快のままに

「日々工夫」で脳活性Ⅱ

  この原稿を書いているとき、タイムリーにTVで、岸 博幸氏(経済学者)が語っていました。「スマホは浅読み(流し読み)が癖になり、本をじっくり深読みできなくなる。そうなると常に自分で考えることをしなくなり、自分で考えることを避け、受け身姿勢となる。自分は一日1時間以上スマホを使わない。」と。また「浅読みは長期記憶に止まらない」とも言っていました。そして「大人はスマホの使用を制限すべき」ということでした。

大量の情報の中で情報中毒になるのでしょう。考えるよりも検索した方が早いからでしょうか。それ以上に新しい情報を追いかけていないと不安になるのでしょうか?言われてみると「然り」です。私もネットの文章はつい流し読みしてしまいます。気をつけなければいけないと反省しました。

 さて今日の本題に入りますが、先回「考える」ことが苦手な人のことを取り上げましたが、上記のように「考える」が苦手になる文化なのかもしれませんね。とはいえ、「考える」が苦手になることは人間として不都合なことになることも否めません。そうなると「日々工夫」は脳活としては人間にとってもっとも安易な方法と言えませんか?「日々工夫」のためにまずアイデアを絞りだし、アイデアを実践するためにスマホを使うなら、スマホに自分をコントロールされることはありません。

 アイデアを絞り出すためには、自分の生活を俯瞰して観察する必要があります。これは実は認知科学の「メタ認知」という方法でもあるようです。つまり、自分の不便や不快を改めて認知し、どんな時にスキット気持ちいい感覚になるか、不快感を覚えるか、何が好きで何が嫌いなのか、どんなことが楽しいか面白いか、嬉しいか苦痛なのか、ということを客観的にはっきり確認する、ということです。自分のことを監視しコントロールする力を「メタ認知能力」と言います。私はこの方法を大変気に入っています。これがなければ他人やスマホやTVなど見えない力にやすやすとコントロールされてしまうからです。そして他にコントロール(洗脳ともいう)されないためにも、「日々工夫」は簡単で習慣にもなり、何ものにもコントロールされない自分を創る最上のアプリケーションツールと言えるのではないかと思うのです。

  「日々工夫」を習慣にすることで脳活性とともに、いくつかのオマケの利点がついてきます。それが何かというと一つは「感覚」が鋭敏になるということです。それまで鈍感で見過ごしてしまっていたちょっとしたことでも「あー気持ちいい」と感じる感覚です。そよ風、せせらぎ、気の感覚、身体の微細な変化などなど、ほとんど何も感じていなかったことが、新鮮に感じ、生きている喜びを抱くことがあります。それは自分を大好きになりそれが自信にもつながる要因にもなります。逆に痛みや、苦痛、障害ばかりに目を向けている人は「これさえなければ」と自分を恨む気持ちに苛まれてしまうでしょう。そんな人にこそ「日々工夫」をお勧めしたいと思います。

 自分を俯瞰して観ることとは、本当の自分を知ることでもありますが実は自分を知る経過には他を観察することで見えてくるものがあります。つまり、自分に目を向けることは全てに目を向けることにもつながっていくのです。そのことが結果的には自分を進化させることにもなると信じています。それは自分の人生をどれほど価値あるものに変えてくれるかを体験するキッカケでもあります。このように「日々工夫」の結果から得るものはあまりにも多く、やろうと思えば今日からでも簡単にできる安易で無料のツール、いかがですか?「日々工夫」って見逃せない暮らしツールだと思いませんか。

Comment

佐藤二葉

「日々工夫」で脳活性Ⅱを読ませていただきました。自分で工夫して考えて行動するが私には足りないと思いました。小さな事から始めてみようと思います。
 最近身近な人が旅立つケースが増えました。年末も知人の娘さん32歳が旅立ちました。毎日大切に生きていきたいと思います。

返信
myosho

「日々工夫」を読んでいただき、ありがとうございます。これはとても楽しい習慣」になります。是非日々の生活を楽しんでください。明照

返信

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です