは別の旧世界の住民と言える司会者を含めた3人の存在による資本主義の見え方の違いがくっきりと浮かび上がり、大変興味深く面白い展開でした。

 冒頭の画像が象徴する「世界の8人の大金持ちと世界人口の半分が持つ総資産がほぼ同じ」という三角形の画像が示すように、資本主義の原理とは、この三角形の構造システムです。ここでは左右よりも上下の意識が優先し、その原型がマインドを形成しています。例えば古市、山本、赤木をはじめ、会場の学生たちの言葉の中に頻繁に出てくる「いい?悪い?」「利、損」「勝、負」という二者択一の癖も、この三角構造の住民の特徴となって、私たちに顕現してくれています。この構造は全てのモノ、コトを考える上でのデフォルトとなって駆動するために、アウトカーストに住む前田、斉藤とはなかなかかみ合わず、多分論理的には納得できる部分があっても、感覚的に拒否するところがあるように見えました。

 また、この三角の中では「忖度」という行動も起きやすく、特に山本の言にはそのことが頻繁に見え隠れしていることが解ります。

 一方斉藤は完全に三角の外側からピラミッドを観察する水平世界に住むため、多様的、非局所的な今流行りのブロックチェーンシステムとも重なる世界観を持ち、これまでのイデオロギーを超えたところで、アイデアを提言しています。また前田は本人が言うようにこれまでは資本主義的戦いを原点としていたものの、前田が目指す理想は多分に多様的、水平的要素が強く、そのために前田自身が斉藤の影響で三角形の外側を発見した感があります。これは視聴者側から見ると、自分がはたしてどちら側の住民か?を考えさせるきっかけにもなっています。最終的には前田が「欲求階級を上がっているだけ」という言葉を使っていましたが、まさにこれこそが「精神の進化」と感じています。そして新しい世代の中にこうしたアウトカースト的存在がどんどん増えている現象は、人間革命とも言うべき「精神進化」の時代に突入している実感を得ました。この番組の企画者に敬意と感謝の意を伝えたいと思います。

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鳥の目

関わりのチョイス

間口か奥行きか?

 日ごろから何気なく、いろんな関わりを無意識にチョイスしているが、今回友人との語らいのなかで、私自身は「間口ではなく奥行きを広げる人、モノ、コトを無意識にチョイスしている」ということを再確認する。面白い‼
 図https://www.bizocean.jp/doc/howto/164/より引用

こうやって、私世界のネットワークが広がっているという実感を得、視覚化できたことは一つの収穫。友人に感謝!

鳥の目

スポーツマンシップって何?

    最近スポーツ界の精神面に疑問を呈する事件が多くなっています。所詮スポーツは「勝つ」ことを目的に競走し、争い合うものですので、「勝つ」ためにどんどん強さを求め、強くなるためには、どんどん鍛えなければなりません。

伊調馨選手に対するパワハラ問題で、日本レスリング協会第三者委員会から、パワハラ認定を受けた栄和人監督に対して、

「監督は畏怖される存在でないといけません」

「チームを統率する意味では、尊敬されつつ恐れられないと、選手を強くできないと思います。だから(認定されたパワハラ4つのうち)3つは正直、栄監督かわいそうだな、という部分はあります」と擁護する拓殖大学レスリング部監督の須藤元気氏。 >> 続きを読む

鳥の目

「昭和のメカニズム」逆襲する現代

日大アメフト下級生100人の乱 退部者続出崩壊も

アメフト 日大選手「監督から やらなきゃ意味ないと言われた」

 昭和人間にとっては、戦前から受け継がれた主従関係で成り立つシステムに反発する意識よりも、むしろ、自ら権力をかざす主従関係の上に立つことを目指し、そのメカニズムの外側から見る目は開いていません。晴れて権力の座に立って、権力をかざすことは自らが望み、掴むことができた当然の権利で、何の問題もあるはずがなかったと言えるでしょう。

そのメカニズムは「戦い」であり、「競争原理」に基づいた、「戦場」という社会構造であったので、勝ち抜くことが生き残る、という精神が求められていました。

平成になって、年号の意味が影響したのかどうかはわかりませんが、「地平らかに天成る」のように、それまでの上下、主従の関係というメカニズムが重視されなくなってきたという気配とともに、SNSでの瞬時の拡散システムが後押しして、急激に権力に対する逆襲が始まっています。 >> 続きを読む

鳥の目

シンクロする過去と現在

“混迷する国会・タイムリーな番組”共時性?
こんなことまでNHK が放送⁉ 驚き・・・・

財務省問題(財務省次官セクハラ問題に、この国の「メルトダウン」を見た)で混迷する政界のニュースが連日世間を賑わすなか、NHK Eテレ『100分でメディア論』が再放送され、意図的に放送したのかと思ったら、企画は相当以前からあったようです。これこそホントに共時性ですね。最近NHKが面白くないと思っていたのですが、これは傑作でした。

1.      世論とメディア
  堤未果(国際ジャーナリスト)
  ウォルター・リッチマン著
  『世論』

2.      なぜ偏向報道は生まれるか
  中島岳志(東京工業大学教授)
  エドワード・サイード著
  『イスラム報道』

3.      「メディアと空気」
  大澤真幸(社会学者)
  山本七平著『空気の研究』

4.      メディアの未来
  高橋源一郎(作家・明治学院大学教授)
  ジョージ・オーエル著『1984』

最終章「マスメディアはどうあるべきか」

 四つのテーマに4冊の名著の解説と他の論客たちの意見を交えて番組は組み立てられていたのですが、4人の論客の足並みがそろい、それはもう見事というほど現代社会の矛盾や問題点を鋭く突いて、胸が空く思いの100分でした。 >> 続きを読む