鳥の目

怒りっぽい人、欲が深い⁉

若者世代に物欲が乏しい理由

物欲と怒りは同じ脳領域 2019.7.31 放送“ホンマでっか”より

菅田将暉:20代~30代の人物欲あるの?

ネプリーグに出演したとき、洋服に月1万円以上お金を使う人が何%?という質問         があって、僕は98%とか言ったら、答えが20何%だって、びっくり⁉

(マーケティング)
牛窪 恵:そうなんですよ。スマホの普及で、安いものを簡単に買えるようになって、ちょ   こちょこ買いというのを若者がするようになり、食べることと同じように大腹が空かない。

以下のアンケートでは

・お金を出して欲しいものがある。⇒20代男女で3割以下

・1年以上洋服を買わない。   ⇒20代女性は2割。男性は3割

という結果が出ている。

これは、脳疲労によるもの。

ネットの見過ぎによる情報だけで満足してしまう現象。
脳がゴミ屋敷化していると言われる。

更に脳疲労で買う気力も減少。

情報を引き出してくる気力もなくなり、「何が欲しいか?」を考えたくもない。という状況になっている。

(脳科学)
澤口俊之:物欲、怒りは同じ脳領域 

     怒ると物欲が高まる。怒らなければあまり物欲は高まらない。

     最近の若者は怒ってない。

怒ることが減ったために、欲しいものがなくなっている。

菅田将暉:そういえば最近ドラマ「3年A組―今から皆さんは人質です」でずっと怒っている役をやっているときネットショッピングが凄かった。

マツコ :イライラしたとき衝動買いするのって自然の摂理なんだ!

澤口俊之:怒りの感情を鎮めようとすると、モノを買ってしまう。

(ブラマヨ)

吉田  :ギャンブルでも負けてる時ほどお金使うよな!

菅田将暉:そのドラマの第1回の時に、僕が怒り続けるシーンがあって、生徒役の子供たちがみんな泣き出しちゃって、驚いた。本気で怒ってる僕にびっくりしたみたいで、僕の方がびっくりでした。
彼らは本気になったことも、怒られたこともないみたいだった。

牛窪 恵:そうなんですね、最近の子供たち、中学以降怒られた経験がないまま育っている子供が多い。そういう子どもが増えている。

 

 この番組を観て、それまでは人の欲と怒りが比例することに不思議を感じていたが、澤口先生の怒りと物欲の脳領域が同じというエビデンスに深く溜飲が下りたと言ってよい。

昭和の時代、戦争という傷や、戦後の混乱という飢え渇きの時代に生きた人たちの物欲(ハングリー精神)を起点にした戦後復興世代のお蔭で、豊かさに包まれながら有り余るモノの中で育った平成世代を経て、徐々に人々のモノへの執着心も薄くなり、同時に怒りやパッションというエネルギーも沈静化しているのかもしれない。

菅田将暉主演のドラマ「3年A組―今から皆さんは人質です」では、あまりにも過激に激怒し続ける主人公に、第1回目からちょっと見ただけで嫌悪感を感じた引いてしまった私なのだが、子供たちも演技を忘れて泣いてしまった、ということが理解できるような気がした。
昭和に生まれながら、根性やガッツとは程遠い私なので、この急激に変わりゆく現代社会は、私にとっては非常に生きやすい、好都合な時代と感じている。

 日本人は元来「自分で考える」ということを苦手にする国民で、何も考えず集団主義、ステレオタイプを貫いてきた結果、そんな大人になりたくないと思う若者たちが増えているのだ。

 その典型がお金に振り回され、金拝主義からコバンザメのように会社や組織にパラサイトし、不自由でストレスの高い生活を送ることを拒否することからはじまったのだろう。

 こうして物欲の代わりに自由を獲得した子供たちはストレスフリーに近い日々を得て、当然のように怒りという最大のストレスからも解放されることになった。但し、会社や組織にパラサイトしなくなった分、親の年金を当てにしてパラサイトしている若者も多いことは事実。

 そんな若者を観て、大人たち(特に昭和世代)「ハングリー精神がない!日本の将来は一体どうなる!」と懸念しているが、私から見ると全く逆の未来が見える。

 それにしても、情報過多による脳疲労という現象はちょっといただけない。あまりにもネットの依存が大きすぎるのだろう。これも日本人の苦手な「自分で考えない」癖のせいかもしれない。異なる形でステレオタイプを維持しているように思う。ただスマホ依存もしばらくすればある意味で飽きられることにもなるだろう。そんな時期には、もう少し進歩的な使い方が開発されることで人間進化のキッカケにもなると期待している。

いずれにしろ、日本型ステレオタイプから早く脱して、個々、自分らしい人生を手にし、自分らしい幸せな世界で生きる人が増えることを期待したいものだ。

今回のレポートから、怒りっぽい人は欲が深いという結論を得た。

 

 

 

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